クワガタ~スズメバチ等の覚書

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朽木屑を運ぶオレゴンルリクワガタ♂

インカクワガタ(zugeri)

2021-12-21 23:26:02 | インカクワガタ(zugeri)

はじめに

*成虫画像はありません。

ここでいうインカクワガタ(ズゲリ)とは

インカクワガタ属の基準種であるIncadorcus zugeri  zugeriを指し

藤田宏著「世界のクワガタムシ大図鑑・6」には

インカクワガタ属 Incadorcus 6種 が掲載されています。

 インカクワガタ  Incadorcus zugeri zugeri(基準種・基準亜種)

                         ssp. cozcoensis(亜種)        

 ダマソインカクワガタ Incadorcus damasoi

 サンディアインカクワガタ Incadorcus sp.

 シャウナインカクワガタ Incadorcus shaunai

 ミシェルインカクワガタ Incadorcus michellae

 

 インカクワガタの属名にはdorcusの文字がありますが

幼虫の頭部、特に大あごの形状は一般的なDorcus属とは全く別物で

ちょっと紛らわしいです。

 

↓ 特徴的な大アゴ形状

 

インカクワガタ ズゲリ

Incadorcus zugeri Arnaud et Bomans,2006

 分布:ペルー(インカクワガタ全種?)

 体長:オス19.0〜21.2㎜ メス14.6〜15.0㎜.

 

今回幼虫で入手したのは「ズゲリ」とか「ズギーリ」と呼ばれる基準種です。

ズゲリをはじめとするインカクワガタの大アゴは左右非対称で

特にオスのそれは顕著のようです。

また、ズゲリの市場流通量は少なく

生態や飼育に関する情報も多くありません。

入手した個体の産地、ペルーワヌコの気候を調べると

どうやら日本のような明確な四季はないようです。

ワヌコの標高は1800㎜以上あり

一日の温度差が大きく、日中は26度前後で

朝晩は10度を切る月もあるようです。

そして、降水量が少ないのも地域の特徴みたいです。

 

↓ 飼育個体 2齢幼虫 

↓ 2齢初期なのか透明感がある

↓ はじめて見るタイプの大アゴ

 

ズゲリの幼虫は腹部がやや大きく太く見え

どちらかというと

ネブトクワガタや小型のツヤクワガタみたいな印象を受けました。

 

↓ 比較参照画像  左:ズゲリ2齢幼虫  右:コツヤクワガタ2齢幼虫

 

ズゲリの幼虫は

ある程度発酵したマットで比較的容易に育つらしく

今回も「ヒラタ・ノコ1番」を使いました。

管理温度は他種との関係で16〜20度の範囲です(冬季)。

 

↓ 「ヒラタ・ノコ1番」でまとめ飼い

 

投入した幼虫がこのまま順調に育てば

来年の盛夏には羽化するものと思われます。

第一目標は、成虫1ペア確保です。

 参考文献:

  藤田宏,2010.世界のクワガタムシ大図鑑・6.むし社.

 



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