イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

どこか似ている、同じ年に生まれた人!(性格形成 10/10)

2010-09-15 | 第一章「意識と知覚」
U先生から、人格形成で人それぞれの生育史の研究も大切だが、時代背景も馬鹿にできないと教えられた。その言葉に刺激され、私の同年代を大切にしようと、何年か前に≪1951年生まれの会≫をミクシーで立ち上げた。特に私の学校時代の同級生に声をかけたりしなかったので、会が立ち上がるか不安であったが、奇跡的に素晴らしい同志に恵まれ、今では114名の会員となった。

 何回かオフ会などを開催したが、確かに同じ年の人は似ているところがある(殆ど初めての人でも安心できる感覚がある)。1951年生まれの有名人といえば、作家では夢枕漠さん、高橋源一郎さん、浅田次郎さん、柴田恭平さん、小池百合子さん、招福亭鶴瓶さん、竹中平蔵さん、藤圭子さん、五輪真弓さんなど。勿論、私たちは無名人ですが。

 さて、時代背景とエリクソンの8つの人格形成論を理論的に結びつけると、何故似ているのか、少し思い当るところがでてくる。

 例えば、0歳から2歳の基本的信頼感のころは、日本は朝鮮戦争の影響が大きく。政治的にも血のメーデー事件があるなど混乱していた。5-7歳の目的志向性の時代は、皇太子ご成婚、フラフープの流行、昭和基地やマナスル登頂成功などがあり、健全に育ったかもしれない。ゴーイングマイウェイ的なところがあるようだ?

 8~12歳のころは、伊勢湾台風、安保闘争、堀江青年のヨットでの太平洋横断、ケネディー暗殺があるが、良き昭和30年代の中で、技能の時代の勤勉性などは健全に育ったのでは。逆に13-22歳はベトナム戦争、学生運動、などの時代で、自己混乱する団塊の世代を上に見つつ、混乱しつつ?図太く生きる術を身に付けたかもしれない。

 その評価は、自分たちだけでは判らないが、何かあるようだ。

 しかし、同世代で集まったり、ミクシィで情報交換をすると、過去の自分の体験の解釈に新しい光があたり、貴重な体験もありそうだ。来年は皆で還暦を祝おうと、そろそろ準備を開始しなければと思う。でも、個性豊かなメンバー。どうなるか、良く判らない。

性格形成 10/10(信じて見える世界 30/30)

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(写真は深大寺の萩。蝶が沢山群がっていました。)

ミドルエイジ・クライシスに負けないで!(性格形成 9/10)

2010-09-14 | 第一章「意識と知覚」
昔はミドルエイジというと40代-50代を言ったようであるが、最近は30歳代を取り上げることが多いようだ。確かに、自殺率の年代別推移を見ると、30歳台が右肩上がり(悪い意味で)で他の年代とあきらかに違った動きをしている(私の50歳代は逆に右肩下がりが顕著)。知人の話を聴いたりすると、30歳代は随分生きにくい時代になってきたようである。

 昔は、アフター5で先輩に連れられて良く飲みに行き、仕事のノウハウまでいろいろ教えてもらったが。そういうことも最近は少ない。昔なら、終身雇用で老後まで心配をしてもらったりしたが、今では自己責任の言葉で片づけられ、日本の和の文化はどこに行ってしまったのだろうと思う。

 派遣労働者もポピューラーになって、一面価値観の多様化の時代のようにも見えるが、会社の競争が販管費競争までの競争となり、冷戦時代とは一線を画した厳しい時代とも言えよう。マスコミの口調の影響か、クレーマーが何故か多くなり、対応も大変。年金も30代はもっと若年層よりましとは言え、今は期待できない。

 しかし、30歳代の方、ストレスいっぱいの話しは、あまり気にしないでください。世の中、どういう訳か暗いことを言うほうが受けるようですが(その為、つまらない情報が多いと思います)、実際は違います。

