ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

ポロコートとボルサリーノ

2008-12-31 23:59:59 | お気に入り
      

 いよいよ2008年も今日で最後。寒さもいよいよ厳しさを増し枯葉舞い落ちる季節になってきました。今期から新たに私のワードローブに加わった天神山製・ポロコートと、遂に手に入れたボルサリーノ社製ソフトハットです。ではまず薀蓄から少々・・・笑。

     

 元来はポロ競技の選手たちが試合の合間に羽織るために使われていたそうで、1890年頃に米国ブルックス・ブラザース社によってその名がつけられたと言われています。スポーツ観戦用のコートという出自のため、ドレス用のチェスターフィールドコートなどに比べるとややカジュアル寄りのコートということですが、襟はアルスターカラーと呼ばれる幅の広いダブルブレストの6ボタン、両脇に大型のパッチ&フラップポケット、背面は煽り止めのボタンが付いたインバーテッドプリーツにバックベルト、袖口のターンアップカフ、ウェストの絞りが心持ちルーズな緩やかなAラインなどが特徴の、ナイロン系の丈が短く細身で軽いコートが主流となっている昨今の巷ではやたら存在感十分な、100年以上の歴史があるトラディショナルコートです。
 
 天神山さんの最大の特徴の一つである大型のダブルブレストは迫力満点!上半身はジャケットと全く同じイタリアンクラシカル派のフラットテーラリング手法で仕立てられていて、肩からウェスト、お尻へと続く柔らかいラインと後姿の美しさは、自分がまるで古い映画の主人公になったような気分にさせてくれます笑。

      

 ポロコートといえば本来はキャメル(駱駝)ヘア素材で仕立てることが多いとのことですが、信濃屋ネームのセントアンドリュース製キャメルのポロコート(これまた凄い逸品です!)を所有されている天神山オーナーMさんのお話を伺ったところでは、キャメルヘアは冬場といえど都心ではかなり暖かく、重量も重たくて、意外と色の主張も強く、その上現在では希少な素材なため目玉が飛び出るほど高額なのでデイリーユースにはちょっと不向きで、Mさんも年に数回しか着用されない・・・とのこと。私も着させていただきましたが確かに滅茶苦茶重かったです汗(でも滅茶苦茶カッコよかったです笑)!

 因みに天神山オーナーのMさんは信濃屋さんの古くからの顧客のお一人でもあり、いつ伺ってもきちっとタイドアップされていて、その時々の季節の装いをご自分流に着こなし、それがまた実に様になっていて、これまでイタリアのテーラーメイド(アロイジオ、カンパーニア、リベラーノ&リベラーノ)の服を何着も作って試されていたり、ローマのラッタンジで靴を購入されていたりとこれまた大変な服飾経験があり、能やオペラの観劇や骨董の蒐集にも一家言お持ちで、その上大変なお料理好き!天神山さん主催のパーティーでは築地からご自身の目で選んだ魚介を使った前菜から始まり真鴨のステーキ(なんと丸々一羽から作っちゃいます!)、ローストビーフなどのメイン料理、果てはティラミス(これは私が今まで食べたどのティラミスよりも濃厚で美味しかったです)まで、たくさんの料理をすべてお一人で手作りされその腕前はプロ顔負け!という“良いもの”をこよなく愛す穏やかなスーパージェントルマンです。
 
 ということで、今回は天神山Iさんが昨年よりイチ押しされている『ポッサム(フクロキツネ)』を使った素材を選びました。ニュージーランドに生息するポッサムの毛は繊維内に空洞があり(中空糸)、軽くてしなやかで暖かく光沢もありオーバーコートにはうってつけの素材なのだそうですが、私はこの素材の優しげで暖かそうなアイボリーとベージュの中間の自然な色味と手触りの柔らかさにとても惹かれました。

   

 やはりこれから如月の季節が終わるまではこういうどっしりとした男らしいコートが着てみたいなぁ~と昨年より密かに憧れていて、今期満を持しての購入となりましたが、こういうクラシックなコートは信濃屋の白井さんのような貫禄十分の年配の方が着るとさまになるのでしょうが、若輩者の私が着るとお笑いコントのギャングのボス役みたいで些か照れがあり、まだまだ着こなすのに時間がかかりそうです汗。ただ、昨年ローデンコートを購入した際も同じようなことを考えたような気もしますし、何だかんだいっても私の体に馴染んでしまってローデンコートは今ではすっかり“マイマストアイテム”になってますので、ここはもう着ちゃったモン勝ちでいっちゃえ!と開き直っているところです笑。

 蛇足になりますが・・・先日、天神山さんに年内最後のご挨拶に伺った帰り際、天神山製カシミアジャケットに足元は信濃屋オリジナルのスウェードフルブローグ、このポロコートを羽織り、襟元に白井さんお薦めの真紅のカシミアマフラーを巻き、デンツのマスタード色のペッカリーの手袋を嵌めFugeeのスウェードの抱え鞄を手に持ち、最後に天神山オリジナルのガンクラブチェックツィードのハンチングを被った私の姿を見たIさんに『完璧なコーディネートだね笑』とお世辞、いえいえ笑、お褒めの言葉をいただいたことが私にとっては何よりも嬉しいことでした笑。

