
奈良時代の末期、藤原仲麻呂が太政大臣として暗躍していたころ。時の孝謙天皇が、ある日五位以上の貴族を平城京の朝堂に集め、尼僧姿で演説をする。その時、孝謙天皇は自分の血統をとうとうと語る。≪・・草壁皇子の血筋は絶えようとしている・・・≫
殆ど仲麻呂の独裁と思しき状況が、どうもその時から変わっていくようである。その演説により、孝謙天皇の存在感がまし、仲麻呂で良いかという不安が貴族の中で増殖していく。
例えば、孝謙天皇が草壁皇子(実際は続日本紀によると≪おかのみやのあめのしたしろしめししてんのう≫)と言ったとき、集まった貴族のおのおのは、その言葉をどう知覚したのだろうか。持統天皇、天智天皇、壬申の乱などを想起したのだろうか。そして、それが結果として大きな流れに変わり、ついには仲麻呂が滅びる。
言葉は本当に不思議である。
例えば、自分の名前は、言葉を覚え始める初期から知覚されるようである。そして、それは抽象的なものではなく、リアルなものであり、今ここに生きる場そのもののように感じる。
次のカールロジャースの2番目の命題は、とても参考になる。
2) 有機体は、場に対して、その場が経験され知覚されるままのものに、反応する。この知覚の場は、個人にとって実在(reality)なのである。
ロジャーズ全集 パースナリティ理論8 伊藤博訳 岩崎学術出版社 94p
言葉のもつ喚起力は、本当に神秘的だと最近感じている。ちょっと脱線するが、ある人から、自分の持ち物に全てあだ名をつける人がいると聞いた。へぇ~と思ったが、身近なAさんが自分のパソコンに「次郎」と名付けて楽しんでいたことを思い出した。なるほどと思って、私も昨晩いろいろ考え実行してみた。まずは、自分の部屋を「白妙」と名付けてみた。つけばかりであるが、何か違う部屋のように知覚されるようだ。大切さや愛おしさが増すようである。お金のかからない人生の楽しみかたかもしれない。
まもなく民主党総裁選挙であるが、その行方も、1300年前とおなじように、言葉による喚起力なのだろう。歴史に残る言葉がでてくるだろうか?
性格形成 8/10(信じて見える世界 28/30)
殆ど仲麻呂の独裁と思しき状況が、どうもその時から変わっていくようである。その演説により、孝謙天皇の存在感がまし、仲麻呂で良いかという不安が貴族の中で増殖していく。
例えば、孝謙天皇が草壁皇子(実際は続日本紀によると≪おかのみやのあめのしたしろしめししてんのう≫)と言ったとき、集まった貴族のおのおのは、その言葉をどう知覚したのだろうか。持統天皇、天智天皇、壬申の乱などを想起したのだろうか。そして、それが結果として大きな流れに変わり、ついには仲麻呂が滅びる。
言葉は本当に不思議である。
例えば、自分の名前は、言葉を覚え始める初期から知覚されるようである。そして、それは抽象的なものではなく、リアルなものであり、今ここに生きる場そのもののように感じる。
次のカールロジャースの2番目の命題は、とても参考になる。
2) 有機体は、場に対して、その場が経験され知覚されるままのものに、反応する。この知覚の場は、個人にとって実在(reality)なのである。
ロジャーズ全集 パースナリティ理論8 伊藤博訳 岩崎学術出版社 94p
言葉のもつ喚起力は、本当に神秘的だと最近感じている。ちょっと脱線するが、ある人から、自分の持ち物に全てあだ名をつける人がいると聞いた。へぇ~と思ったが、身近なAさんが自分のパソコンに「次郎」と名付けて楽しんでいたことを思い出した。なるほどと思って、私も昨晩いろいろ考え実行してみた。まずは、自分の部屋を「白妙」と名付けてみた。つけばかりであるが、何か違う部屋のように知覚されるようだ。大切さや愛おしさが増すようである。お金のかからない人生の楽しみかたかもしれない。
まもなく民主党総裁選挙であるが、その行方も、1300年前とおなじように、言葉による喚起力なのだろう。歴史に残る言葉がでてくるだろうか?
性格形成 8/10(信じて見える世界 28/30)
人気blogランキングへ・・1クリックで燃えます!感謝しています!!!