 生き甲斐の心理学の中で、ヒンズー教の名言がでてきます。≪人は考えた通りの人間になる≫。これは、本当だと思います。勿論うわべだけの浅い考えではいけません。自分の中にある、隠れた考えを引き出していく作業が本当に重要だと思います。①自分は何のために生まれたか?②生き甲斐は何か?③自分の身体、こころ、魂(霊性や生命でもよいですが)を大切にしているか? この3つの問いを問いかけ続ける。それが、意外に重要だと思います。

 蛇足ながら、 カールロジャスのパースナリティ理論にも、第4の命題≪有機体は、一つの基本的な傾向と渇望(striving)をもっている。すなわち、体験している有機体を現実化し、維持し、強化することである。≫(ロジャーズ全集 パースナリティ理論8 伊藤博訳 岩崎学術出版社)があります。

 もちろん、この話30歳代だけではありませんね。

写真は萩の花です(この酷暑の夏にもまけないようです。

性格形成 9/10(信じて見える世界 29/30)

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その言葉で世界は変わる!(性格形成  8/10)

2010-09-13 | 第一章「意識と知覚」
 奈良時代の末期、藤原仲麻呂が太政大臣として暗躍していたころ。時の孝謙天皇が、ある日五位以上の貴族を平城京の朝堂に集め、尼僧姿で演説をする。その時、孝謙天皇は自分の血統をとうとうと語る。≪・・草壁皇子の血筋は絶えようとしている・・・≫

 殆ど仲麻呂の独裁と思しき状況が、どうもその時から変わっていくようである。その演説により、孝謙天皇の存在感がまし、仲麻呂で良いかという不安が貴族の中で増殖していく。

 例えば、孝謙天皇が草壁皇子(実際は続日本紀によると≪おかのみやのあめのしたしろしめししてんのう≫)と言ったとき、集まった貴族のおのおのは、その言葉をどう知覚したのだろうか。持統天皇、天智天皇、壬申の乱などを想起したのだろうか。そして、それが結果として大きな流れに変わり、ついには仲麻呂が滅びる。

 言葉は本当に不思議である。

 例えば、自分の名前は、言葉を覚え始める初期から知覚されるようである。そして、それは抽象的なものではなく、リアルなものであり、今ここに生きる場そのもののように感じる。

 次のカールロジャースの2番目の命題は、とても参考になる。

2) 有機体は、場に対して、その場が経験され知覚されるままのものに、反応する。この知覚の場は、個人にとって実在(reality)なのである。
 ロジャーズ全集 パースナリティ理論8 伊藤博訳 岩崎学術出版社 94p 

 言葉のもつ喚起力は、本当に神秘的だと最近感じている。ちょっと脱線するが、ある人から、自分の持ち物に全てあだ名をつける人がいると聞いた。へぇ~と思ったが、身近なAさんが自分のパソコンに「次郎」と名付けて楽しんでいたことを思い出した。なるほどと思って、私も昨晩いろいろ考え実行してみた。まずは、自分の部屋を「白妙」と名付けてみた。つけばかりであるが、何か違う部屋のように知覚されるようだ。大切さや愛おしさが増すようである。お金のかからない人生の楽しみかたかもしれない。
 

 まもなく民主党総裁選挙であるが、その行方も、1300年前とおなじように、言葉による喚起力なのだろう。歴史に残る言葉がでてくるだろうか?

性格形成 8/10(信じて見える世界 28/30)

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匠(タクミ)の国の創造性!(性格形成 7/10)

2010-09-12 | 第一章「意識と知覚」
日本に住み、日本人だけで生活していると、気付かないことがあるのだろう。例えば、米国に行って感じることは、紫色が多いことがある。日本では昔から紫が高貴ないろとして禁色であり、紫が例えば壁紙などで無意識に避けられているのではないだろうか。

 さて、昨日は久しぶりにある会合に出席したが、その中で創造とは何かという議論があった。欧米では、例えばホーキンズ博士の宇宙論が発表されると、宗教界の反応は?というように、創造の世界はどちらかというと哲学や宗教と絡めて議論される。

