草川(公明)/10月4日の諮問会議での結果について。尾辻さんが医療制度の見解も出されている。社会保障、医療について、経済財政諮問会議が意見を言うことに疑問がある。社会保障は経済の成長の枠内で総額を定めるべきとの提案があった。これに尾辻さんから反対されているが。中川さんからも提言が出ている。「…な公的負担は、経済活力を阻害するため、…目安にするための指標が必要だ。」と。このような提言を厚生労働省は黙ってみていていいのか。厚生労働省の政策が責められている。反論をやったらどうか。これは要望ですが。
尾辻大臣/軽減方法を説明しろとの話があった。軽減したいと思い仕組みを作ったので、複雑な制度になった。医療分野と福祉分野がある。分かり易くしたいと思っているが、ご説明しづらい面がある。繰り返し説明していきたい。経済財政諮問会議では、総額キャップをはめろとの話。ミヤジマ座長は前回出席されている。社会保障全体をどう見直すかの座長である。ここでの議論を聞きたいとあったので、ミヤジマ座長が説明をした。
まだまとまっていないので、いろいろな意見があると説明された。私も出席をしたが、私は常任メンバーではない。先生がおっしゃったことは、何回も主張しなくてはならない。国民の医療を守るために、私は、命がけで言おうとしている。ご理解いただきたい。
草川(公明)/がんばってください。
遠山(公明)/育成医療について。今までの説明では、住民税課税、所得税非課税の場合、上限1万円になった。これは予想以上の負担軽減措置だと思う。住民税課税、所得税額30万のところも、**になる。障害者自立支援法の成立後、介護保険の時同様、サービスの利用者が増加するかもしれない。財政上は苦しくなる。また現在は、地域格差がある。客観的な尺度の導入が法案の趣旨。厚生労働省として、利用者の増加見通しは?
中村局長/サービス利用者の増加については答えられないが、基本的には支援費の伸びがあるうる。精神障害者の部会報告でも、実施状況が少ない。法律成立で利用が増える。地域格差の是正のために障害サービスの立案。利用の実態、伸びを勘案して、今回の障害区分などを整理して、ガイドラインを作成して、ニーズの把握を含めた計画を市町村につくってもらう。来年初めを目指して計画のガイドラインをつくりたい。
遠山(公明)/これまで支援費の対象でなかった精神障害者も対象になる。全国一律なので延びも予想される。厚生労働省のガイドに沿って、市町村が福祉計画を立てるそうだが、それに沿って、義務経費を盛り込むのか。
中村局長/そうです。高齢者も市町村のゴールドプランで作成した経緯がある。地域のニーズをくみ上げて実施するのが基本。
遠山(公明)/障害者福祉計画を立てる際に、障害者程度区分はモデル事業を確認したが、要介護度は1~5まであるが、統計上は7段階ある。それに基づいてやるのか?
中村局長/不安はわかるが、3障害共通の基準ができるか、客観的な基準ができるかがポイント。まず、障害認定区分自体を審議会で詰めてもらいっている段階なので、考えさせてもらう。給付もだれを優先してサービスするかの優先度の判定も考慮したい。
遠山(公明)/大事だと認識している。当事者の声、団体の声もふまえて程度区分の決定をしてもらいたい。改革の方向性は市町村の一元化となっている。理念はそのとおりだが、財政の格差は事実。市町村中心の一元サービスの重点化により、格差の解消は、財政格差のもとで解消するのか? 先日、障害者からいただいた手紙の中に、現在の制度の下にシステムに問題があるのではなく、もともとの提供基盤により格差があるのではないかと、ある。
西副大臣/地域格差があるのはご指摘の通り。財政状況が要因との指摘だった。もうひとつ、意識の違いもある。提供態勢に差違が出ている。支給決定について、客観的指標がなかったのも、要因だと反省している。障害者自立支援法で整備を図ろうとしている。
まず、障害福祉計画を策定していただく。ここに出発点ができる。社会資源がないとできないので、空き教室などの資源を活用し、NPOにも活躍してもらい、きめ細かな状況を作りたい。障害程度区分もきっちり決める。全国あまねくの状況を作りたい。今後この法をてこにサービスをつくっていく。全国どこでも、必要なサービスを公平に利用できるようにしたい。義務化も大きな要素として生かされると思う。
