背番号のないエース

2006年08月10日 | 高校野球(甲子園への道)
我が母校甲府工業の初戦
夏の全国高校野球大会甲子園 6日目(8/11) 第三試合
ついに決戦の日が近づいてきました。
私は、明日生徒達のバスに乗り込み、いざ出陣!(ちゃんと、救護の仕事もしてきます)
久しぶりの甲子園。あの頃の事を色々思い出しています。

甲府工業野球部は、背番号を開会式の前日に宿舎で発表するのです。(今は分かりませんが)
といっても、県大会のときのメンバーから推測すると、誰がベンチに入れるかだいたい分かるわけです。

甲府工業の部員は、60~70名と多い。しかも、実力の世界であり、3年になれば背番号がもらえるわけではない。私は、最後の夏の県大会のベンチ入りはしていたが背番号は20番、当時甲子園のベンチ入りは15人。ベンチ入りは厳しいとわかっていた。

 3年生の中には、県大会のベンチにも入れない仲間も何人もいた。けれど、彼らは、腐ることなく、後輩のために朝早く来て、バッティングピッチャーをやったり、1年が担当するグランド整備を「大会前にグランドが悪く選手がけがでもしたら困る」とグランドをならす姿があった。
誰に命令されているわけでなく。それが普通だった。
我がマネージャーも元々選手であり、体を故障し、選手をあきらめ1年の時からずっと支えてきてくれた一人である。

甲子園に行き、宿泊先で背番号が発表された。
1番 山村宏樹(今楽天のピッチャーだよ!)
2番 水田鉄昌
3番 原誠二
4番 末木啓之
5番 森重春樹
6番 桜本直樹
7番 佐野友治
8番 前田芳幸
9番 中島正智
10番 矢崎宏二
11番 野口良朋
12番 楠間義則
13番 戸栗弾
14番 千野慎二
最後の15番が読み上げられる。
「15番大沼光弘 以上」          自分の名前は呼ばれなかった。

わかっている、、わかっているよ。心の中で何度も何度も自分に言い聞かす。
背番号を読み上げられた後、涙が出そうになったけど、こらえた。これから、戦いが始まるのに、俺の涙は迷惑がかかる。けれど、涙を押さえることができず、すぐ、トイレに泣きに行った。

そしたら、先にトイレで泣いている人がいた。

マネージャーであった。

言葉も交わさず二人で抱き合いながら泣いた。
今年もそんなドラマが甲子園の宿舎であるんだろうな。

・頑張れ甲府工業。勝ち続ける限り、当分甲子園ネタでいきたいと思います。