 

 そして、今年の4月から始めたこのブログ『ひと日記』最後のアップはこの“ボルサリーノ”で締め括りたいと思います笑!20代の頃からず~っとずっと憧れ続け遂に念願叶って私のお頭に戴くこととなった、純イタリー製信濃屋別注のファーフェルト・ソフトハットです。

 最近、目黒にある東京都庭園美術館の企画展『1930年代・東京 アールデコの館(朝香宮邸)が生まれた時代』で当時の銀座の写真などを観覧しました。写真の中の男性達は皆が例外なく重たい『外套』にソフトなどの『帽子』というスタイルで(これにはビックリ!)『モダーン』とうい言葉がもてはやされていた流行の最先端の街・銀座の冬を謳歌していたようですね。

 天神山Iさんもご自身のブログでボルサリーノについて紹介されていますが、戦前は横浜・信濃屋さんの冬の主力商品だったそうで、価格は給料1ヶ月分くらいだったとか!古くからのお客様は信濃屋さんのショーウィンドウに飾られたたくさんの帽子が夏物から冬物へ、またソフト帽からパナマ帽へと変るたびに季節の移ろいを感じられたそうです。今では被る人もめっきり少なくなってしまい些か被るのに勇気が要りますが、思い切って購入を決めたのは信濃屋・白井さんとのご縁が大きなきっかけだったことは間違いありません笑。『このきっかけを逃したら一生買わないかもしれないぞ!』との思いでした。



 ただ・・・よく男の装いはまず磨き込まれた靴から始まると言われています。でも私の場合は、このブログの第一回目にアップした機械式時計を購入したことから服飾への興味が始まりました。その後自分なりに研鑽を重ねましたが、天神山さんでローデンコートに出会ったことで我が盲を開かれ、信濃屋の白井さんやFugeeの藤井さんという存在を知ることで己の道を行く勇気を与えられたような気がします。メンズスタイルを完成させる最後のワンピース・・・このソフトハットを購入したのは、この一年間のそんな生涯忘れることができない様々な出会いへの感謝の気持ちを忘れないようにするためでもありました。

 現代はインターネットが発達し様々な情報や商品がクリック一つで簡単に手に入る世の中ですが、これは!という本物の品に自分の体と五感で直接触れ、長い間の経験を重ねて物を良く知った人から直接手渡されるという一期一会はなかなか得がたいことではないでしょうか。これからも“心に響く出会い”を大切に私も我が道を邁進していきたいと思います。

 2008年はこのブログのおかげで有意義に過ごすことができました。Web上の自分の日記を読むことは自分の素顔を客観的に見るようで、実に愉快な体験でした。ど~でもいいような身辺雑記にも拘わらず読んでいただいた方々には唯々感謝するばかりです。特に私の心を捉えた服飾とそれにまつわるエピソードが話題として多かったのですが、諸先輩方からいただいた珠玉の言葉の数々などはそのほんの一部を書いたに過ぎません。それらの言葉はずっと私の記憶の中で生き続けることでしょう。これからも自分のスタイルを完成させるためにゆっくりゆっくりと歩を進めて年齢を重ねていきたいと思います。このブログでお世話になった方々にはこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました!!大晦日ということできりも良いので今日のアップを以って一先ず筆を置きたいと思います。特別な理由はありません・・・ただ~なんとなく~です笑。でも、その~なんとなく~が案外大切なのではないかな・・・と私は思います笑。

 では、皆さん良いお年を!! そして、Happy New Year!!


信濃屋の白井さん

2008-12-25 21:25:59 | お気に入り


 先日、横浜・信濃屋さん主催のクリスマスパーティーがありました。若輩者の私としては、お客様は信濃屋さんの古くからの顧客の洒落者の皆さんや服飾関係の重鎮揃いという顔ぶれの中、居場所が無くて壁の染みになることが予想されたため、さも撮影係のような振る舞いができるよう愛機PENTAX K10Dを片手に、自分なりに目いっぱいのお洒落をして図々しくも潜入してまいりました汗。その日の私の最大のミッションは何といっても日本紳士服界のゴッドファーザー(陳腐な表現ですみません苦笑)・信濃屋の白井さんの写真を撮ること!そして見事成功してまいりました笑。といっても白井さんは普段から気さくな方なので大勢の方の撮影に快く応えていらっしゃいました。



 パーティー会場は和やかな雰囲気で、カントリー&ウェスタンの生バンド演奏などもあり大変な盛況でした。やはり目を見張ったのは皆さんの装いの素晴らしさ・・・当日は、師走の下旬というのに最高気温がよりによって20度近くあったという変な陽気にも拘らず、この日の催しに敬意を表してオーバーコートをお召しになった方が大変多かったとか!さすが信濃屋さんの顧客の方々!徹底してます汗。白井さんも『うちのお客様は皆お洒落だな~俺なんかペラペラの綿コートだったのに・・・へへ』と(ご自身で接客されてきたのに汗)今更ながら感心なさっていましたが、色々不都合があるといけないので写真のアップは控えめにしたいと思います。