遠山(公明)/義務づけられ、客観的基準が導入される。幅広く利用されるシステムになるという感じがする。弱い自治体には、基盤整備を促してほしい。義務的経費化は一歩前進だが、予算上限が固定化されて、予算よりも利用が上限を上回った場合、裁量で予算を積みますことができなくなる。足の出た部分は持ち出しになるのではないか。中村局長/それは誤解。義務的経費は国が支出しなくてならない経費である。裁量的経費が自由で有利で、義務的経費が不利というのは理解しかねる。程度区分とからむが、区分ごとに、予算配分がある場合、特定に配分されたものが、他の区分に流用できなくなるのではないか。軽度、中度、重度などで、流用できないのではないか。
中村局長/国庫補助基準をどう作るかの問題。ご心配のお気持ちはわかるが、どんぶり勘定ならいいという側面ばかりだと、公平感、透明性、効率性が…。ボリュームが少なかったから他に回すというのは健全な姿ではないと思う。ルールの透明化、公平化も基本的な考え方として提示している。福祉のあるべき姿を議論して道を切り開くのが基本方針。ホームヘルプの利用状況は、都道府県で6.3倍の格差がある。多く使っているところが平均並にすると激震がはしる。方向性をめざしてすすんでいく。
中村/現状をふまえて組み立てたい。
遠山(公明)/特定の障害者に偏って支給されているのではないか。現状の福祉サービス利用者がいるので、現状に即して支給してもらいたい。重度障害者に対する包括サービスについて、ひとり暮らしの重度障害者は、市町村の包括サービスの対象となるのか?聞きたい。包括サービスを実施できる事業者の数が少ない。支援法で助けますよ、と言っても担い手がいない状態。
中村局長/ご指摘の通り、難しい問題、データを調べているが、年額1000万円を超えている人は3つの県で全国の6割が集中している。委員の言葉を借りれば、包括サービスを導入しても、需要がないか、市町村で存在を認めていないという土壌もあるのではないかと。ニワトリと卵の関係になるかもしれないが、需要があり、ニーズに着目してサービスが始まるのでは。今回の法律でサービス、モデルを作っていきたい。
遠山(公明)/要望だが、応益負担の話で、一番の反発は、利用度に応じた負担という問題。大きな反発が障害者団体からある。重度の包括サービスの新設は、そういう方々を対象とするサービスの充実を要望したい。
小林(共産)/前国会で廃案になって再提出され、関係者の不安がある。支援費の利用契約の変更について質問したい。大臣答弁で、調査結果の根拠は?
尾辻厚生労働大臣/朝日議員の質問に答えたのだが、その根拠だが、調査は行っていないが例えば在宅サービスは支援費制度移行後H15~16で、児童対象のサービスは2・4倍になっている。人口カバー率も9割弱になっている。この法律は保護者との契約制度に基づいてサービスしている。調査はされていないとの答弁でした。大阪障害者センターの実態調査がある。デイサービスの制度を利用してないのが、71%ある。制度を知らなかったためというのが大きい。障害児童の制度を措置として残したのは、専門的判断が必要なためであり、医学的判断も必要だから。ある知的障害者児も検診に1年半まった。と。整備が不十分なのではないか。尾辻大臣/数字は、述べられた通りだと思うが。障害者へのサービスに地域差があり、全体にサービスが行き渡ってない現状をなんとか解決したいと思い、障害者自立支援法を提案している。平成15年度に契約制度を導入し、選択の意識が醸成されてきた。専門的機関の充実も図られたため、提案したものである。
引き続きこの件の検討は必要だと考えている。必要な措置はやっていく。
小林(共産)/つまり、条件整備は不十分だということだ。意識の醸成どころかどれほど親御さんが不安に思っていることか。重度知的障害を持つ子供の母の手紙を紹介する。「一生この子の介護で終わるんだ、この子と死のうと何度考えたことか、それを救ってくれたのは、施設の先生。保育料が一律になれば、現在の5倍以上に。障害児通園施設に通えなくなってしまいます。」乳幼児の障害の発見は難しい。健康な我が子を願っていた母は我が子の障害をなかなか受容できません。児童デイサービスは今後も利用できると言われた。通園施設はどうか?
