サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

軍の勝敗は、その軍隊よりも、むしろ将帥に追う所大なり(『統帥綱領』より)

2017年04月08日 07時54分24秒 | 経営者
業績不振を部下のせいにする経営者は多いです。むろん、経営者ですから、経営責任は自分にあると思っているとは思いますが、敗因の主たるものは、働きの悪い部下たちと思っているのでは?。

『統帥綱領』は軍事の機密で、特定の将校だけが見ることのできた軍事のテキストと言われています。

戦後、ある人が「国民の道義のすたれたのも原因のひとつ」と言ったと言われています。

本当にそうなんですか?

その時代のことはわからないので何とも言えません。

戦後、チャラチャラした米国かぶれの日本人が出てきたことはよくわかりますが。
戦時中は、大変だったと思うのですが

プロ野球の監督が、たまに記者団に語るインタビューで「〇〇が、あそこであんなことしなければ」とか
いいますでしょう。この統帥綱領から語るとすれば、「この監督は統帥にあたわず」かもしれません。

監督とて人間。ましてや、野球の上手な人が引退して監督になっているケースがあります。それ自体は悪いことではないのですが、リーダー学は学んだほうがよいですよね。










会社の悲劇の始まり・分岐点は、成熟企業における我が道を行く経営者の姿勢かもしれませんね

2017年02月22日 07時31分53秒 | 経営者
人の話を聞いても我が道を行く経営者。是々非々を述べるのは難しいですが、業績が見えない時の社員の不安・虚脱感たるは半端なものではないようです。

創業時のベンチャー社長。わかる。これくらいでないと創業できない。少ない人数でやるときでも、全員意見一致なんてことはないでしょうが、議論は尽くすはず。。

中堅・大企業では、これは難しいですね。社員は不安・虚脱感で仕方がないようです。

このとき、経営者に人徳があるか。

誠意をもった姿勢で我が道を行くのならよいのでしょうが、だいたい経営者本人がギリギリの心境でで、人の気持にまで配慮するようなことは少ないです。

経営者は、自分の気持に共鳴できる人のみ心を許せるのです。

故に、周辺にヒラメがそろう。

ヒラメが悪いとは思っていません。どうせ、ヒラメをやるなら徹底して、能力あるヒラメになりなさいということです。

己の昇進のために、表面だけヒラメ、実力のないヒラメになるのは、止めた方がよいです。

経営者にその姿勢を見破られる。

しかし、大方は、企業人の実力は看板を背負った実力ですから、ヒラメの姿勢はわからなくはないですね。非難は難しいです。

会社の悲劇の始まり・分岐点は、成熟企業における我が道を行く経営者の姿勢かもしれませんね。




経営者はいるか。その前に自分に自戒の気持ちはあるか。

2017年01月13日 21時58分23秒 | 経営者
「誰のために働くか」と言う質問をしたいと思います。皆さんだったら、なんと答えますか。多分、「自分のため」「家族のため」が多いと思います。

一方で、経営者に対して「誰のために働いていますか」と同じ質問をしたら、「顧客・社会・株主」という教科書的な回答に加えて、「従業員」という回答が帰ってくるはず。

よく、経営者が「全社一丸となって」といいますが、それは多分無理です。従業員と目ざしているもの違うのだから。しかし、経営者は「いや、うちは違う」と。こちらも見てもいないのから否定はしないが、幻想ではないかと思いたくなります。

著名な会社の経営者が、ビジネス誌や経済ニュースを賑わす。あたかも、功なり名を挙げた英雄のような扱いをする。しかし、その多くは、言っては悪いがサラリーマン出世競争の勝者であり、創業経営者の苦闘とは異なる。

しかし、それでもその勝者が語れば「なるほど」というコメントは頂ける。しかし、「それで会社と人が動くのか」という不安は拭えない。日本の上場企業の業績と、景気変動は相関性が高いことを証明した神戸大の三品教授の名著「戦略不全の論理」を読むと、日本に「専門」経営者はいたのかと思う。

厳しい時代が来る。そういう時代だからこそ、経営者の腕が試される。

しかし、一般の人は経営者に依存してはならない。経営者とて普通の人。神でもなければ偉人でもない。名経営者はごく一握り。期待することが筋違い。そんなことを期待するなら自分を鍛えること。

「それはわかってる」と人はいう。「本当か。そのためにこの10年何を残してきたか」と問いたら、答えられる人は、どれくらいいるのだろうか。

偉そうな発言だが、他人に依存しない、自分への自戒と思って反省している。




経営者を育てる際には、ペアとなる人も考えて育てられるとよいですね。

2016年12月06日 20時46分22秒 | 経営者
 「歴史を見直す」こと。簡単に言えば温故知新。いま、色々な歴史が従来とは異なる視点で見直されていることは御存じの方も多いと思います。歴史は勝者の視点から書かれるため、どうしても、敗者を悪者扱いにしたり、無能な評価を下します。故に、勝者側からの歴史の記述は歪曲されて書かれている。
 これは、人材開発でも同様で、勝った側、もう少しどぎつい言い方すると、経営者側からも見たちきの人材と、我々人材開発部門から見たときの人材の見方はイコールではないことがございます。但し、釘を指しておきたいこととしては、これがイコールではないからダメだということではないのです。経営者から見たときの優秀な人材は、あらかた人材開発部門はわかる。しかし、だからと言ってその人を「ヨイショ」するのは、人材開発部門として恥ずべき行為です。何も経営者に対し、反旗を掲げろということではありません。大事なのは、その人物上に立った時、サポートする人材を挙げて、育てる施策も考えられるとば理想なのです。
 これって、目新しい考え方ではありません。戦国時代・江戸時代でもありました。例えば、上杉謙信の養子となった上杉景勝には直江兼続がおりました。二人は子供どものときからの付き合いです。直江兼続の優秀さを見抜いた人がいて、景勝につけたのでしょう。小姓というのは、まさしく将来のご家老なのですね。
 現代の会社には、こういう長い年月をかけてペアを組ませながら育成することは少ないようです。最も著名なのはホンダさん。本田宗一郎さんと藤沢武夫さんのペアですが、しかし二人は創業時からの仲間であり、上司が組み合わせて育成したわけではございません。
 私は、多くの経営者を直接、間接に拝見させていただきましたが、直属の部下に自分のコピーみたいな人ばかり集める経営者は、やはりもうひとつだなという感じがいたします。だからといって、これで業績が良否が決まる程、経営というものは単純ではございません。
 経営者を育てるとき、その個人だけを着目するのではなく、どういう人を集めて「連合チーム」を作るか。それを考えて育てておくとよいかもしれません。しかし、上場企業の子会社の場合、いきなり親会社から落下傘で降りて来るシステムがあると、これは難しいですね。この場合、子会社の人は、「どんな人がくるのだろう」と戦々恐々だと思いますが、移籍する経営者の方も、右腕になるような部下がいない場合は、大変気の毒なものです。孤独なお立場だと思います。