 ただこの方は大変有名な方なのでお許しいただけるのでは笑。まさにアンダーステイティッド!控えめな装いながらその立ち居振る舞いのエレガントさで、洒落者揃いの会場でもひと際存在感を放っていた方・・・多方面で八面六臂のご活躍をされ、古くから白井さんとの御親交も篤い紳士服界の『マエストロ』ことインコントロの赤峰 幸生さんです。赤峰さんは、この日パーティーに先立ち信濃屋・馬車道店1Fで行われた『紳士の流儀』というお題のトークショーで、白井さんと熱いトークを交わされたとのこと。私も是非拝聴したかったのですがショーは先着30名様限定とのことだったので今回はご遠慮しました。パーティーの前に馬車道店の前を通りかかったので外からちらっと覗いたら皆さん熱心に聞き入っている様子でした。ところが信濃屋の皆さんに後から伺った話では『席まだちょこちょこ空いてたよ、入って来れば良かったのに。遠慮深いなぁ・・・』とのこと!次はそうします涙・・・この、1866年創業・日本で最初の洋品店という大看板の割には皆さん結構アバウトな汗、ところも信濃屋さんの魅力のひとつです笑。



 さて、この日の主役!横浜・信濃屋の白井 俊夫さんです。私ごときが白井さんについての何事かを書き立てるなど恐れ多いのでこちらをご覧ください→http://www.y-shinanoya.co.jp/interview_si.html 白井さん自らが信濃屋さんのHPでご自身の略歴や服飾への想いについて述べられています。私はこちらに掲載されている白井さんの珠玉の言葉の数々が大好きです笑。



 カントリー&ウェスタンのバンド演奏では白井さんもご自慢の歌声を披露なさってました。失礼ながら年齢を感じさせない艶やかで伸びのあるヴォーカルはまさに玄人はだしでちょっと、というかかなりびっくりして聞き入ってしまいました。白井さんは8歳で終戦を迎え、焼け野原となった横浜で見た進駐軍のカッコ良さへの憧れが服飾への興味につながり、同時に、当時進駐軍が街中で流していたカントリー&ウェスタンもまた幼い白井さんの心を魅了し、今でも白井さんのライフワークの一つなのだとか。『好きなことやってるから歳取らないんだよ。』だそうです笑。因みにこの日の白井さんの装いは、イタリーの若き天才サルト・ガエターノ=アロイジオが仕立てたグレーフランネルのチョークストライプ・ダブルブレスト・スリーピースにテンガロンハットを被り足元はウェスタンブーツという余人では到底真似のできない着こなしでした。


 
 白井さんを師と仰ぎ、およそ30年傍で接してこられた天神山のIさんでも白井さんその人やその着こなし・服飾への情熱については凄過ぎて語り尽くせず、単に服が好きという次元を遥かに超越している、と仰っています。そしてIさんはご自身のブログ→http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/31846135.html を始めた理由の一つは白井さんとの貴重な経験の数々を忘れないようにする為だったそうです。白井さんとはまだ数回しか面識のない私などは、お会いする度に白井さんが放つ独特のオーラに圧倒されて呆けたように唯々ボーっと眺めているのが精一杯です汗。ただ、無礼を承知の上で思うのですが、私が信濃屋さんでお会いする白井さんは、70歳を超えた今でも尚、現役の店員さんとして店頭に立ち続け、私のような若造にも一人の客としてきちんと、尚且つユーモアを交えて気さくに接してくださり、丁寧な言葉使いと真摯な態度でお客様とのお洒落談義に花を咲かせ、馴染みのお客様と世間話に興じるときには、まるで少年達がいたずらの相談をしている時ような茶目っけたっぷりな表情を覗かせたりと、その佇まいにはやはり人を惹きつけて止まない何事かがあるような気がします。その何事とは何なのか・・・白井さんにお会いするといつも考えさせられてしまうし考えるだけ野暮なような気もしますが、やはり私自身が終生何事かに情熱を傾けもっともっと多くの『経験』を積むことでしかわからないことのような気がします笑。


 
 昨日、この日撮影した写真のうちの何枚かを現像して白井さんにお渡ししました。不躾ではないかとも思ったのですが、何だか撮りっぱなしというのもどうかなと思ってそうさせていただきました。改めて見ると印画紙の写真はWeb上の画像とはやはり一味違うものですね。それから、天神山Iさんのご協力を得て撮影させていただいた白井さんと私のツーショット写真は私の貴重な宝物の一つとなりました。アップはやめておきます笑。もちろんきちんと現像したので大切にしたいと思います。白井さん、信濃屋の皆さん、Iさん、楽しいひと時をありがとうございました。2008年の忘れられない素晴らしい思い出の一つとなりました。

 では、Merry Christmas!