尾辻大臣/現在受けておられるサービスは今後も持続可能なものにしなくてはならないと考えている。そのために、義務的経費とする。障害者自立支援法をそのために組み立てたとご理解いただきたい。障害児の施設利用については、契約制度に移行するが、利用できる児童は現在同様。変更はない。
小林(共産)/応益負担が親御さんの心配。食費も負担。ベッド、補装具も1割負担。
若い世代にとって大きな負担の増大。資料をパネルにした。大阪の障害乳幼児を抱える家庭の例。厚生労働省の試算をもとに、作成した。知的障害児。3000円払っている場合、14400円に食費がプラスされて28700円。約10倍である。現在7000円負担の家庭は、
別途医療費がかかり22800円に。いずれも、1ヶ月収入が30万以内の家庭。ローン、食費、経費をはらい、今の3000円、7000円でぎりぎりだと言う。どこから捻出すればいいのか、心配されている。大臣はこんな負担を押しつけていいと考えているのか?
尾辻大臣/この度の法案提出は、配慮の1つは負担を軽くしたいと。とくに無理な負担はお願いしないということ。そういう方々に児童手当を出している。1級は50900円、2級は33900円。その範囲で出してもらうように言っている。
小林(共産)/これは別問題では? これはこのような負担増大になるのでは(パネル提示)。もうひとつ、決め細かい対策を、といっているが、どのくらいの世帯が対象世帯なのか?
中村局長/知的、難聴児、肢体不自由児と別れているが、AB対象は13%。
小林(共産)/障害乳幼児をかかえる87%の世帯は対象外、負担の増大になる。施設に通えなくなる。そうするのか? 若い世代の負担はほかにも、補装具の負担もある。例として、1つ40万円、いまは5000円の負担で納まっているが、1割では8万になる。保護帽や義足など、いくつも買うので、23万から131万、1割では2.3万から13万、成長に伴って補装具の買い替えもある。負担が重い。所得に応じた負担というだけでは、わからない。具体的に説明を。
中村局長/補装具は、支援法で1割の負担となっている。家庭への影響を考慮して上限設定。予算編成過程で設定。障害サービス負担額を念頭に設定。一般世帯は4万など。さきほどの80万の1割だと、重度の方と思うが、一定の上限を適用したい。
尾辻厚生労働大臣/法案では、そのとおりです。百何十万かかってもお金は天からふってこない。誰かが負担することになる。みんなで助けあうことになる。負担をお願いしている。しかし出来るだけ抑えたい。
小林(共産)/誰かがといっても、障害者に負担をしてもいいということにはならない。補装具の上限を設定しても、現状と比較しても1000円から2.6万になる場合もある。10~20倍になることもある。育成医療の場合も、障害者の親から手術など200万掛かるがいまは育成医療で救われているが、1割になると負担が重くなる。上限を設けても、現行よりも重くなる。所得税非課税世帯でも負担が増える。
小林(共産)/施設利用料、利用比、補装具、上限設定しなくてはならいほど、いかに負担増になるかを示している。負担が増えることに変わらない。児童育成に逆こう。若いお母さんに負担がかかり、通園施設に通えないかも、ならば育成に逆行する。廃案しかないと申し上げて終わる。
福島(社民)/この法案が再度提出されて審議されることにショックを受けている。
ある手紙を紹介する。「手帳を持つ28歳になる子供を持っている。支援費制度になるまでの25年間、作業所に通う以外すべて親がやってきた。親が生きてるうちに子供を地域で自立生活をさせたい。格差が生まれるのは必然。負担を負えなければ、ヘルパーの利用もできない。人間としての最低限の権利。子供も親を選べない。昔のように座敷ろうのようになる障害者はいないだろうか。私は親の会の運動をしてきたが、時代の逆行を感じる。」この手紙を聞いて大臣はどう思うか?
尾辻大臣/まさにそういう懸念に答えるために、子供が一人になった時、社会が支えるような社会にするための一歩を踏み出す法律にしようというのが今回の法律である。
福島(社民)/今でも座り込みの人がいる。彼らが何故不安を抱えていると思うか?
尾辻大臣/1割負担を原則としてるところだと理解している。
福島(社民)/その通り。応益負担が不安。就労支援や教育の平等化のあとならわかるが、財政上の理由での応益負担なら不安を持つのは当然。根本的欠陥があるのでは。尾辻大臣/原則1割負担は先に言わないと、社会保障をとりまく法律との整合性がとれなくなる。やがて、介護保険を敷延化した時に、介護保険の中でとなる。介護保険との整合性もとらなくてはならない。原則1割負担と言うが、実質、負担できるところで負担くださいと。できない負担にならないよう減免制度を考えている。収入、所得、どう考えるかは今後3年で検討する。3年間をどうつなぐかとあるので、無理のない負担を。
福島(社民)/障害の問題は1割負担では制度が成り立たない。税でやるべき。整合性なんておかしい。整合性で命が侵害される実態をつくってはいけない。子供は社会で生きないと、訓練しないと、大人になった時、動けない。就労が夢になる。何故子供も1割負担なのか?
