サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

組織力という定量的に計れないものでも、仮説レベルで比較検討できるかもしれません。

2017年01月12日 19時25分18秒 | 組織
「1+1=2+α」という数式をよくみます。個人の力を合せることでシナジーとしての力であるαが生まれ、それが組織の力となる。この議論、実はここまでで終わっていますね。

この数式、競合する組織にもいえることです。例えば、「1+1=2+β」とでもしておきましょう。 
もし、個人の力がまったく自社と競合が同じとするならば、(実際は計れませんが)、組織力を決めるものはαとβです。つまり、α>β、α=β、α<βの三種類があり、組織力で勝つには、α>βとなるように対応せねばならないと思います。

個人の力を、自社と競合で比較して計ることはできないので、この議論は不毛だと思います。しかし、ある前提がそろえば可能かもしれません。自社と競合が同一の製品を作っているとします。自社が10人で作り、競合が20人で作る。売上は自社が1億。競合が1.6億。よって、1人当たりの売上は、自社1千万円/人。競合8百万円/人となります。

「これで自社が勝った」は早計です。付加価値、別の表現では利益を稼ぐ力のある会社が勝ち。自社のコストが8千万円なら、売上1億-コスト8千万=利益2千万となり、1人当たりの利益は200万円です。一方で、競合のコストが1.2億なら、売上2億-コスト1.2億=利益8千万となり、1人当たりの利益は400万円です。

利益では、自社200万円/人、競合400万円/人で負けています。ここで前提として、自社と競合の人材に差がないとするならば、利益は競合も200万円/人になるはず。そうすると、競合の一人当たりの利益400万円-個人の力で生み出す利益200万円=残りの200万円=βが「組織力」と考えてよいかもしれません。(設備や仕事の進め方も同じという前提も必要ですが)

所詮、数字の遊びでしかありません。「意味なし」とのご指摘がれば、「そのとおりです」ですが、組織力を考える際、「1+1=2+α」という定量的に計れないものでも、仮説レベルで比較検討できるのではないかと思います。