 



 信濃屋さんのHPです→http://www.y-shinanoya.co.jp/top.html

 天神山さんのHPです→http://www.tenjinyama.jp/

ツイードのジャケット

2008-12-19 08:31:39 | お気に入り


 師走も半ばを過ぎ、朝晩の冷え込みが本格的になってきました。冬の定番ツイードのジャケットです。青色ベースのペイズリーのチーフを挿し、10年物のラルフローレンのストライプのボタンダウンシャツに、おひょいさんこと藤村俊二さんもお好きだというブルックス・ブラザース、の私の好きなストライプのウールタイ、フランネルのパンツにスウェードのフルブローグという冬の王道のコーディネイトでまとめてみました照。

 
 
 ジャケットは昨年の冬、銀座・天神山さんで初めてオーダーした記念すべき品です笑。3釦段返り・ナチュラルショルダー・3パッチポケット・サイドベンツのオーソドックスなスタイル。都会の冬をイメージしてシルク混でウェイトの軽い、私の好きな色・明るいネイビーブルー、イタリアの中堅マーチャント『Policarpo』社製の柔らかいツイード生地を選びました。



 改めてご紹介しますが、天神山さんは1990年代にクラシコ・イタリアブームが日本紳士服界を席捲した遥か以前の1970年代、日本国内においてイタリアン・クラシカル・テーラリングの創始者DOMENICO CARACENI(カラチェーニ)の直弟子OBERDAN COSTANZO(コスタンツォ)を技術責任者として招聘し、幾多の困難の後、カラチェー二派フラットテーラリングの技術導入に成功した日本有数のファクトリーで、銀座にて洋服のパターンオーダー中心に大人の男の着こなしを洒落者の紳士諸兄にご提案されている洋品店でもあります。素人の私の説明では心許ないので詳しくはこちらをご覧下さい。天神山さんのHPです。→http://www.tenjinyama.jp/(おお!記念すべき初リンク!笑。オーナーのMさんと店長Iさんのかなりマニアックなブログも大変面白いですよ!)
 


 残念ながら私の拙い筆力と服飾経験では天神山さんの服の素晴らしさを正確にお伝えすることはできません。ただ、私は天神山さんの服に袖を通す以前は、既製のものをこんなものかと何の疑問も無く着ていたのですが、幸か不幸か今ではそれらの服を着ることが殆ど無くなってしまいました。致し方ないシチュエーションでどうしてもそれらを着なければならない時などは、プロポーション・着心地(特に肩のあたり)など全ての面においてもの凄い違和感を感じてしまい何となくテンションも下がり気味・・・。オーナーのMさんに伺ったお話では、天神山さんの服に初めて袖を通した大概の方は最初“きつい”と感じるそうです。でもそれは一般的な国産の服が実は様々なリスクを回避するために単に大きめに作られていからで、同時に、本来必要な縫製やアイロンワークなどの手間を省いてコストを抑えることも目的としている為なのだそうです。まあ、あまり難しいことは素人の私には解りませんしあまり興味もないのですが笑。

 

 そうそう、このジャケットには一つエピソードがあります。私が初めて信濃屋の白井さんにお会いした時着ていたのがこのジャケットでした。白井さんはいつもさり気なく(でもジ~っと苦笑)私の(恐らくすべてのお客様に対しても)その日の装いを観察されますが、その日もやはりさり気なく(でもジ~っと苦笑)私を見て、このジャケットが天神山製であることをなんとピタリと当てました。私が天神山のIさんのことをお話したのはもちろんその後のことです。白井さん恐るべし!私の上半身は肩幅が広く、反り身のいかり肩で胸板(胴回りも苦笑)もあり手も短くその上尻も大きいというかなり癖のある体型で、既製の服を着ると、丈に合わせれば首の後ろに必ず月皺が入り、肩に合わせれば胴回りがダブつきます。白井さんは、そんな私の体型を見事にカバーして尚且つエレガントな(中身の問題は別として汗)佇まいを見せるこのジャケットを見てこう仰いました『あなたはオーダーの方が良いですよ。』と・・・。



 それ以来、私は自分の服作りの一切を天神山さんに委ねています。これからも恐らくそれは変わらないだろうと思います。因みに英国紳士にはこんな諺があるそうです・・・『床屋とテーラーは変えるな』笑。

 不思議なことなのですが、着始めてから2年目になったこのジャケットは、その後に若干の細かい補正を繰り返して作り、理論的には更に増しているはずの他の天神山製のジャケットの着心地と何ら変わるところがなく、むしろ最も着心地が良く最も体に馴染んでいるともいえます。私見ですが、これは他のジャケットの補正が失敗しているということではなく、天神山さんの服に宿っている『歳月』という名のテーラーと不肖ながら私の『愛着』という名のアイロンが成せる業なのではないかなと・・・。