尾辻大臣/全ての制度を提案しているが、整合性を取ると言っている。これは原則だが、すべてを原則とはいわない。減免制度を採り入れている。
福島(社民)/根本的に設計が間違っている。障害者をもった親に1割を負担せよと、障害者の子供が生まれる可能性は誰にもある。子育てが重くなる。もし障害児が生まれたらと思うと生むのをためらう。
尾辻大臣/廃案しかないといわれたが、廃案にしてどうするつもりか?厚生労働省はこの法案しかないといっている。少子化対策と障害児対策の関係は、分けては考えていない。少子化対策が2つあり、出生率の向上、少ない子供たちを大事に育てるという考え方。
福島(社民)/障害児をもった親が1割負担を求められたら、たまらない。日本の障害者関係予算は少ない、欧米より少ない・2点目、いろいろな制度欠陥がある。拙速で厚生労働省が突っ張っているのが問題。地域の実情に応じた義務化とのことだが、サービスの低下はあるのか?
中村局長/地域のサービスは、ニーズをふまえて障害福祉サービスを策定する。地域差があるが、これまではサービスがほとんどなかった施策の充実を図ることなど、サービスが少ない部分を充実させたい。3障害を一元化したい。
福島(社民)/都道府県で大きな格差がある。サービスが下がる自治体は?
中村局長/基本的には下がらない。
福島(社民)/滋賀県や大阪府のサービスは絶対下がらないですね。
中村局長/いまこれについてコミットできない。それを保障することはできないが、下がることはない。
福島(社民)/下がる自治体がある。上がる自治体もある。下がることもある。
中村局長/18年度予算では3割の増額。成立前提でサービスは10%程度の増加を見込んでいる。全国的に下がることはない。
福島(社民)/ありえない。適切なサービスかどうかで下がることもある。
尾辻大臣/今言っていることは障害者サービスは格差があるが、低いほうを確実に上げるということ。平均化しようと思っていません。厳密に言えば、下がるところもあるかも。先のことだからわからないから言うが。適切なサービスをカットしようとは言ってない。このまま格差をおいていいのか。下をあげるためになんとかしたい。
福島(社民)/もちろんその通り。格差がある中でサービスが下がるところがでるでしょう。あるのか?大臣。
尾辻大臣/単純比較ではあるかもしれないと表現した。先のことだから、厳密には申し上げられない。かもしれないと言わざるとえない。必要なサービスを削ると言ってない。
サービスは維持し、遅れているところを上に上げたい。
福島(社民)/不必要なサービスがされてる状況ではない。先がわからない、下がるかもしれないから皆不安。今のサービスが得られなくなるのがこの法案の欠陥。客観的基準導入、モデル提示をやる。障害者区分はこれから。先のことはわからない。下がるかもと言われて賛成できるか。
尾辻大臣/必要なサービスを下げる気はないと言ってる。厳密に言えば、将来のことだからあり得る。数字だけならあるかもしれませんねと言った。言葉尻をとらえないで。必要なサービスはする。水準を下げると言ってない。遅れてるところを上げたい。
福島(社民)/応益負担ならサービスを選択しない人がいる。困る人が出てくる。生きていけないことを危惧している。地域により8倍違う。どこに合わせる?滋賀?福井?大阪下げないか?大臣に答弁をお願いしたい。
中村局長/サービスが下がるかどうかの定義がはっきりしない。報酬単価が10%下がり、サービスが5%伸びたとき、サービスを減ったというのか。定義をきちんとはっきりさせないで議論するのでは答えにくい。地域のニーズをくみ上げ、福祉計画をつくる。分野、メニューもニーズに合ったサービスが増える。その担保するために義務的経費にする。応益負担というが、障害福祉については、9割の費用は支え合う。1割は利用者負担原則だが、資力に応じて、埋めていこうというやり方である。9割保証の上で上乗せする制度。応能負担のようにお金があればサービスがあたらないのでなく、サービスは買うものになる。費用をシェアすることで、当事者として参画。納税者にとっても負担増になるが、彼らの理解を得るためにもコストシェアをしていていただく。
尾辻大臣/福祉の予算を大幅にのばしている。今までの福祉が充分とは思っていないが。
今度も予算を大きくのばすのだから、全体のレベルは必ずあがる。
福島(社民)/「買う主体」と言われるが。障害者はスタートラインが違う。買える人買えない人が出てくる。格差が出てくる。生活保護を受ければいいとの議論があったが、生活保護を障害者が受けないのは何故か。人間の尊厳に関わるからだ。そのことがわかってないと思う。
