2012年4月25日、聴覚障害者制度改革推進中央本部は、“「障害者総合支援法」案に対する声明”を発表しました。
声明文は → こちら
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参考に、下記に声明文全文を貼り付けます。
3月13日に「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律案」(障害者総合支援法案)が閣議決定され、同日、国会に提案されました。すでに聴覚障害・盲ろう当事者及び支援者の6団体で構成している聴覚障害者制度改革推進中央本部が2月14日に発表した声明「障害者総合福祉法骨格提言の実現を今こそ求める」で示しているとおり、極めて遺憾であると言わざるを得ません。
閣議決定により設置された障がい者制度改革推進本部のもとに置かれた機関である障がい者制度改革推進会議総合福祉部会において、聴覚障害者、盲ろう者を含む当事者・関係者・有識者55人が一年にわたり議論して取りまとめられた骨格提言は十分に尊重されなければなりません。
ところが、同法案には骨格提言の内容がほとんど盛り込まれず、障害者自立支援法を一部改正する内容となっています。私たちは、障害当事者・関係者の取り組みの成果を軽視するこの案に同意することはできません。
また、2010年1月に障害者自立支援法違憲訴訟の原告団と国(厚生労働省)により締結された基本合意文書では「障害者自立支援法の廃止と新たな福祉法制の実施」等が明記されていますが、今回の法案には、合意文書の内容が全く反映されていません。
そして、4月13日、同法案に対する修正案が国会に提出されました。コミュニケーション支援関連については、「手話通訳等」が「意思疎通支援」に改められ、市町村事業は意思疎通支援を行う者の養成と派遣を、都道府県事業は、専門性の高い意思疎通支援を行う者の養成と派遣及び広域的な対応を実施するものとしています。また、基幹相談支援センターの連携の範囲に意思疎通支援事業の関係者が入りました。
今回の修正案により、都道府県事業に「派遣」が広域派遣対応とともに入ったこと、市町村と都道府県の事業の両方に「養成」が明記されたことなど、私たちの要望が一定程度反映されました。
しかし、「意思疎通支援」とは、本来ならば「コミュニケーション支援」として入れるべきものです。また、市町村事業と都道府県事業の役割分担を明確に決めておく必要があります。私たちの要望の実現には程遠く、総合福祉部会の骨格提言や情報・コミュニケーション法(仮称)骨格提言で求めている、
・聴覚障害の定義・範囲を見直すこと、
・聴覚障害者の生活に関わる情報アクセス・コミュニケーションを権利として保障し、相談支援にかかる情報・コミュニケーションのバリアを解消すること、
・コミュニケーション支援及び通訳・介助支援を全国一律の仕組みとして地域格差を解消すること、
・手話通訳者、要約筆記者、盲ろう通訳・介助員の身分を保障すること
等の法制化実現のためには制度設計の根本的な改革が必要です。
あらためて、障害者自立支援法の廃止、障害者総合福祉法の骨格に関する提言と、障害者自立支援法違憲訴訟団の基本合意文書を尊重した法案が制定されることを強く求めます。
「すべての聴覚障害者に、情報アクセス・コミュニケーションの権利を保障する法制度の実現を求める要望書」全国116万人余の署名運動、「We Love コミュニケーション」パンフ普及の取り組みが示すとおり、情報アクセス・コミュニケーションの権利保障を求める私たちの要求は、幅広い国民の理解と支持を頂いております。
今般、提出された障害者総合支援法案は、全国の障害者、私たちの要求が反映されていないことを確認し、国(厚生労働省)、国会に対して、以下のことを強く要求します。
1.障害者自立支援法を廃止し、障害者総合福祉法の骨格に関する提言と障害者自立支援法違憲訴訟団の基本合意文書を尊重した新法を制定すること。
2.聴覚障害者、盲ろう者の情報アクセス・コミュニケーションの権利を保障し、そのために必要な支援体系を構築し、情報アクセス・コミュニケーション支援を保障すること。
声明文は → こちら
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参考に、下記に声明文全文を貼り付けます。
2012年4月25日
「障害者総合支援法」案に対する声明
聴覚障害者制度改革推進中央本部 本部長 石野 富志三郎
構成団体 財団法人全日本ろうあ連盟