 
 天神山さんのHPです→http://www.tenjinyama.jp/

 信濃屋さんのHPです→http://www.y-shinanoya.co.jp/top.html


信濃屋オリジナル“RIDER”コート

2008-12-15 19:26:45 | お気に入り


 信濃屋オリジナルのレインコート“RIDER”です。本来は春先、まだ冬の寒さも残る氷雨降る時期に活躍するコートなので少し季節外れでのご紹介ですが、このコートに限っては『雨が降っていなくても着れる数少ないレインコート』と言っても過言ではないかもしれません笑。そして、このコートは私の記念すべき信濃屋デビューの品でもあります。

 
 
 先日アップしたクラッシック・ローデンコートを昨年購入した際、天神山・店長のIさんが私にお薦めしていたコートが実はもう一着ありました。

 
 
 このブログに頻繁に登場するIさんは、実はかつて30年近く横浜・信濃屋さんに在籍・ご活躍された、大変な“服飾経験値”をお持ちの方です。Iさんが私に話してくれたお話では、信濃屋さんが英国・バーバリー社のコートを取り扱っていた当時(現在は取り扱いはしていないとのこと)、かの有名なトレンチコートと並んで(ひょっとするとそれ以上に)優れた綿ギャバディンのコートがあったとか・・・。

 
 
 “ライダー(RIDER)”という名を持ったそのコートはバーバリー社が乗馬用レインコートとして製造していた綿ギャバコートで、フォルムは世間で言うところの『ラグランスリーブのステンカラーコート』なのですが、秋冬の日本の巷に溢れかえっているそれとは明らかに一線を画した、Iさん曰く『本当にカッコイイ!』バーバリー社の名作の一つだったそうです。

 
 
 そして近年、信濃屋さんがそのライダーへのオマージュを込めてオリジナルで作製したコートがあり、冒頭のIさんお薦めのコートがその信濃屋オリジナル“RIDER”コートでした。Iさんは今も月に2回程信濃屋(元町店)さんの店頭にも立たれているので『一度見に来ると良いですよ』と私に提案してくれました。ただ、Iさんのお話で『そのコートは所謂“玉虫色”の綿ギャバディン』というのを聞いて、粗忽な私は実物を見もしないうちから『うわ!オジサンコートだ・・・』と勝手に決め付けていました苦笑。

 

 ただ、このブログにコメントを下さるderekさんのブログ『でれくの日記』を当時から愛読していた私は、『でれくの日記』の中に頻繁に登場する『横浜・信濃屋』という洋品店にかねがね興味津々でもありましたので、これは良い機会!とIさん&信濃屋さんを訪ねることにしました。一年前の12月のことです笑。

 

 私を快く迎えてくれたIさんは早速この“RIDER”をご自身で羽織ってみせて『ね!いいでしょう~』と私に見せてくれました笑。実はIさんご自身も購入を考えていたほどの大層お気に入りの品だったようなのですが、そのコートを見た瞬間、私は“オジサンコート”と敬遠していたその玉虫色のギャバディン生地が放つ独特の渋ぅ~い光沢に完全にノックアウトされてしまい、その場で購入を決意していました笑(残念ながら、今回の撮影ではその色味は上手く表現しきれませんでしたが、実物の色はグレーっぽいオリーブ色です)。

 

 男らしい大ぶりのステンカラー、防水の為の、一枚の生地で(外側に継ぎ目が無い様に)仕立てられた袖『ワンピーススリーブ』と革巻きバックルが付いた袖口の絞りベルト、大きく縦に切り込まれた存在感のある両脇のポケット、深く背に穿たれたインバーテット・プリーツ、近年のコートの『短・細・軽』という流れへ痛快なほどに逆らうようなゆったりとした胴回りと長めの丈が描く美しいAライン、『限界密度』と銘打たれた分厚くどっしりとした腰のあるギャバディン生地etc・・・それはまさに、ベーシックなフォルムで、仕立てや素材にクォリティの高さが感じられ、それでいて着る人の個性をキラリと主張する、長く愛着を持てる『心惹かれる洋服』でした。

 

 またまた長くなってしまいました苦笑。こうして私の信濃屋さんとのお付き合いが“ひょんなことから”始まりました。この“RIDER”もローデンコートと並んで私にとっては大変思い入れの深い逸品です。10年後、分厚いギャバディン素材がよれて味が出てくるのが本当に楽しみですし、その過程も楽しんでいきたいと思います。

 

 最後の写真は信濃屋・馬車道店に飾られているバーバリー社の年代物のポスター(原画)です。今回またまた図々しくも信濃屋さんにご協力いただき撮影させていただきました。白井さんが信濃屋さんに入った当時から在った貴重なポスターだそうです(ご本人談)!信濃屋さん恐るべし笑。不躾ではありますが、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。本当に有難うございました。

 



 信濃屋さんのHPです→http://www.y-shinanoya.co.jp/top.html

 天神山さんのHPです→http://www.tenjinyama.jp/
 

紳士の流儀と冬の名脇役たち

2008-12-12 17:06:46 | お気に入り
  

 先日、横浜・信濃屋に今シーズン用のマフラーを買いに行きました。久しぶりに白井さんにもお会いし、有線のカントリー・ウェスタンをBGMにゆっくりお話もさせていただいて楽しい時間を過ごせました笑。