委員長/これにて散会。
終わり。
尾辻大臣/軽減方法を説明しろとの話があった。軽減したいと思い仕組みを作ったので、複雑な制度になった。医療分野と福祉分野がある。分かり易くしたいと思っているが、ご説明しづらい面がある。繰り返し説明していきたい。経済財政諮問会議では、総額キャップをはめろとの話。ミヤジマ座長は前回出席されている。社会保障全体をどう見直すかの座長である。ここでの議論を聞きたいとあったので、ミヤジマ座長が説明をした。
まだまとまっていないので、いろいろな意見があると説明された。私も出席をしたが、私は常任メンバーではない。先生がおっしゃったことは、何回も主張しなくてはならない。国民の医療を守るために、私は、命がけで言おうとしている。ご理解いただきたい。
草川(公明)/がんばってください。
遠山(公明)/育成医療について。今までの説明では、住民税課税、所得税非課税の場合、上限1万円になった。これは予想以上の負担軽減措置だと思う。住民税課税、所得税額30万のところも、**になる。障害者自立支援法の成立後、介護保険の時同様、サービスの利用者が増加するかもしれない。財政上は苦しくなる。また現在は、地域格差がある。客観的な尺度の導入が法案の趣旨。厚生労働省として、利用者の増加見通しは?
中村局長/サービス利用者の増加については答えられないが、基本的には支援費の伸びがあるうる。精神障害者の部会報告でも、実施状況が少ない。法律成立で利用が増える。地域格差の是正のために障害サービスの立案。利用の実態、伸びを勘案して、今回の障害区分などを整理して、ガイドラインを作成して、ニーズの把握を含めた計画を市町村につくってもらう。来年初めを目指して計画のガイドラインをつくりたい。
遠山(公明)/これまで支援費の対象でなかった精神障害者も対象になる。全国一律なので延びも予想される。厚生労働省のガイドに沿って、市町村が福祉計画を立てるそうだが、それに沿って、義務経費を盛り込むのか。
中村局長/そうです。高齢者も市町村のゴールドプランで作成した経緯がある。地域のニーズをくみ上げて実施するのが基本。
遠山(公明)/障害者福祉計画を立てる際に、障害者程度区分はモデル事業を確認したが、要介護度は1~5まであるが、統計上は7段階ある。それに基づいてやるのか?
中村局長/不安はわかるが、3障害共通の基準ができるか、客観的な基準ができるかがポイント。まず、障害認定区分自体を審議会で詰めてもらいっている段階なので、考えさせてもらう。給付もだれを優先してサービスするかの優先度の判定も考慮したい。
遠山(公明)/大事だと認識している。当事者の声、団体の声もふまえて程度区分の決定をしてもらいたい。改革の方向性は市町村の一元化となっている。理念はそのとおりだが、財政の格差は事実。市町村中心の一元サービスの重点化により、格差の解消は、財政格差のもとで解消するのか? 先日、障害者からいただいた手紙の中に、現在の制度の下にシステムに問題があるのではなく、もともとの提供基盤により格差があるのではないかと、ある。
西副大臣/地域格差があるのはご指摘の通り。財政状況が要因との指摘だった。もうひとつ、意識の違いもある。提供態勢に差違が出ている。支給決定について、客観的指標がなかったのも、要因だと反省している。障害者自立支援法で整備を図ろうとしている。
まず、障害福祉計画を策定していただく。ここに出発点ができる。社会資源がないとできないので、空き教室などの資源を活用し、NPOにも活躍してもらい、きめ細かな状況を作りたい。障害程度区分もきっちり決める。全国あまねくの状況を作りたい。今後この法をてこにサービスをつくっていく。全国どこでも、必要なサービスを公平に利用できるようにしたい。義務化も大きな要素として生かされると思う。
遠山(公明)/義務づけられ、客観的基準が導入される。幅広く利用されるシステムになるという感じがする。弱い自治体には、基盤整備を促してほしい。義務的経費化は一歩前進だが、予算上限が固定化されて、予算よりも利用が上限を上回った場合、裁量で予算を積みますことができなくなる。足の出た部分は持ち出しになるのではないか。中村局長/それは誤解。義務的経費は国が支出しなくてならない経費である。裁量的経費が自由で有利で、義務的経費が不利というのは理解しかねる。程度区分とからむが、区分ごとに、予算配分がある場合、特定に配分されたものが、他の区分に流用できなくなるのではないか。軽度、中度、重度などで、流用できないのではないか。