社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
社会福祉法人全国盲ろう者協会
一般社団法人全国手話通訳問題研究会
一般社団法人日本手話通訳士協会
特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会
構成団体 財団法人全日本ろうあ連盟
社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
社会福祉法人全国盲ろう者協会
一般社団法人全国手話通訳問題研究会
一般社団法人日本手話通訳士協会
特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会
3月13日に「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律案」(障害者総合支援法案)が閣議決定され、同日、国会に提案されました。すでに聴覚障害・盲ろう当事者及び支援者の6団体で構成している聴覚障害者制度改革推進中央本部が2月14日に発表した声明「障害者総合福祉法骨格提言の実現を今こそ求める」で示しているとおり、極めて遺憾であると言わざるを得ません。
閣議決定により設置された障がい者制度改革推進本部のもとに置かれた機関である障がい者制度改革推進会議総合福祉部会において、聴覚障害者、盲ろう者を含む当事者・関係者・有識者55人が一年にわたり議論して取りまとめられた骨格提言は十分に尊重されなければなりません。
ところが、同法案には骨格提言の内容がほとんど盛り込まれず、障害者自立支援法を一部改正する内容となっています。私たちは、障害当事者・関係者の取り組みの成果を軽視するこの案に同意することはできません。
また、2010年1月に障害者自立支援法違憲訴訟の原告団と国(厚生労働省)により締結された基本合意文書では「障害者自立支援法の廃止と新たな福祉法制の実施」等が明記されていますが、今回の法案には、合意文書の内容が全く反映されていません。
そして、4月13日、同法案に対する修正案が国会に提出されました。コミュニケーション支援関連については、「手話通訳等」が「意思疎通支援」に改められ、市町村事業は意思疎通支援を行う者の養成と派遣を、都道府県事業は、専門性の高い意思疎通支援を行う者の養成と派遣及び広域的な対応を実施するものとしています。また、基幹相談支援センターの連携の範囲に意思疎通支援事業の関係者が入りました。
今回の修正案により、都道府県事業に「派遣」が広域派遣対応とともに入ったこと、市町村と都道府県の事業の両方に「養成」が明記されたことなど、私たちの要望が一定程度反映されました。
しかし、「意思疎通支援」とは、本来ならば「コミュニケーション支援」として入れるべきものです。また、市町村事業と都道府県事業の役割分担を明確に決めておく必要があります。私たちの要望の実現には程遠く、総合福祉部会の骨格提言や情報・コミュニケーション法(仮称)骨格提言で求めている、
・聴覚障害の定義・範囲を見直すこと、
・聴覚障害者の生活に関わる情報アクセス・コミュニケーションを権利として保障し、相談支援にかかる情報・コミュニケーションのバリアを解消すること、
・コミュニケーション支援及び通訳・介助支援を全国一律の仕組みとして地域格差を解消すること、
・手話通訳者、要約筆記者、盲ろう通訳・介助員の身分を保障すること
等の法制化実現のためには制度設計の根本的な改革が必要です。
あらためて、障害者自立支援法の廃止、障害者総合福祉法の骨格に関する提言と、障害者自立支援法違憲訴訟団の基本合意文書を尊重した法案が制定されることを強く求めます。
「すべての聴覚障害者に、情報アクセス・コミュニケーションの権利を保障する法制度の実現を求める要望書」全国116万人余の署名運動、「We Love コミュニケーション」パンフ普及の取り組みが示すとおり、情報アクセス・コミュニケーションの権利保障を求める私たちの要求は、幅広い国民の理解と支持を頂いております。
今般、提出された障害者総合支援法案は、全国の障害者、私たちの要求が反映されていないことを確認し、国(厚生労働省)、国会に対して、以下のことを強く要求します。
記
1.障害者自立支援法を廃止し、障害者総合福祉法の骨格に関する提言と障害者自立支援法違憲訴訟団の基本合意文書を尊重した新法を制定すること。
2.聴覚障害者、盲ろう者の情報アクセス・コミュニケーションの権利を保障し、そのために必要な支援体系を構築し、情報アクセス・コミュニケーション支援を保障すること。
以 上