   
 
 『この色が一番いいですよ。』と、白井さんにお勧めしていただいた『信濃屋オリジナル』のカシミアマフラーです。色は“深紅”という表現がぴったりの深~みのある赤で、横浜の赤煉瓦の色を少しイメージさせます笑。このマフラーは白井さん始めスタッフの皆さんも愛用されている信濃屋・冬の定番商品だそうで、信濃屋さんが長年お付き合いされている、数々の欧州の有名ブランドのマフラーも手掛けているイタリアのさるファクトリーで作っているのだとか(名前はど忘れしました汗)。風合い・光沢・滑らかな肌触り・発色・生地の腰・コストパフォーマンスの全てに秀で、よ~く見ると複数の毛色で織られていて、深みのある色合いの理由がわかります。毛羽立ち・毛玉もほとんどできないので長く愛用できますよ!とのこと。控えめに同じ色の糸で刺繍されたロゴが好印象です。先日アップしたローデンコートとの相性もバッチリです笑。

 因みに私はマフラーはシンプルに一重巻きにします。『あれこれ小細工をするのは男らしくない』(白井さん談)からです笑。ただ、このマフラーに限っては首に掛けるだけだとアントキの猪木になってしまう恐れがあるので注意が必要です。

 冬はやっぱり小物も充実していて楽しいですね。ということで他にもいくつか『冬の名脇役たち』をアップしてみます笑。

   

 国内の老舗ソックスメーカー『ハリソン』のロングホーズ、中でも私の一番のお気に入りスモールアーガイル柄です。何と言っても寒さの厳しい冬にはこのソックスが欠かせません!因みに私は必要が無い限り黒や紺のソックスはできるだけ避けています。色・柄ソックスの方がなんとなく気分が高まるし、タイやジャケットの色合いに合わせてみたりの『足元のお洒落』もまた楽しいですから。ま、単純に好みの問題です笑。

 

 余談ですが、この時、白井さんと靴磨きの話をしたのですが、白井さんは靴を磨く時『KIWI』しか使わないそうで、もう50年以上そうしているとのこと!!もちろん私が今回この3足を『KIWI』のみで磨いたことは言うまでもありませんし、この先もそうするでしょう笑。

   

 英国のこれまた超老舗!『デンツ』のペッカリー製グローブ・ライニング無しです。私はこのマスタード色が凄く好きです!渋谷・Fugeeの鞄職人・藤井さんがペッカリーは人の指の動きに追従するしなやかさと摩擦に強いという特性が手袋には最適で理に適っていると仰っていました。ただ、ライニングが無いので極寒の日には少し寒いのが難点ですね。因みに昔のデンツは人差し指の指先のところは革の継ぎ目が無かったと銀座・天神山のIさんが仰っていました。 
 
 そうそう、信濃屋・馬車道店の紳士フロア奥のキャビネットに陳列してある白井さん所有の40年以上前のペッカリーグローブはもの凄く肉厚で暖かそうでした。革の色も飴色に経年変化し鈍い輝きを放っていて、『凄いな~』と溜息が出るばかりの逸品でした。

 この手袋があれば寒風吹き荒ぶ中でも颯爽と大手を振って歩けます笑。コートのポケットに手を突っ込んで猫背になってしまうこともありません!

   

 最後に、銀座・天神山で誂えた、ガンクラブチェック・ツイードの8枚剥ぎキャスケットです。実は私は頭が大きいのがコンプレックスで帽子はこれまでず~っと敬遠してきたのですが、冬のコートスタイルに帽子は必需品!と洒落者の紳士諸兄は口を揃えて仰るので、ではまず休日にでも被って馴れるためにと購入したのがこの帽子なのですが・・・。

 この日(因みに平日)の信濃屋さんでの帰り際、無帽のコート姿の私を見て白井さんが一言!『帽子を被った方がいいね。』(うっ!やはり来たぁ~汗!でもちょっぴり期待もしていました笑)『帽子は若い頃から被らないと所作が身に付きません。所作が大事なんです。』との至言!この瞬間、私が平日も帽子を被ることを固く心に誓ったことも言うまでもありません涙。

 『洒落者の上級者への道のりは己が無粋を知りて一歩目』・・・苦笑。

 余談ですが白井さんについての天神山Iさんのお話です。数年前の冬、Iさんが何かの所用で白井さんに同行なさって渋谷に赴かれた時の白井さんの着こなしは、アットリー二製グレンチェック柄ダブルブレストのスリーピースにカシミアのポロコートを着て、襟元には年代物のエルメス製大判シルクマフラーを巻き、ペッカリーのグローブ、ソフトハットにスネイクウッドのステッキ、というもの凄いもので、いつも華やかな賑わいをみせる若者の街・渋谷でも一際目立っていたそうです笑。因みに白井さんは上記のようなコート・帽子・手袋・マフラー・ステッキという着こなしを『コートスタイル5点セット』と名付けて冬の着こなしの拘りとしているそうです。私もいつの日かそんな着こなしを!と夢見ている今日この頃です笑。

