サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

歴史に「if」は禁物ですが、現在に「if」は重要です。

2017年03月29日 07時12分28秒 | 歴史
歴史をみていくと、「なぜあのとき、あれをしなかったのだろう」という史実に巡り合うことがございます。いくつかの事例を挙げます。

1.水戸黄門が大日本史を編纂しなければ、徳川慶喜は朝廷(薩長軍)と一戦をまじえ勝ったはず。
2.上杉謙信が大酒をあおらなければ、信長を倒せたかもしれない。⇒織田討伐直前に脳卒中で死去
3.まだありますが、止めておきます

言ったってしょうがない。しかし、残念。

過去をふり返って、何が良く、何が悪かったかを分析し、備える。あたりまえのこと。
しかし、上記の1番・2番について、当時者である徳川慶喜と上杉謙信は自らをどうふり返ればよかったのだろうか。

水戸藩出身の徳川慶喜は、水戸の尊王思想を棄てればよかった。過去にも朝廷軍と戦った武将はいる。鎌倉の執権・北条義時や室町幕府初代将軍・足利尊氏。むろん、解釈の違いはあるだろうけれど。

お酒の好きな謙信については、侍従や主治医がいたと思います。

残念は、残念のままでいいのか。過去の歴史は仕方がないとしても。今いる自分たちは。

そう言う意味で、今の自分たちに「if」は重要ですが、本当に難しい。

自分ひとりで「if」を考えると、自分に都合のよい「if」ばかりが出てくる。
みんなで「if」を考え、優先順位をみてリスク軽減することが必要なのではないかと。

これ、ありきたりです。解にはならないですね。



ナポレオンの格言から思うこと

2017年03月14日 07時30分32秒 | 歴史
「作戦計画を立てることは誰にでもできる。しかし戦争をすることのできる者は少ない」 これ、ナポレオンの言葉と言われています。

ちょっと、この言葉。激しすぎるので、ビジネス的に柔らかくいうと、

「事業計画を作ることは誰でもできるが、それを実行できる人は少ない」ということかと思います。

さて、これをどう考えますか。「実行できる人がいない。ゆえに、実行できる人材は貴重」と思いますよね。

しかし、「事業計画を作ることは誰でもできる」がくせ者です。本当にそうでしょうか。いい加減な計画を作られたら、実行しても成功しないと思いませんか。

言い換えるならば、「事業計画を作るときは、実行面も踏まえたむ計画を考えていないとダメ」ということかと思います。

まぁ、MBA的に言うならば、戦略立案と戦略実行という二つの側面が重要ということかと思います。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は正しいか?

2017年02月19日 19時12分27秒 | 歴史
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は、初代ドイツ帝国宰相・ビスマルク(1815年 - 1898年)の有名な名言です。なお、後半部分については、賢者は他人に学ぶという表現があるそうです。こちらのほうが最初に語ったとも言われてますが、今回は冒頭の表現について述べたいと思います。

この言葉、一度聞くと忘れられない。見事な対比です。

要するに、(自分の狭い)経験で判断するのは愚かで、優秀な人は、過去におきた出来事から普遍の真理を学ぶという意味かと思います。この前後に、どんな言葉があるのかは存じませんが、「なるほど」と納得したくなる言葉です。

「愚者は経験に学ぶ」は、経験をどう見るかによって変わってくると思います。
「賢者は歴史に学ぶ」は、書かれた歴史の記載内容の真偽によって変わってくると思います。

このビスマルクの名言は、歴史好きな人には我が意を得たりかもしれませんが、どうも最近、歴史の再発見・見直しが進むと、「はて、どこまで歴史を信じてよいものやら」と思います。

ならば、この名言の文章を尊重して、この名言を言い改めるとするならば、
「賢者は歴史や経験から学び、愚者は学ばぬ」か。。。

すみません。
この文章、ちょっとカチンときます。自分で書いて嫌味を感じます。
不快に思われたら、お詫び致します。


「坂の上の雲」 どうしてあの命令に従えたのだろう。いたたまれない。

2017年02月11日 06時44分30秒 | 歴史
司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」を読まれた方は多いと思います。経営者で愛読書に挙げてる人もけっこういますね。

素晴らしい作品なのでしょうが、作品のことよりも、私は不思議でならないことがあります。それは、203高地での繰りかえす突撃。何度やっても多大なる死傷者。何万人?

