聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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(2010年4月16日付で、名称を変更いたしました)

9月27日全国集会:ゆりメール2011年11月号《メール版》

2011年11月01日 | 報告
神奈川盲ろう者ゆりの会「ゆりメール2011年11月号《メール版》」にて9月27日全国集会が報告されました。

<以下、本文より一部抜粋>
※神奈川盲ろう者ゆりの会から転載許可を頂いております。
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【4】 情報・コミュニケーションの法律を求める全国集会報告

■日時:平成23年9月27日(火)12時~17時30分

■場所:衆議院第1議員会館B1階大会議室

■参加:347名(内 盲ろう者5名くらい)

会長 川島朋亮(かわしま ともあき・弱視ろう)

9月27日(火)に、東京・永田町の衆議院第1議員会館で、
情報コミュニケーションの法律を求める全国集会が開かれましたので、参加しました。
347名が集まり、中に私を含めて、
東京、栃木、京都から5名くらいの盲ろう者が参加しました。
朝は冷え込んでいて思ったより寒かったですが、
昼近くに永田町に着いた時はよく晴れ渡っていて暖かでした。
周りには銀杏(ぎんなん)の実がたくさん落ちていました。
会場の議員会館B1階大会議室で12時から下記のプログラムで集会が行われました。


 ・「We Love コミュニケーション署名とパンフの運動」総括報告
 ・改正障害者基本法と障害者総合福祉法骨格提言について
 ・情報・コミュニケーション法(仮称)骨子案について
 ・国会議員シンポジウム
 ・国会議員要請行動(皆で分担して国会議員を廻る)


当日ぎりぎりまでWe Love コミュニケーションパンフの普及と署名運動を行った結果、
パンフは21万888部、署名は116万3,876筆に達し、
集まった署名用紙は段ボール箱30箱分になったとの報告がありました。
9月5日時点で署名数はおよそ91万3千筆(目標達成率76%)と聞いていましたので、
それからわずか3週間ほどでおよそ25万筆も集まったことになります。
わずか1年足らずで目標に迫る勢いでこれだけ署名が集まった、
団結力のすごさというものに驚かされました。

しかし、集会の進み方が早かった、早口でお話される場面も多く、
参加の盲ろう者たちは通訳に追いつけなかった、内容を掴めなかった、
休みは1回のみで通訳を受けるのに疲れたなど、いろいろとハプニングがあったりしました。

また、始まる前に、「シンポジウムの時に、盲ろう者として話してほしい」と
お願いされていたのですが、
多くの議員たちが飛び入り参加で激励の挨拶をいただいたりなどして、時間を費やしたため、
盲ろう者の立場でお話しする機会が出来ないまま終わってしまったのは残念でした。
尚、情報・コミュニケーション法の骨子案の説明で、
「盲ろう者」「盲ろう者の通訳・介助員」等、盲ろう者のことも取り上げられていました。

集会の後、4~5人ほどのグループに分かれて、それぞれ国会議員の部屋を廻って、
挨拶と要請行動をしました。
私は28番グループのリーダーとして行動することに。
議員リストの中に鳩山由紀夫さんの名前が入っていたので、
「うまく会えるかな」「会えたらなんて言おうかな」と少しドキドキしましたが、
残念ながら会議中だったので、秘書との面会で終わりました。
担当した議員10人のうち、挨拶できたのは議員1人のみでした。
残りほとんどは秘書が対応にあたりましたが、いずれも最後まで聞いてくださっていました。

17時30分頃にようやく終わり、参加の皆さんはそれぞれ帰路につきました。
盲ろう者にとって、実に過酷な(?)1日となりましたが、
今後は、盲ろう者の声をきちんと法律に反映させられるように積極的に意見する場を設ける、
通訳がスムーズに行われるようにするなどして、
もっと盲ろう者に対しての配慮をしてほしいと思いました。

最後に、つたない文章ですが、素晴らしい集会となったことに対して、私の心境を詩に変えてみました。

 晴れ渡る 永田町に 銀杏(ぎんなん)の 香り漂う(ただよう)

 秋の日に 蓋(ふた)開けみれば 底知れぬ 団結力は 素晴らしき

 成果を結び 喜びは 大きく響き渡り

 皆(みな) 明るき未来を 堅実に 築きあげよと 団結し

 決意新たに いざ進めかし!


1年間、We Love コミュニケーションパンフの普及と署名運動のご協力を
いただきましたことを、誠に嬉しく思い、心より感謝申し上げます。
今後も一同団結して、情報・コミュニケーション法の実現を目指してまいりましょう!
尚、パンフの普及は情報・コミュニケーション法ができるまで、
引き続き行う見込みとなりましたので、今後もご協力くださいますよう、
あらためてお願い申し上げます。


他に、全国盲ろう者協会の庵さんより、
メーリングリスト上で様相を詳しく報告してくださいましたので、
以下に転載させていただきます。

(前略)
私は集会の途中を抜けて、他の全日ろう連や全難聴など
聴覚障害関係5団体の代表者と一緒に、全国から集まった署名用紙を
西岡参議院議長、横路衆議院議長、園田内閣府大臣政務官にお渡しする役でした。

全国から、116万3,876筆の署名が集まりました。
うち、点字の署名が7人分入っていました。
ダンボール30箱分となり、全体集会の壇上にもその一部が積み上げられて、
会場の多くの参加者が記念写真を撮られていました。
この30箱は3箇所に分けて届けられました。

3箇所とも、対応がとてもよくて、なごやかに面談することができました。
衆参議長との面会では、民主党参議院議員の金子さんが同行してくださり、
ろう連の石野理事長から趣旨説明をしたあと、各代表の自己紹介をしてから
なごやかに歓談をしました。
西岡参議院議長は、パンフをすでに読んでくださっていて、
情報・コミュニケーション法の具体案を早くつくるようにと言ってくださいました。
横路衆議院議長は、自己紹介のあと、なぜ手話通訳者の団体がふたつあるのか、
総合福祉法の骨格提言についてどう思うかなど積極的に質問をされて、
私たちは逆にたじたじでした。
園田内閣府大臣政務官との面会には、
障害者制度改革推進会議担当室の男性の方(車いす)が仲介してくださいました。
「これだけ一度に多くの署名を持ち込んだ団体は他にない。国会請願はとても効果が期待できる。」
と話してくださいました。
園田政務官は、情報・コミュニケーション法は障害者だけでなく
一般の市民にとっても必要なものだと言ってくださいました。

14時半から17時半すぎまで、国会議事堂内で参議院と衆議院を往復したり、
内閣府までぎんなんのくさい匂いがただよう歩道を通って歩いたりして、
ずいぶん歩かされました。
歩数計をみたら、一万歩近く歩いていました。
私たちはこのあと、議員会館にもどり、中央本部の方たちと反省会に参加してきました。

全国集会はペースが早すぎて、内容もつめこみすぎで、
その上入れ替わりたち替わり議員さんが突然訪れて挨拶をするなど、
指点字や触手話で通訳を受けている盲ろう者にとってはあまりにも過酷でした。
事前に資料がなかなかそろわず、協会で点字版をつくるのが大変でした。
シナリオも前日になってできたものの、当日はあってないような状態。
もっと、準備も集会の進行もゆとりをもってすすめてもらいたい、と意見を出させていただきました。

反省会の後、全日ろう連の事務局の方が、
「盲ろうの方と一緒に議員廻りをしました。触手話を実際に使う盲ろう者のことを理解してもらえて、とてもよかったです。」
と話をしてくださいました。

終わったのが19時。実に長い長い1日でした。
(後略)