 



 信濃屋さんのHPです→http://www.y-shinanoya.co.jp/top.html

 天神山さんのHPです→http://www.tenjinyama.jp/

 

ローデンコート

2008-12-08 22:05:00 | お気に入り


 オーストリア・シュナイダー社製、クラシック・ローデンコートです。まずは薀蓄を少しだけ笑。



 元々の由来はオーストリアの貴族が着用していた伝統的なハンティング用の防寒コートで、大陸ヨーロッパでは今でもポピュラーなオーバーコートなのですが、今の日本の服飾の流行に完全に逆行した非常にクラシックなコートなので提案するお店も少ないでしょうし、東京の巷では着ている人はまず見かけません笑。



 防寒のためのスロートタブ付きステンカラー、狩銃を取り扱う際に腕・肩が動かしやすいように脇の下がパックリ開いている独特の袖付け・フローティングショルダー、背中の真ん中あたりから裾まで続く箱型の内襞・インバーテッドプリーツ、そして、やや幅が狭めの肩に始まり、ゆとりのある胴回りから裾にかけて続くAラインと、長めの着丈が描く美しいドレープラインなどの特徴を持った趣のあるトラディショナルコートです。 



 その他にも、袖口と両脇ポケット口はスウェード素材で補強がされていたり、トレンチコートに見られるような貫通ポケットがあったり、革のくるみ釦を使っていたりとお洒落心をくすぐるディティール満載です。



 そして何と言っても最大の特徴は『ローデン・クロス』と呼ばれるその生地。オーストリアのチロル地方でのみ生産され、織り上げた後、3分の2程度までミリング(縮絨)、その後表面を天然のアザミで梳きあげる、非常に目が詰まり毛羽立ちも少なく防水性・防風性に富んだ服地です。このコートの生地はウール80%、アルパカ20%でライニング無しの一重仕立てでもあるため見た目ほど重くは無く、前を開けて颯爽と歩いているとそのシルエットと相まってまるでマントを羽織っているように見え、気分は完全にサリーちゃんのパパです笑。



 さて、このコートは丁度昨年の今日、いつもこのブログではお馴染みの銀座・天神山さんで購入したのですが、それは私の天神山さんとのお付き合いの始まりでもありました。もしこのコートとの、そして天神山さんとの出会いが無ければ今ほど服飾にのめり込むことは無かったでしょう、と言えるほど私にとっては大変思い入れのあるコートです。

 当時私は『今年は是非長く付き合えるコートを』と思い、色々悩んだ末、某有名ブランドのこれまた有名なトレンチコートをその銀座店で物色し、購入する決心をしていました。今思えば本当に不思議な御縁なのですが、天神山さんとの出会いはその帰り道でした。・・・たまたまふらりと何の気なしに、そして初めて立ち寄った天神山はまさに『大人の男の空間』で、敷き詰められた絨毯、アンティークの調度品、そしてオーナーのMさんと店長のIさんの着こなしは服飾経験の少ない私にとっては『これはとんでもない所に入ってしまった!』と思わせるのに充分なインパクトがありました笑。

 でも折角だし、ただ帰るのもつまらないなと思い(因みに天神山さんはビルの3階にあります笑)しばらく店内をうろうろしていたところ、店長のIさんとその某ブランドコート購入の話になったのですが、なんとIさんはその愛すべきキャラクター全開で私に翻意を促し始めました笑。そしてその代わりに彼が私にお奨めしたのがこのローデンコートだったのです。それはそれまで見たこともない、独特の存在感を放つコートで、欧州の深い森を連想させるローデングリーンの美しい光沢・滑らかな肌触り・独特の質感・体をすっぽりと覆う安心感のある着心地は私にとってある意味カルチャーショックでした。

 Iさんはその特徴ある口調で私にそのコートの薀蓄と素晴らしさを熱く語ってくれましたが、私も、件のトレンチコートの購入については一度決めたこと、と思いその場は何事も無く家路に着きました。でも、家に帰ってからもローデンコートの映像がなかなか頭から離れず、翌日、私はこのローデンコートを購入する旨を電話でIさんにお伝えしました。それほど私にとってはこのローデンコートは魅力的で、そして私にとって服にそれほどの魅力を感じたのはそれが初めての体験でした。Iさんに『10年後、20年後、きっとこのコートを買って良かったと思う時が来ますよ。』と言われたことを思い出します。私はそんな言葉は生まれて初めて聞きましたし、自信を持ってそう言う人が居ることも驚きでした。

 ちょっと長くなってしまいました苦笑。以下は横浜・信濃屋さんのHP・白井さんの『おしゃれ談義』からの引用です笑。なんとなくその時の私の気持ちを白井さんが代弁してくれているような気がするので使わせていただきます。