ここでは、司令官・乃木稀典(のぎまれすけ)の指揮の是々非々については語りません。その命令に従った若き軍人たちの気持ちについて述べたいのです。

軍人は命令に絶対服従ですが、私なら「こんな戦いで死にたくない」と思う。
与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」の気持に同感ですね。多分、彼らだって。

集団心理なのでしょうか。「みんなでいこう」という気持ちにさせたのでしょうか。

一方、同じ日露戦争で日本海海戦における海軍の死傷者は117人。確か、この戦いの後、戦艦三笠が日本に戻ってきたとき、弾薬庫の爆発事故のため沈没。この事故では339名の死者を出しました。
事故より戦死者の方が少ない。たまたまであっても海軍の戦死者の少なさ。

明治という時代に生きた人の凄さ、考えさせられる。
今日、会社が傾くのを命がけで支える人は、せいぜい創業家くらいではないか。

100年経って、いや100年どころではない。太平洋戦争から半世紀で、繁栄の日本。

私がディズニーランドに初めて行った時、最初に思ったことは、ミッキーマウスでもなく、シンデレラ城でもなく、203高地や神風特攻隊の隊員のこと。いたたまれず「申しわけございません」と言って、入園したことを覚えている。






山本五十六「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」というけれど。

2017年02月07日 07時09分41秒 | 歴史
連合艦隊司令長官・山本五十六の言葉「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」は有名な格言として知られています。軍人という強い縦社会でも、「人が動かない」と言う意味たとしたら、その他の組織は推して知るべしでしょう。

この言葉。ひとつひとつ分解してみてみましょう。

①「やってみせ」・・・・・「こうやるんだよ」
②「言って聞かせて」・・・「~というわけなんだ。わかった?」
③「させてみせ」・・・・・「やってごらん」
④「ほめてやらねば」・・・「いいぞう。上手だ。」

冷めていますが、これで人は動くか否か。これによって、その時は動いても、その先はどうでしょう。いやいや、これを諦めることなく続けることで、「動く人」になっていくのでしょうね。

①の「こうやるんだよ」が、受け手から見て「押しつけ」と思ったら、②の「~というわけなんだ。わかった?」は、受け手は心の中で「YES」と思わない。よって、③の「やってごらん」は、納得しないまま命令を受けたことになる。

この状態では本気で受け手は本気で取り組めず、期待した成果がでるでしょうか。そして、少しばかりうまくいっても、④「いいぞう。上手だ。」は、受け手は白々しいと思うかもしれません。

もし、この流れのとおりだとすると、ここでの問題は①にあります。
ここでは、最初に「どうやったらいい?」と問う。但し、受け手が仕事を知らない人の場合は、ダイレクトに①「こうやるんだよ」とやってもよいでしょう。

もし、受け手に解があるならば、状況をみて③「やってごらん」でしょう。
同時に、受け手に固執する気持があれば、「他に何か方法がないかな」も必要と思います。

④「いいぞう。上手だ。」の褒める前にある対処の仕方がとても大事だなと思います。



歴史上の人物で学ぶべき人は著名な偉人ではなく、名もなき有能な人たちです

2016年12月21日 22時05分16秒 | 歴史
温故知新。「歴史上の人物から学ぶことは多い」 最近、これ本当かと思うことがよくあります。誰でもいいのですが、教科書に載っている偉人は、確かに偉人に違いないのですが、ベンチマークとしてめざすには、少し無理があります。それは、この偉人たちには運が味方したことです。もちろん、幸運の後には悲運もあって朽ち果てた人もおります。ちょっと幸運の事例を挙げますと、
 織田信長⇒「桶狭間の戦い」は悪天候が信長の味方になった。
 豊臣秀吉⇒ お百姓さん出身の藤吉郎が天下を取ったのは、彼が信長の草履取りであればこそ。
       若造の藤吉郎が少年の信長をみて、信長は天下人になると思っただろうか。
 歴史上の人物にはこの種の天運があり、それは普通の人には訪れません。しかし、歴史の教科書には出で来ないが、有能な人はいくらでもおります。最近は、そういう人の業績をみていくほうが、身の丈に合っていると思っております。そして、市井の人が困難に直面しても乗り切っていく。地元の人や、その周辺の人には尊敬されるが、その話しも人伝えのうちに風化され、結局、石碑程度のことしかわからない。古文書でもあればまだいいほうで、それがないと真偽も確認できない。
 江戸時代の藩士。藩政改革で名前が挙がるのはその時の藩主ですが、それを現場で担っていたのは、沢山の藩士たちです。その中にキーとなる人材がいる。そういう人こそ、我々普通の人が学ぶべき人たちではないかと思います。
 それは、だれか。。。。無名ゆえに、調べれば我々の郷土の歴史の中にいるのではないでしょうか。決して、己が有利になるような欲張りではなく、後世のために仕事をしてくれた人たち。その人数が多ければ多いほど、未来の人が恩恵を受けている。そういう人への感謝を忘れないようにしたいものです。