中村局長/国庫補助基準をどう作るかの問題。ご心配のお気持ちはわかるが、どんぶり勘定ならいいという側面ばかりだと、公平感、透明性、効率性が…。ボリュームが少なかったから他に回すというのは健全な姿ではないと思う。ルールの透明化、公平化も基本的な考え方として提示している。福祉のあるべき姿を議論して道を切り開くのが基本方針。ホームヘルプの利用状況は、都道府県で6.3倍の格差がある。多く使っているところが平均並にすると激震がはしる。方向性をめざしてすすんでいく。
中村/現状をふまえて組み立てたい。
遠山(公明)/特定の障害者に偏って支給されているのではないか。現状の福祉サービス利用者がいるので、現状に即して支給してもらいたい。重度障害者に対する包括サービスについて、ひとり暮らしの重度障害者は、市町村の包括サービスの対象となるのか?聞きたい。包括サービスを実施できる事業者の数が少ない。支援法で助けますよ、と言っても担い手がいない状態。
中村局長/ご指摘の通り、難しい問題、データを調べているが、年額1000万円を超えている人は3つの県で全国の6割が集中している。委員の言葉を借りれば、包括サービスを導入しても、需要がないか、市町村で存在を認めていないという土壌もあるのではないかと。ニワトリと卵の関係になるかもしれないが、需要があり、ニーズに着目してサービスが始まるのでは。今回の法律でサービス、モデルを作っていきたい。
遠山(公明)/要望だが、応益負担の話で、一番の反発は、利用度に応じた負担という問題。大きな反発が障害者団体からある。重度の包括サービスの新設は、そういう方々を対象とするサービスの充実を要望したい。
小林(共産)/前国会で廃案になって再提出され、関係者の不安がある。支援費の利用契約の変更について質問したい。大臣答弁で、調査結果の根拠は?
尾辻厚生労働大臣/朝日議員の質問に答えたのだが、その根拠だが、調査は行っていないが例えば在宅サービスは支援費制度移行後H15~16で、児童対象のサービスは2・4倍になっている。人口カバー率も9割弱になっている。この法律は保護者との契約制度に基づいてサービスしている。調査はされていないとの答弁でした。大阪障害者センターの実態調査がある。デイサービスの制度を利用してないのが、71%ある。制度を知らなかったためというのが大きい。障害児童の制度を措置として残したのは、専門的判断が必要なためであり、医学的判断も必要だから。ある知的障害者児も検診に1年半まった。と。整備が不十分なのではないか。尾辻大臣/数字は、述べられた通りだと思うが。障害者へのサービスに地域差があり、全体にサービスが行き渡ってない現状をなんとか解決したいと思い、障害者自立支援法を提案している。平成15年度に契約制度を導入し、選択の意識が醸成されてきた。専門的機関の充実も図られたため、提案したものである。
引き続きこの件の検討は必要だと考えている。必要な措置はやっていく。
小林(共産)/つまり、条件整備は不十分だということだ。意識の醸成どころかどれほど親御さんが不安に思っていることか。重度知的障害を持つ子供の母の手紙を紹介する。「一生この子の介護で終わるんだ、この子と死のうと何度考えたことか、それを救ってくれたのは、施設の先生。保育料が一律になれば、現在の5倍以上に。障害児通園施設に通えなくなってしまいます。」乳幼児の障害の発見は難しい。健康な我が子を願っていた母は我が子の障害をなかなか受容できません。児童デイサービスは今後も利用できると言われた。通園施設はどうか?
尾辻大臣/現在受けておられるサービスは今後も持続可能なものにしなくてはならないと考えている。そのために、義務的経費とする。障害者自立支援法をそのために組み立てたとご理解いただきたい。障害児の施設利用については、契約制度に移行するが、利用できる児童は現在同様。変更はない。
小林(共産)/応益負担が親御さんの心配。食費も負担。ベッド、補装具も1割負担。
若い世代にとって大きな負担の増大。資料をパネルにした。大阪の障害乳幼児を抱える家庭の例。厚生労働省の試算をもとに、作成した。知的障害児。3000円払っている場合、14400円に食費がプラスされて28700円。約10倍である。現在7000円負担の家庭は、
別途医療費がかかり22800円に。いずれも、1ヶ月収入が30万以内の家庭。ローン、食費、経費をはらい、今の3000円、7000円でぎりぎりだと言う。どこから捻出すればいいのか、心配されている。大臣はこんな負担を押しつけていいと考えているのか?
