日本人は単一民族だという議員さんがいたが、最近の遺伝子研究の驚くべき進歩で、日本人のルーツが随分判ってきている。
「DNAでたどる日本人10万年の旅」(昭和堂 崎谷満著)のY染色体分析によると、現生人類の系統は18に分けられるそうである。そして、現世人類はアフリカを出発して世界に散らばり、現在66億人を越すまでに至ったが、その出アフリカのグループは3つの系統に大きく分類されるそうだ。
ところで、日本人のDNAを研究すると、この3系統をルーツに持つ人たちがすべてが共存しているようなのだ。これは地域的にきわめて稀であり、ほとんどの地域は2系統までしか見いだせず、歴史の不思議であるそうだ。
東アジアの、端の端。島国という利点もあり、外敵を避け共存することができたという見方もできる。現代はサミュエル・ハンチントン氏が述べたように、文明の衝突の時代かもしれないし、あるいはグローバル化の強烈な波もある世界かもしれない。多様性保持はいろいろ大変なようである。
ただ、多様性を保持する中で、より健全に豊かに文化が花開くという側面があると思う。
さて、こうしたDNA関係の本を読んでいると、自分のDNAがどのようになっているか興味が湧いてくる。祖先(父系)はシベリア経由(C3)で日本に辿りついたのか、中国経由(D3,O2)経由なのか、現在DNA鑑定のサービスも有料であるようだ(ミトコンドリア分析が4万円台など)。信頼が置けて、安価なサービスはないだろうか?
写真は京橋のガス灯のガス灯。祖先が、アフリカを出発し、日本に辿りつくまでの苦難辛苦。ルーツを思い浮かべることは楽しい(感動することも)。
<社会 5/8>
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