遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

お腹の健康が一番

2006-05-30 21:26:22 | BIONEWS
Lactobacilus acidphilus L-92にアトピー性皮膚炎を緩和する効果があることをカルピスが発表した。"Lacto"は『乳酸』、"bacilus"は『桿菌』、"acid"は『酸性』、"philus"は『好き』ってことなので、Lactobacilus acidphilusとは『好酸性の乳酸菌』ってこと。ラテン語って、ちゃんと意味があるのです。
摂取したものを体に取り込むのは腸なので、腸での免疫系の働きはとても重要。なーんてことをコロラド大時代は所属がGastroenterology(消化器学)だったので、周囲の医学者によく聞かされたものだ。私のような人間をそんな組織で雇うのだからアメリカの大学は懐が深い。ただ、後に働いたのがテキサス大のMolocular Cardiology(分子循環器学)だったので、懐が深いんじゃなくてアメリカの大学では組織の名前なんかどうでも良いのかもしれないな・・・。 そのテキサス大時代、研究室の同僚にルーマニア人の内科医がいたんだけど、彼は僕の体の調子が悪いと『ヨーグルトを摂れ』と決まり文句でニタニタほほ笑みながら言った。ルーマニアには薬が買えない人もいたので(チャウシェスク政権時代の頃のことだと思う)、そういうしかなかったのだそうだ。もちろん、テキサス大で働いてる僕の場合は薬を買おうと思えば買えるんだけど、米国では彼が医師免許を持ってない。「薬を処方してやりたいけどできないよ」という彼流のちょっとシニカルなジョーク。

さて、カルピスといえば乳酸菌飲料の定番なんだけど、僕が大学生か大学院生ぐらいの時に経営が大ピンチだった。なにしろ単品で商売していたので、それが売れなくなると会社が傾くのである。それを救ったのが『カルピスウォーター』。僕が子供の頃はカルピスを濃いめに作るのが贅沢だったんだけど、薄めにして商品にしたらヒットした。もうその頃はカルピスの濃さで喜びを感じる社会ではなくなってたんですな。成熟したのか、贅沢になったのかは分かりませんが。
ちなみに、『カルピス』という言葉は完全に日本人による造語。米国人にCal Pis(牛のしょん○ん)を飲めといったら絶対に拒否されるだろう。

記事のURLは、http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20060530k0000m020059000c.html

本日のお酒:SUNTORY GERMAN PEARL DRY
コメント (2)
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