サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

「そのビジネスは止めろ」といえぬ「空気」

2017年01月17日 07時48分37秒 | 事業戦略・技術戦略
「なんだ、この有り様は!! 何やってたんだ」 上位職位にある人が罵声が発する。会議室は悲壮感に満ちた空気になる。担当者の歯切れが悪い。

こういう場面は、どんな会社でも見られる光景です。しかし、こういうやりとりが成されるにもかかわらず、「このビジネスは中止。撤退」という声は聞かれないです。

それは、契約しているから仕方がない。確かに。それなら、その後、似たようなビジネスで成功するかというと、そうでもない。

「何度言ったら分かるんだ!! 前回の反省が活きていない!!」それはそうでしょう。前回の反省って、意外となされていないから。なんとなくわかっていても、その時の反省であって、普遍的な反省にはなっていないから。

そして、失敗は繰り返す。決断すべき人が「止めろ」と言わない。それは決断力が無いと言う単純な理由だけではない。決断する要素が足りないから、それが明らかになるまで決断できない。しかし、決断する要素が下から挙がってこない。挙がってこないと、実は決断する人もどんな要素で決断すべきかわからない。

一方で、決断する人が決まっているようで、「不在」に見える場合もある。これも組織の重傷。

衰退する事業には、MBA的なツールの分析により、その要因は分かる。しかし、その分析の前に、その組織にいる人たちの意思決定のプロセスが気になる。そして、勇気ある撤退。(撤退に代わる新しいビジネスが無いのも痛い)

色々な会社の事例を見聞きするたびに、ここに衰退の兆しの一因があるように見えてならない。