サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

青山学院大・原監督は「H型人材」 これからの人の育成のあり方のひとつ。

2017年01月03日 19時12分18秒 | スポーツ
お正月恒例の箱根駅伝。青山学院大学が三連覇。見事ですね。

私は、原監督の著作を読んだり、講演を聞いたことがあります。その中でご紹介頂いた目標管理、コミュニケーションの取り方は、原監督が会社員時代に習得したそうですが、今の日本企業のお手本といえます。原監督の指導は、体育会系によくある「根性論」「厳格な上下関係」とは異なります。

 原監督は箱根を走った経験はないです。選手としてもうひとつ。しかし、引退後、営業職としての成果がすごかった。その経験が今日の育成、戦い方に生きているようです。 

 よく、スポーツで「名選手、名監督ならず」といわれますが、従来の意味では「自分ならできるのに」という比較論が失敗の素になったり、「過去の教訓」ではなく「過去の栄光」から語ると選手の士気が上がらない等、そういうことが原因で生まれた言葉と思います。

 原監督の場合、「陸上競技一筋ではない」ところ。というより、陸上競技以外に得意とする専門分野があり、そこで得た教訓を陸上競技に活かしました。それが斬新です。

 人財開発の本を読むと、たまに「T字型人材の育成が大事」と書いてあります。一つの専門分野とその周辺の知識を兼ね備えていることが重要と言う意味です。この背景には、ひとつの狭い専門分野しか持たない「I字型人材」の危うさから来ています。

 私は、原監督は「T字型人材」でとらえてよいのか考えました。敢えてアルファベットで語るなら、「H型人材」ではないかと。つまり、敏腕営業担当者の経験を、大学の駅伝に活かしたこと。ある一本の「I」の経験値を他の分野につなげて、もう一つの「I」を作ったこと。

これぞ、まさに、「H型人材」ではないかと思いました。