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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

素晴らしい旅にするための、ふたつの幸福の視点!(ひびきあう旅④ 5/10)

2013-08-22 | 第五章「和解と平和」

 生き甲斐の心理学では、幸福を二つに分けて学ぶ。一つは幸福の条件。もう一つは感情としての幸福感である。

  昨年、はじめて行ったヨーロッパは中欧だった。「フロイトのウィーン大学での胸像をみたい。」。「学生時代に憧れていたカフカの足跡を辿りたい」・・・後で考えると自分の中で決めていた幸福の条件をクリアするための旅行のようなところがあった。確かに、それを実現することで、平安感や充実感を感じるが、後から考えると長い道のりの一里塚のような感じだったり、自分中の軸がぶれていたのだろう虚しさが残ったりする。
 
 一方、ちょっとした小旅行でも、何とも言えない幸福感を味わうことができる。先日の宮島旅行で、弥山登山のあとで友達と食べた牡蠣と冷たいビール。6月の奈良旅行も嬉しかった。修学旅行の生徒で溢れていた薬師寺。風が心地よく、気の合う仲間と本尊の薬師三尊像を拝観できたことも幸福感だったのだろう。まだ十代のころに修学旅行で、東塔をはじめて観た感動と重なったようだ。

 幸福感は思いがけないときに湧き起る。幸福の条件と比べると天の恵としか言えないようなところがある。そこには狭い意識の世界だけでなく広大な無意識の世界からの何かがあるように思う。

 薬師寺で思い出したが、6月の旅では飛鳥の畝傍山の真西に位置する本薬師寺跡にも行った。持統天皇や天武天皇の病気平癒で、それこそ国家規模での祈祷があった場所である。当時は神のような存在の天武天皇、持統天皇。病気平癒という条件達成は、残念ながら達成できなかった(持統天皇は一度は平癒されたが)。ただ、そんな祈りの場に佇むことができたのは貴重な体験だった。

 本薬師寺は、藤原京から平城京に変わってから、畝傍山の真北に位置する現在の場所に移築される。あの素晴らしい、薬師三尊像も大切にされながら移設されたのだろう。そして、その現薬師寺で修学旅行生と共に味わった私の幸福感。

 二つの幸福(幸福の条件と幸福感)の視点を旅の時に思い出す。旅を豊かにするためにも大事なことではないだろうか? 

ひびきあう旅④ 5/10

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