ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

Cashmere jacket & Hunting cap

2010-11-06 04:00:00 | 白井さん


 一週間ぶりの更新です(笑)。明日11月9日は立冬。日没がどんどん早くなってきています(汗)。白井さんの着こなしには常に色味の美しいアイテムが豊富に使われていますので、その撮影には極力外光を取り入れたいと考える私としては、最近は兎にも角にも時間との勝負になってきました。この日も最終日となった馬車道マルシェで賑わう街を横目に大急ぎで信濃屋さんへ・・・。

 白井さんがお召しになられていたのは美しいグリーンに縦と横で微妙に色が異なるオレンジのペインが入ったカシミアのジャケット。挿し色にもオレンジを使われています。折りよく撮影ポイントに飾ってあった花壇にもオレンジ色の花が咲いていたので、それをバックに白井さんに立っていただき撮影に臨みました。

 ところが・・・。

 情けないことにオートフォーカスのピントがその花へと向ってしまい、肝心要の白井さんの立ち姿にピントが合っていませんでした。

 文字通り“急いては事を仕損じる”結果となり、お詫びの言葉もございません。

 今回のトップページの大きな写真がピンボケなのはそのためです・・・白井さん、申し訳ありません・・・。(涙)。

 

 また、この日ご来店された、信濃屋顧客列伝中のたいへんお洒落なお客様で、このブログも温かく見守ってくださっている“N様”からも、

 『写真はディティールが大事だからね(^_-)-☆』

 と励ましのお言葉を頂いていたのにもかかわらずこの体たらく・・・N様申し訳ありません。

     

 う・・・なんだか謝ってばかりで暗い出だしになってしまいましたが、その他の写真は幸いながら綺麗に撮れましたのでお許し下さい(苦笑)。

 白井さんとN様は、勿論お店の方とお客様のご関係ですが、お二人の間には数々の名品を通し長きに渡って交流を深めてこられた正に“大人の男同士”という風情があります。

 この日、N様がお召しになられていたのはシンプルなグレーのシャークスキンのスーツ(イタリー製の信濃屋オリジナル)でしたが、白井さんが惚れ惚れしながら、

 『ああいう何でもない(シンプルな)シャークスキンが良いんだよなぁ。』

 なんて仰ったり、この日たまたまお二人が履かれていた靴が同じもの(こちらもまたイタリー製信濃屋オリジナル)だったので、

 『磨き方で色が違うんだなぁ~。』

 と、たいへん失礼ながら、童のようにお二人並んで靴先を揃えてみたり、私のような若輩の者にとってはお二人の丁々発止のユーモア溢れるやり取りを見たり、物を知っている大人同士の会話を聞いているだけで多々感じるところがあります。じっくりと品選びをされるお客様とそのお相手をするプロの売り手、お二人の背中越しの風景はまた一幅の紳士画を観るようでもあるのです。

 

 またこの日はたいへん嬉しいことに、白井さんの今回のジャケットを試着させていただくという身に余る光栄に浴することができました(笑)。

 白井さんは、

 『(脇の下を押さえながら)この辺りが良いでしょ。』

 と、仰っていました。確かに素人の私でも判るほど肩周りのホールド感は恐ろしく“カチッ”としていました。イタリア・ミラノにある最高のテーラーで誂えたそのジャケットは、しっかりした作りが施された“重み”があるのに、何故か着心地はふわっと“軽い”という別世界の服で、まさに“至福の着心地”を体感しました。

 きっと上級者の方々にはもっといろんなことが判るのでしょうが、私如きはこれ以上のことは書けません。でも、この日のジャケットを着た時のあの“感じ”はきっと一生忘れないと思います。私も“いつの日か”・・・なんて無謀極まりないことを無想しますが、男が日々を頑張れる理由なんて、案外そういうものだったりしますよね(笑)。



 今日は色を合わせられたチェックのハンチングも着こなしに取り入れカントリースタイルを演出された白井さん。冬のアイテムが少しずつ出番を迎え始めてきたようです。





“白井さんならどうする”~8~ Build a basic wardrobe

2010-11-06 03:59:59 | “白井さんならどうする─後編─”
  

“How would Lubitsch have done it?”

 映画『昼下がりの情事』『お熱いのがお好き』『アパートの鍵貸します』などを手掛けたハリウッド・コメディーの巨匠ビリー・ワイルダー(監督・脚本家)の仕事場には、自身が尊敬する映画監督エルンスト・ルビッチへのオマージュを込めたこの一文が額に飾ってあったそうだ。曰く、“ルビッチならどうする?”

 そして私もまた、毎朝ワードローブの前で一人こう呟く・・・“白井さんならどうする?”と・・・

                             

 gooブログの文字数制限の為、止む無く2分割したこのカテゴリー“白井さんならどうする”でしたが、“後編”も最早30枚に及ぶ白井さんの素晴らしい着こなしの写真を掲載することとなりました。更に“前編”と合わせれば80枚。こうして全ての写真を眺めてみると、季節の移ろいとともに白井さんの着こなしが次第に変化する様が素人の私にもよく判ります。それはつまり、白井さんが日々の天候と相談しながら、色や素材などの組み合わせを如何に考えられているかということの証左でもありますが、“白井流”にはそれだけではない“何か”、更にその上の領域にある“何か”を感じています。もちろんそれは私如き者では到底判ろう筈もない深遠なる世界に違いありません。皆様もまたそれぞれにお感じになることがあると思いますがいかがでしょうか(笑)。

 これから季節は遂に晩秋へと向っていきます。