尾辻大臣/この度の法案提出は、配慮の1つは負担を軽くしたいと。とくに無理な負担はお願いしないということ。そういう方々に児童手当を出している。1級は50900円、2級は33900円。その範囲で出してもらうように言っている。
小林(共産)/これは別問題では? これはこのような負担増大になるのでは(パネル提示)。もうひとつ、決め細かい対策を、といっているが、どのくらいの世帯が対象世帯なのか?
中村局長/知的、難聴児、肢体不自由児と別れているが、AB対象は13%。
小林(共産)/障害乳幼児をかかえる87%の世帯は対象外、負担の増大になる。施設に通えなくなる。そうするのか? 若い世代の負担はほかにも、補装具の負担もある。例として、1つ40万円、いまは5000円の負担で納まっているが、1割では8万になる。保護帽や義足など、いくつも買うので、23万から131万、1割では2.3万から13万、成長に伴って補装具の買い替えもある。負担が重い。所得に応じた負担というだけでは、わからない。具体的に説明を。
中村局長/補装具は、支援法で1割の負担となっている。家庭への影響を考慮して上限設定。予算編成過程で設定。障害サービス負担額を念頭に設定。一般世帯は4万など。さきほどの80万の1割だと、重度の方と思うが、一定の上限を適用したい。
尾辻厚生労働大臣/法案では、そのとおりです。百何十万かかってもお金は天からふってこない。誰かが負担することになる。みんなで助けあうことになる。負担をお願いしている。しかし出来るだけ抑えたい。
小林(共産)/誰かがといっても、障害者に負担をしてもいいということにはならない。補装具の上限を設定しても、現状と比較しても1000円から2.6万になる場合もある。10~20倍になることもある。育成医療の場合も、障害者の親から手術など200万掛かるがいまは育成医療で救われているが、1割になると負担が重くなる。上限を設けても、現行よりも重くなる。所得税非課税世帯でも負担が増える。
小林(共産)/施設利用料、利用比、補装具、上限設定しなくてはならいほど、いかに負担増になるかを示している。負担が増えることに変わらない。児童育成に逆こう。若いお母さんに負担がかかり、通園施設に通えないかも、ならば育成に逆行する。廃案しかないと申し上げて終わる。
福島(社民)/この法案が再度提出されて審議されることにショックを受けている。
ある手紙を紹介する。「手帳を持つ28歳になる子供を持っている。支援費制度になるまでの25年間、作業所に通う以外すべて親がやってきた。親が生きてるうちに子供を地域で自立生活をさせたい。格差が生まれるのは必然。負担を負えなければ、ヘルパーの利用もできない。人間としての最低限の権利。子供も親を選べない。昔のように座敷ろうのようになる障害者はいないだろうか。私は親の会の運動をしてきたが、時代の逆行を感じる。」この手紙を聞いて大臣はどう思うか?
尾辻大臣/まさにそういう懸念に答えるために、子供が一人になった時、社会が支えるような社会にするための一歩を踏み出す法律にしようというのが今回の法律である。
福島(社民)/今でも座り込みの人がいる。彼らが何故不安を抱えていると思うか?
尾辻大臣/1割負担を原則としてるところだと理解している。
福島(社民)/その通り。応益負担が不安。就労支援や教育の平等化のあとならわかるが、財政上の理由での応益負担なら不安を持つのは当然。根本的欠陥があるのでは。尾辻大臣/原則1割負担は先に言わないと、社会保障をとりまく法律との整合性がとれなくなる。やがて、介護保険を敷延化した時に、介護保険の中でとなる。介護保険との整合性もとらなくてはならない。原則1割負担と言うが、実質、負担できるところで負担くださいと。できない負担にならないよう減免制度を考えている。収入、所得、どう考えるかは今後3年で検討する。3年間をどうつなぐかとあるので、無理のない負担を。
福島(社民)/障害の問題は1割負担では制度が成り立たない。税でやるべき。整合性なんておかしい。整合性で命が侵害される実態をつくってはいけない。子供は社会で生きないと、訓練しないと、大人になった時、動けない。就労が夢になる。何故子供も1割負担なのか?
