ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

Glen check jacket

2010-10-23 04:00:00 | 白井さん


 横浜馬車道。

 このノスタルジックな地名を私が初めて知ったのは小学生の頃、かの桑田圭佑氏作(唄は俳優の中村雅俊氏)、大人の揺れる恋心を綴った名曲『恋人も濡れる街角』の一節を聴いた時だったと思います。

 ♪ああ 時折雨の降る 馬車道あたりで待っている♪

 子供だった私にはこの歌の世界、その意味するところはさっぱり判りませんでしたし(笑)、“馬車道”というのが“地名”だということが判ったのもかなり後のこと。ただ、何となく子供心にも詩情を揺さぶられるものがあったのか、そしてそういうものほど年月を経ても変らず残るもので、今でも私にとって馬車道は大人の居る場所、そして、勝手な思い込みに過ぎませんがこの街には不思議と雨が似合うような気がします。この日はちょうどそんな空模様でした。

  

 今日の“白井さん”はグレンチェックのジャケット。

 大ぶりな柄と茶の絶妙な色合いがたいへん素晴らしいこの服を私が初めて見たのは信濃屋さんのHP上でした。以来、このジャケットと大胆且つ洗練された白井さんの着こなしは私の心を捉え続けています。白井さんご自身もこのジャケットについて、

 『肩の辺りがほわっとしていて気に入っているよ。色も良いよね。』

 と仰っており、恐らくお気に入り度の高い一着と思われます(笑)。今回は色使いを秋らしく、エクルーのオックスフォードBDにマットな質感の無地のシルクタイ、タイと同系色のペイズリーのチーフ、やや濃い茶のギャバディンのパンツ、靴は中茶のセミブローグ、と全体的に色調を抑え落ち着いた雰囲気を漂わせた着こなし。

       

 今日の白井さんとのお話は、大人の男の代名詞“ロマンスグレー”の髪について。

 私、   『実は以前、天神山のIさんから伺ったことがありまして、それ以来ずっと伺ってみたいなと思っていたことがあるんですけど、白井さんは昔から“早く白髪になりたいなぁ”と仰っていたと・・・(ややビビリ気味に)。』

 白井さん、『そうそう(笑)。でもなかなか白くならなくてね(苦笑)。紺のスーツって最初は嫌いだったんだけど、学生服の延長みたいでしょ(笑)。でも、いつからか紺も良いなぁって思うようになって、でも髪が黒いうちだとねぇ。髪が白いと何でも合うでしょ、紺や臙脂が綺麗に着られるなぁってね。歳をとれば黒髪であれブロンドであれ、どんな人でも髪は白くなって、洋服も欧米の人達と同じ条件で着られるのが面白いよね。』

 このお話、白井さんはさらっとお話されていましたが、私は、特に最後の一文に、凄く深~い“何か”を感じました。残念ながら今の私にはその“何か”について上手に語る術も、またその資格もありませんが、いつの日かそれが心から理解できる時が来るならば、私も自分を“大人の男”と呼べるのかもしれません。





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