気象庁が関東の梅雨入り宣言をしました。これからしばらくは私が一年で一番苦手な季節です。嫌がっていると相手は追いかけてくるもので、最近何故か私の休みの日に限って狙ったように雨が降ります。そしてやはり今日も雨(苦笑)。
外に出たい気持ちはあるのですが気分が乗りません。そんな時は余り肩が凝らない読み物でひねもす過ごすのがベター。という訳で今日は、私が大好きな人気コメディ脚本家・三谷幸喜さんのエッセイ『三谷幸喜のありふれた生活6 役者気取り』を読みました。
このエッセイ、朝日新聞に毎週連載されているものをまとめたもので今回がその第6弾。もう8年続いているそうで、私は第一弾から続けて読んでいます。
内容は、タイトル通り、三谷氏自身のありふれた(?)日常生活を綴ったエッセイ。内容のおもしろさについては私の筆力では説明しきれませんので興味のある方は本屋さんで試しに立ち読みしてみてください笑。
ただ、本屋が好きで、暇さえあれば立ち寄り、あれこれ立ち読みなどしながら店内を何度もぐるぐる回って結局何も買わないことがしょっちゅうある私がこの本に限っては、もう6冊目ですが、見かければ迷わず購入します。それにもう6冊目ですから世間の評判も悪くないのではと思います。
さて、三谷幸喜さん・・・大学在学中に劇団『東京サンシャインボーイズ』の主宰としてキャリアをスタート(実は私も同じ大学に通ってました。年歳が離れているのでお会いしたことはもちろんありませんが)。
数々の舞台・テレビドラマの脚本を手掛け、数年前から映画の世界にも進出。最近は近々公開予定の『ザ・マジック・アワー』の告知活動で各メディアを賑わせていますね。
私は氏の作品は欠かさず観ているので(残念ながら舞台は一度も観たことがありません。機会があれば是非観たいです。)、もちろん観に行く予定ですが、前作『THE有頂天ホテル』の公開からまだ2年しか経って(もちろんその間も多忙な様子)いないので充電期間が不十分なのでは?などと要らぬ心配もしたりしています。ただ、最近の旺盛な告知活動を拝見する限りでは元気そうです笑。
ちなみに、三谷作品の中での私の一番のお気に入りはテレビドラマ『王様のレストラン』です。
舞台はあるフレンチレストラン。かつて一流を謳われたその店も、オーナーシェフ急逝後はその影も無く、スタッフはバラバラでやる気ゼロ。父でもあるオーナーシェフの遺志を継ぎ、店の再興を目指す若きオーナーが、かつてその店で伝説のギャルソンといわれた男を客として招き、再び共に働いて欲しいと男を口説く場面から物語は始まり、紆余曲折の末(えらい端折りますが汗)そのレストランは・・・というレストランサクセスコメディ。
その中でも私の一番のお気に入りのシーンは、主演の松本幸四郎扮する伝説のギャルソン・千石が、山口智子扮する若き未完の天才女性シェフ・しずかに、閉店後のバーカウンターで自身の『夢のレストラン』の話をする場面。
その場面以前・・・千石の奮起により店も軌道に乗り始めスタッフ達の結束も強まってきた矢先。しずかはある超一流有名レストランからその才能を認められ誘いを受ける。迷うしずかは密かに千石に止めて欲しいと思っているのだが、千石は料理人なら是非行くべきとにべもない。面接の当日、結局しずかはその誘いを断り閉店後の店にふらりと戻ってくる。照れくさそうに言い訳をするしずかを千石は無言でバーカウンターにいざなう。その様子を察した、普段は気難し屋のソムリエは二人にそっとワイングラスを差し出し家路に着く。千石はしずかに、聞かせるとも無く、自分が心に描いている夢のレストランについて語り始める・・・。この後のすばらしさについては私の筆力では説明しきれませんので興味のある方はTSUTAYAなどで試しにDVDを借りてみてください笑。
陳腐な恋愛ドラマが幅を利かせる昨今、このドラマは恋愛ゼロというスタンスを貫いた特異なドラマだったのですが、唯一このシーンだけが淡い情景(といっても限りなく無色に近いような淡さです)を醸した場面だったのですが、その粋!!たるやどんな恋愛ドラマのどんなアチチな場面も霞ませてしまうほどの、テレビドラマ史上に残る『名ラブシーン』だったと今でも思っています。
は!っと気が付くとずいぶん長くなってしまいました!まあ要するにそれだけ好きだということなんです、三谷幸喜が笑。という訳で続きは・・・それはまた別の話・・・ということで笑、いずれまた。