尾辻大臣/全ての制度を提案しているが、整合性を取ると言っている。これは原則だが、すべてを原則とはいわない。減免制度を採り入れている。
福島(社民)/根本的に設計が間違っている。障害者をもった親に1割を負担せよと、障害者の子供が生まれる可能性は誰にもある。子育てが重くなる。もし障害児が生まれたらと思うと生むのをためらう。
尾辻大臣/廃案しかないといわれたが、廃案にしてどうするつもりか?厚生労働省はこの法案しかないといっている。少子化対策と障害児対策の関係は、分けては考えていない。少子化対策が2つあり、出生率の向上、少ない子供たちを大事に育てるという考え方。
福島(社民)/障害児をもった親が1割負担を求められたら、たまらない。日本の障害者関係予算は少ない、欧米より少ない・2点目、いろいろな制度欠陥がある。拙速で厚生労働省が突っ張っているのが問題。地域の実情に応じた義務化とのことだが、サービスの低下はあるのか?
中村局長/地域のサービスは、ニーズをふまえて障害福祉サービスを策定する。地域差があるが、これまではサービスがほとんどなかった施策の充実を図ることなど、サービスが少ない部分を充実させたい。3障害を一元化したい。
福島(社民)/都道府県で大きな格差がある。サービスが下がる自治体は?
中村局長/基本的には下がらない。
福島(社民)/滋賀県や大阪府のサービスは絶対下がらないですね。
中村局長/いまこれについてコミットできない。それを保障することはできないが、下がることはない。
福島(社民)/下がる自治体がある。上がる自治体もある。下がることもある。
中村局長/18年度予算では3割の増額。成立前提でサービスは10%程度の増加を見込んでいる。全国的に下がることはない。
福島(社民)/ありえない。適切なサービスかどうかで下がることもある。
尾辻大臣/今言っていることは障害者サービスは格差があるが、低いほうを確実に上げるということ。平均化しようと思っていません。厳密に言えば、下がるところもあるかも。先のことだからわからないから言うが。適切なサービスをカットしようとは言ってない。このまま格差をおいていいのか。下をあげるためになんとかしたい。
福島(社民)/もちろんその通り。格差がある中でサービスが下がるところがでるでしょう。あるのか?大臣。
尾辻大臣/単純比較ではあるかもしれないと表現した。先のことだから、厳密には申し上げられない。かもしれないと言わざるとえない。必要なサービスを削ると言ってない。
サービスは維持し、遅れているところを上に上げたい。
福島(社民)/不必要なサービスがされてる状況ではない。先がわからない、下がるかもしれないから皆不安。今のサービスが得られなくなるのがこの法案の欠陥。客観的基準導入、モデル提示をやる。障害者区分はこれから。先のことはわからない。下がるかもと言われて賛成できるか。
尾辻大臣/必要なサービスを下げる気はないと言ってる。厳密に言えば、将来のことだからあり得る。数字だけならあるかもしれませんねと言った。言葉尻をとらえないで。必要なサービスはする。水準を下げると言ってない。遅れてるところを上げたい。
福島(社民)/応益負担ならサービスを選択しない人がいる。困る人が出てくる。生きていけないことを危惧している。地域により8倍違う。どこに合わせる?滋賀?福井?大阪下げないか?大臣に答弁をお願いしたい。
中村局長/サービスが下がるかどうかの定義がはっきりしない。報酬単価が10%下がり、サービスが5%伸びたとき、サービスを減ったというのか。定義をきちんとはっきりさせないで議論するのでは答えにくい。地域のニーズをくみ上げ、福祉計画をつくる。分野、メニューもニーズに合ったサービスが増える。その担保するために義務的経費にする。応益負担というが、障害福祉については、9割の費用は支え合う。1割は利用者負担原則だが、資力に応じて、埋めていこうというやり方である。9割保証の上で上乗せする制度。応能負担のようにお金があればサービスがあたらないのでなく、サービスは買うものになる。費用をシェアすることで、当事者として参画。納税者にとっても負担増になるが、彼らの理解を得るためにもコストシェアをしていていただく。
尾辻大臣/福祉の予算を大幅にのばしている。今までの福祉が充分とは思っていないが。
今度も予算を大きくのばすのだから、全体のレベルは必ずあがる。
福島(社民)/「買う主体」と言われるが。障害者はスタートラインが違う。買える人買えない人が出てくる。格差が出てくる。生活保護を受ければいいとの議論があったが、生活保護を障害者が受けないのは何故か。人間の尊厳に関わるからだ。そのことがわかってないと思う。
委員長/これにて散会。
終わり。