聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

ここは、聴覚障害者制度改革推進中央本部の公式ブログです。
(2010年4月16日付で、名称を変更いたしました)

【速報】参議院厚生労働委員会7月28日 その6

2005年07月28日 | 【速報】7/28参議院厚生労働委員会
尾辻大臣/障害児の保護者がサービスを選択することを考えている。また、虐待などのことも考えて措置制度をしてある。障害児の見直しについては、各方面の意見を聞くこと。
障害程度区分については、発達途上にあり、刻々と変化があるうえに、現段階では指標がないので、今回は設けない。今後の課題とする。
現在の障害児の入所について、必要な見直しをしている。義務教育などは大人と違った配慮が必要なので、今後の課題としたい。

山本/冒頭大臣からアスベストに関する発言を頂いたが、そのことについて所見を伺いたい。
西大臣は行政にも問題があったと認識していると思っている。労働者だけでなく国民の全体を考えて欲しかった。行政の責任は明らかだったと思うが。

尾辻/政府全体でも検証中。
西副大臣を中心に、チームを作って、検証中です。その結果を待ちたいと思っている。

山本/連日新聞で報道されている中での慎重な発言だと思う。ご自身で集めた情報に基づいて、失敗だったという発言でよろしいか。

西/労働行政が基本的なテーマ。行政の立場としてはあるが、労働行政を超えた家庭、市民などへの被害。その当時、公表されたものは、労働だけでなく、環境行政というそれぞれの連係の守備範囲の隙間に陥ったことだという観点から話した。

山本/行政全体として考えれば、落ち度があったから、責任があった、と申し上げたが、大臣はよく考えてからと発言された。7月いっぱいで検証も出ると聞いている、しっかりとした検証をお願いしたい。閉会する前にも、提案していきたい。

被爆者援護法については、共産、社民の協賛を得てやっていきたい。原爆記念の式典があるが、本委員会の審議も進行中かもしれないが、出席される考えはあるか?

尾辻/8月6日は土曜日なので出席します。
9日は平日なので委員会日程が無ければ、出席させてもらう。

山本/是非、どちらにも、出席をお願いします。
障害者福祉問題について、二つの課題について。
精神障害者の数が増えているといえるが、そこでいろんな要望が増えていることから、サービス提供の体制を整えること。財源の確保をすること。この二つが求められている。
今、支援費制度が大きく変わろうとしている。支援費から支援法に変わるが、なぜ、12月5月に措置制度から支援法に直接移行するという発言がなかったのか。

/行政処分、措置から対等な立場で選ぶことが出来るようにと。身近なところが支援出来るようにとあった。その時点の考え方で、措置制度を契約制度にもっていくとこに重点を置いたと思う。
支援については、継続されたが、在宅についても、義務費が発生した、しかし、当時、話は煮詰まらなかった。それにはいろんな背景があった。
精神障害も含めて一元化すべきだったが、関係者の合意が得られなかった。いろんな経験を積んで、理念をより発展させるために、一気に3障害を統一することが出来ればよかったが、その当時は出来なかったのであろうと思う。

山本/5年間の間にどの程度の理解が深まったのか。支援費で措置制度の時代と同じように、市町村が居宅生活支援費のところの支給の要否と支給量を決定していた。支給量が膨れ上がることは予想ができたはず。
施設サービスが義務的経費である一方で、居宅生活支援費は裁量的経費にとどまっていた。ここでお金が足りないという話になるわけです。なぜ、支援費を発足させるときに、居宅生活支援
費も義務的経費とすることができなかったのか。
塩田/措置から契約へというところに議論の力点が置かれた。費用負担の部分については、措置費時代、施設は義務費だった。そこまで議論が及ばなかった。厚生省の担当者の、いわばその当時の常識は、在宅サービスは裁量的補助金という議論が当たり前ということだったのだと思う。財政も今ほど逼迫していなかったので、想定の範囲内で、許される予算の範囲内で、サービスの伸びを吸収できるのだと考えたのだと思う。予想以上にサービスが広まったこと、予想以上に国や地方自治体の財政が逼迫したこと、そういうことで、抱えている矛盾点が露顕をした。当時の担当者としては、これほど財政が厳しくなるということ、サービスが伸びるということは予測しなかった。その点についての批判は甘んじて受けなければいけない。

