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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

秋の気配を感じ、6-7万年の現世人類の旅を想う!(ひびきあう旅④ 3/10)

2013-08-20 | 第五章「和解と平和」

 猛暑とはいえ、何となく秋の気配が漂い始めているようだ。

 昨日は健康診断と眼医者さんでの眼の健康診断に行った。還暦を過ぎると、身体の方も秋モードになるというか、身体の限界が視野に入ってくるようだ。そして、生き甲斐の心理学では、エリクソンの8つめの人格形成、知恵、絶望感、自我統合性の時代に還暦をすぎたあたりから入ると教えられる。

 今まで自然にできていたこと、当たり前であったことができなくなったりする。私のような健常者にとっては新しいステージなのだろう。

 そんな中、私の旅に対するイメージも少し変わってきているように感じる。

 今年の夏休みの広島への旅では、DNAを元に研究された日本人の祖先の研究関係の本を二冊読んだ。もう世界的に定説になった、現世人類アフリカ起源説を前提に、この十万年くらいの現世人類の旅の足跡にたいする研究である。

 137億年の宇宙の歴史、40億年の生命の歴史の終わり頃にだいたい15万年くらい前に現世人類が生まれる。そしてふるさとアフリカ暮らしの後で、一部の現世人類がバベルマンデブ海峡から6-7万年前に(当時は海が縮小)紅海を渡りアラビア南部へ。

 どういう遺伝子上の計算か、ある学説では渡海の人数は150人くらいだったという。

 それから、2000世代とか3000世代を経て私たちが日本に生きているのだが、私たちの祖先は世界的にも多様である。シベリアを経て入ってきた後期旧石器時代に入った民族。晩期にはシベリアと恐らく朝鮮半島から細石刃文化を築いた民族が流入する。

 そして、日本人の代表的な祖先は新石器時代に華北から流入し縄文文化を築く。ある研究によると、日本語の原型はそこにあるとも。

 縄文文化の晩期には、貝文文化が南方系漁撈文化として流入。大陸の動乱を受けて、弥生文化は長江流域の民族も流入したり、そのあと黄河流域の民族も流入したようだ。

 まだ調べてはいないが、自分のY染色体を調べれば父方の長い長い系列が特定できるだろう。ミトコンドリアのDNAを調べれば母方の長い系列も特定できるだろう。しかし、統計的に考えれば、自分の血の中には前述した、さまざまの民族の血が入っている確率は極めて高いのだろう。

 私の存在は、命懸けだったかもしれない祖先の旅に支えられている。

 これも宗教学者、中沢新一氏の意見だが、現世人類の頭脳は始めに現世人類になった頃と今は殆ど変わっていないという。アフリカ出立の時も既に宗教を持ち、言語(サン族の舌打ち言語に近いという説)をもち、人シラミの遺伝子解析から衣服も着用していたと推定されている。

 もちろん生きるための旅だったと思うが、身体の生死を越えた何か・・宗教的な動機もこれらの旅には大きかったと思う。死がより身近になってくる年代になってきた今、私も祖先の旅の片鱗が判ってきたかもしれない。

ひびきあう旅④ 3/10

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