 『おしゃれに関して、どんなこだわりがありますか、とよく聞かれるのですが、ちょっと答えに窮してしまいます。私はこれまでずっと、自分がいいと思うもの、その感じる心を大切にしてきました。あえて言うのなら、長く愛着を持って着られる服ということでしょうか。そうなると自然と、ベーシックなフォルムで、仕立てや素材にクォリティの高さが感じられ、それでいて着る人の個性をキラリと主張する、そんな洋服に惹かれるのです。』
 
 『ファッションに関する情報も、昔とは違いとても豊富になっていますから、最近のお客様は、スーツなどを選ぶとき、ブランド名や、値段をその基準にされる方が多いのは当然のことでしょう。しかし私はまず、その商品そのものを純粋な気持ちで見ていただきたいと思っています。デザイナーの名前や値段にとらわれるのではなく、自分の気持ちに触れるものをぜひ手にとって欲しい。』

 『男の装いは心に響く一着との出会いから始まる。』

 



 天神山さんのHPです→http://www.tenjinyama.jp/

 信濃屋・白井さんの『おしゃれ談義』はこちらです→http://www.y-shinanoya.co.jp/interview_si.html

 

紅葉のモザイク

2008-12-03 18:42:53 | 散歩


 晩秋の東京『紅葉2008』です!一気に撮ってまいりました笑。

 30数年東京に住んでいながらこの季節の神宮外苑を初めて訪れました。東京の風物詩・外苑の銀杏並木は燃えるような黄一色に染まっていました!いや~しかし凄い人の数でした苦笑。

 あまりの人の多さに酔ってしまい、撮影終了後はそそくさと帰ろうと思いましたが、はっと思い立ち目黒で途中下車。黄昏時の東京都庭園美術館にもふらっと寄ってみました。ここは何度か訪れたことがある私のお気に入りの場所です笑。国内では有数のアールデコ様式の建築(旧朝香宮邸)が有名ですね。こちらは外苑とは打って変って人影もまばら。静寂の中、庭の立派な赤松の葉の緑にもみじの紅が鮮やかな挿し色となって控えめに佇んでいました。美術館では『1930年代・東京』という企画展が開催されていました。今日は時間が無かったので庭園観覧だけでしたが、服飾好きの私としては30年代と聞くと興味をそそられます。今度行ってみようかな・・・。

 紅葉が枯葉になればクリスマス、そして年の瀬と続きますね。

 



 東京都庭園美術館のHPです→http://www.teien-art-museum.ne.jp/index.html

W君のお土産

2008-12-03 10:04:57 | お気に入り
 

 4月にアップした、私がいつもお世話になっている美容師さん、W君がヨーロッパ研修から帰ってきました。彼が日本にいない間、私の髪は伸びっぱなしで大変難渋しました涙。もう行かないで下さい(冗談です笑)。彼の土産話を聞きたくて、先の休日に早速お店に伺い髪を切っていただきました。

 カットの間は欧州話に花が咲き(他の話題でもいつも咲きますが汗)、約2時間の施術の時間はいつにも増してあっという間に過ぎてしまいました。予てから彼の技術には全幅の信頼を置いている私ですが、この時はお互いそれこそず~~っと喋りっぱなし(他のお客様。。。うるさくしちゃってごめんなさい汗)だったにも拘らず、彼のカットはいつも通り繊細で完璧でした。W君恐るべし!

 そして今回、心のこもったお土産まで頂き喜び倍増!私の大好きなサンタ・マリア・ノヴェッラのフィレンツェ本店で買ってきてくれたローザ(薔薇)の石鹸です。W君は私のブログをチェックしてくださっていて、私が香り好きなことをきっと憶えていてくれたのでしょう・・・有難くて包装を破くことができそうもありません笑。大切にして花の都フィレンツェが生んだ上品な薔薇の香りを堪能したいと思います。


 
 更に、W君は彼の地で800枚余りの写真を撮ってきたとのことだったので、またまた図々しくもこのブログに一枚使わせていただきました笑。フィレンツェの町並みです。因みにW君に選んでいただいた一枚だったのですが、私が彼にお願いした条件は『一番お気に入りの一枚』でした笑。W君曰く『凄く悩みましたが天気が良くてとても素晴らしい景色だったので』とのこと。朴訥として誠実な、実にW君らしいチョイスです笑。彼の出身地・愛媛県松山・・・子規が詠んだお城から見た城下の風景とも重なったのかもしれませんね。

 W君は当初、今回の渡欧については行くかどうか悩んでいたらしいのですが、『行って良かったです。是非また直ぐ行きたい。』と瞳を輝かせて言っていてました。きっと人生の糧になるような貴重な体験を積んできたのでしょうね笑。私も彼の土産話を聞きながら我がことのように嬉しく、楽しいひと時を過ごせました。

 



 こちらがW君が在籍している美容院です→http://www.salondeu.com/kamata/index.html
 
 サンタ・マリア・ノヴェッラのHPです→http://www.santamarianovella.jp/