盆暮れには映画を必ず観ることにしているが、昨晩、三谷幸喜監督の「ステキな金縛り」を観た。実に楽しい映画で、笑い通し(映画館はまじめな人が多いのか笑い声が余りなく、ちょっと恥ずかしかった)。しかも、丁度ブログで連載している、信じて見える世界の話と偶然にも重なり、思わず帰りにパンフレットを買ってしまった(そんなことは何十年もなかった)。
この映画の中で、心理学に関係することに、幽霊が見える人と見えない人がなぜ生じるのかという場面があり、興味深かった。主人公の女性弁護士が楽しい推理で、3つの条件で、幽霊が見えるようになると絞っていく。
ひとつ目は死に最近触れた経験があること。二つ目は仕事などがうまくいっていない(逆境であること)。三つ目は観ての楽しみとしたいが、なかなか鋭い。幽霊は見えるか判らないが、信じて見える世界(神仏を信じたりで)が現出する条件はそんな感じかもしれない。
そしてこの映画が、なによりも楽しいのは、死後の世界が楽しそうだということだ。死後の世界が楽しい世界か否かは死んでみないとだれも判らないが、少なくとも死後の世界を明るく解釈する人は、この厳しい現実の世界も明るく解釈する傾向にあると思う。
3.11を経験し、何かが変わった日本。私は、集団催眠のように科学技術への異常なまでの信頼・信仰と、その反対に健全な見神欲(デジデリウム)の抑圧・抑制社会が3.11を契機に健全な方向に変わってきつつあると考えているが、その先駆けの映画のように感じている。この映画が日本だけでなく、世界からも支持されたら良いなと思う(ちょっと大げさな話になってしまったが、正月なのでお許しを)。
信じる 5/10