山本/5年前の状況が、国家財政が逼迫していなかったとはだれも思わない。それぞれの予算が大変だった。率直に、そこは見通しが甘かった、自分たちの判断が甘かったとおっしゃっているのでよいが、そのしわよせをくらっているのは障害者の皆さん方である。このお気持ちを持って、法案審議に臨まなくてはならない。障害者の方に押し付けていることになってしまう。
支援費の制度の設計はもうちょっと考えられたと思う。大臣にお伺いするが、支援費の支給は不公平なところもあったという認識ですか。

尾辻/市町村が支給決定を行うにあたって、支援の必要性に応じた客観的な基準がないことから、市町村によってサービスの支給量に大きなばらつきがあることは事実。ばらつきがあるということを申し上げているところでございます。

山本/そのばらつきは何で生じているのでしょうか。
尾辻/市町村によって判断がまちまちになるというか、支援の必要性に応じた客観的な基準がないということが理由になっていると考えている。

山本/客観的な基準がないので地域間のばらつきが出てきたと。それは横に置いておいて、サービスを必要としている方がいる。市町村が予算内においてできるだけ出そうと思われている。サービスの内容、必要度というものが障害者の皆さんの要求以上に出ているのか。内容が適切か、不適切か、どちらと判断しているのか。

尾辻/それぞれ市町村は適切だと判断していると思う。ただ、全体として見ると、その間にばらつきが生じている。こういうことでございます。

山本/私は大阪ですが、大阪はホームヘルプの支給量は多いが、地域ごとで格差が非常に激しい。たくさん出ているところが出し過ぎているということなのか、出ていないところが少ないと考えているのか。どちらと考えているかによって大変な違いが出てくる。市町村は必要があるから出しているというご認識だとすれば、たくさん出ているところは出し過ぎているわけではないと考えているのでしょうか。

尾辻/市町村が適切に判断をしたということなので、私どもが適切であるとかないとかということを、今申し上げるものではない。市町村がそれぞれのご判断を適切にやっているものだと思う。ただ、これは再三申し上げている話ですが、客観的な基準が定められていなかった。したがってばらつきが生じてしまった。したがって、今回、客観的な基準を定めようということを言っている。

山本/客観的な基準がないんだけれども、適切に支給されていたということなので、話がややこしくなってくる。財源に限りがあることも事実だし、利用を希望しておられる方たちに行き渡らなければならない。結論として、財源が少ないことが致命的。これから先の考え方として、たくさん出しているところを減らして標準化するという考え方は困る。たくさん出しているところが出し過ぎている、不適切に出していると考えるのか。どう考えるかは、厚労省の障害者福祉にかける理念の問題だと思う。障害者の皆さんが生活する上で必要なサービスがある。出すべきだと考えるともっとサービス料が上がっていくと思う。できるだけ適切に使うという気持ちも必要だが、障害者の関係福祉予算が大幅に伸びていくとは到底思えない。障害者の数が増えることによって予算は増えていくが、サービス料が増えていくかということは、この法律の中では考えられない。障害者の皆さん方も不安に思っていると思う。支援費が今どういった形で使われているのか。どの程度、1人1人が要求されて使われているのか。いわば実態調査というもの、支援費の利用状況調査のようなものはあるのか。

塩田/市町村において1人1人の障害者のニーズに応じたサービスが提供されていると思うが、全国的な網羅的なデータは持っていない。それについては、現在、データを集めている。

山本/ホームページでいろいろ見ていたら、地域生活支援のあり方に対する検討会があった。これは厚生省の検討会だと思う。知的障害者の方が使っておられる支援費の時間が、身体103時間、家事237時間、移動95時間、したがって400時間を超える。ほかの方でも200時間を超えている。支援費の具体的基準はおおむね125時間ですから、この時間をはるかに超える利用をしておられる方がいるのが実態。そういう実態を踏まえた上で、今回は自立支援法に変えるわけですから、前提になる支援費の利用のされ方の実態把握がないと、我々としては判断がしづらい。24時間365日の常時介護を要しておられる方たちについて、どういう形でのサービスを提供するかというときに、限定的なものになるのか、あるいはそうでないのかということについて、ここが悩みどころで、どうするかということについての一定の回答が要るのだと思う。できるだけ使いやすいものになるということにならないと、障害者の方たちの日常生活が成り立たない。財源に限りがある中でどうするか。障害者の皆さん方とそれぞれにご協議をしていく中で、お互いが納得できる点を探していくしかない。そうすると、今回はかなり無理がある。時間的にも、審議の内容を理
解していただくには足りない。お互い納得できる部分がないのかもしれないが、もう少しお互いが理解し合えるようにという姿勢が厚労省にも国会にも要ると思う。

最新の画像もっと見る