 ところが、日本では、勿論そういう議論もないこともないが、イザナミ、イザナギの話を持ち出したりする人は今まで会ったことはない。6世紀以降の日本に影響を与えた仏教が、宇宙の発生論をキリスト教のように論じていないこともあるのかもしれない。だいたいは、自分がいることを前提とし、モノやコトがはじめから何らかの形で存在することが前提である。

 創造という言葉は、日本では一般に匠の世界のように語られる。創造を知的操作ツールのように捉え、原理まで遡る人は少ない。

 そんな世界にずっと住んでいる私。父親もエンジニア。母方の祖父もエンジニア。父方は農業。母方は金工家で江戸時代は工だったのだろう。でも、グローバル化する社会で生き残る為にはこれで良いのだろうか?

 次のカールロジャースの11番目の命題で私の創造の常識を点検してみよう。

11) いろいろの経験が個人の生活において生起すると、それらの経験は、
 (a)なんらかの自己との関係へと象徴され、知覚され、体制化されるか、
 (b)自己構造との関係が全然知覚されないので無視されるか、
 (c)その経験が自己の構造と矛盾するので、象徴化を拒否されるか、もしく
  は、歪曲された象徴化を与えられるか、のいずれかである。

 どう自分の中の創造性を捉えたらよいのだろうか?子孫たちに何かを残したいと思う今日この頃である。

 ロジャーズ全集 パースナリティ理論8 伊藤博訳 岩崎学術出版社 119~120p 

性格形成 7/10(信じて見える世界 27/30)

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夜を感受する!豊かな古代のこころ。(性格形成 6/10)

2010-09-11 | 第一章「意識と知覚」
 最近、世の中急速に便利になったのは良いが、落ちてくるような星空など、郊外に住んでいても観るのは難しくなっているようだ。幼いころに見た夜空。暗闇の恐怖。そういうものが、段々遠ざかっている。それとともに、私の中の夜の感受性・恐怖等はだんだん弱まっているのだろうか。

 今、日本人の古層を学ぼうと、特に奈良時代を勉強しているが、昨日から味読していた吉野裕子氏の≪持統天皇≫(人文書院)に一番有名な次の句がでていた。

 春過ぎて夏来るらし白妙の衣乾したり天香具山

 この句は有名ではあるが、白妙の衣が当時、天香具山なんかに乾しているはずがないという疑問を言う人もいて、謎の句としても、有名である。これは天女の衣という説があったりするが、吉野裕子氏は開元占経に<昴者白妙也>とあるので、白妙は夜空の昴<スバル>(特に夏空では真上に光る)とお考えになった。夏の夜半、天香具山の上に輝く昴(すばる)、なんという感受性。しかも昴は農事(種をまいたり)に使われる星であるので、何か豊かさも感じられる。

 実は、今年の始めに飛鳥の高松塚古墳を見学したが、被葬者の真上壁面には星座が書かれていた。吉野裕子氏は、高松塚古墳の被葬者を陰陽思想から草壁皇子と推定しているが、持統天皇の晩年のこの歌。いろいろ考えさせられる。

 持統天皇は、それこそ奈良時代の謀略や暗殺の横行する中で、心理的に全てを受容し、今の民主的世の中では想像もつかない独裁政治の頂点に立った。その思想・理由はこれから勉強したいが、どうも陰陽思想や仏教なども含めた死生観が大きかったと思う。

 この句から、次のカールロジャースの14番目の命題を彷彿させられる。

15) 心理的適応は、自己概念が、象徴のレベルにおいて、有機体の感官的・内臓的経験をことごとく自己概念と首尾一貫した関係に同化しているか、もしくは同化するであろうときに存在するのである。
 ロジャーズ全集 パースナリティ理論8 伊藤博訳 岩崎学術出版社 132p

 持統天皇は、亡くなる時に、悔いのない人生を生きたと感じたと思う。

性格形成 6/10(信じて見える世界 26/30)

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