風 Ⅴ
2008年11月22日 | 風
こんな光景に出くわした‥‥
「続きまして、新婦の高校時代のご友人の皆さまから、歌のご披露があります。」
「代表の○○○○さん、よろしくお願いいたします。」
「わたしたちは新婦の○△さんと高校時代にサークルで共に汗を流した仲間です。」
「○△さん、おめでとうございます。」
「今日はみんなで一緒に歌いたいと思います。」
「新郎の○□さん、新婦の○△さんも、こちらにお願いします。」
新郎と新婦を、友達が囲むようにステージにあがった
ピアノの伴奏がはじまった
“あなたとわたしが夢の国
森の小さな教会で
結婚式を挙げました
照れてるあなたに
虫たちが口づけせよとはやしたて‥”
“口づけせよとはやしたて‥”
“口づけせよとはやしたて‥”
“口づけせよとはやしたて‥”
“口づけせよとはやしたて‥”
リフレィンが続いた‥
会場もただの歌の披露じゃないことに気がついた
新郎もやっと状況がわかったようだったけど
どきまぎしながら、新婦を見ていた
リフレィンは続いている
会場からは手拍子も掛け声もかかった
文字通り照れながらも
新郎は素直に新婦と唇をかさねた
“きゃぁ~”
友だちから歓声が上がり
リフレィンがやっと終わり歌声が続いた
“そっとあなたはくれました”
“あかあおきいろの衣装をつけたてんとう虫が‥”
まだまだ歌声は続いていたが‥
新郎の唇には、新婦の口紅の跡が残っていた
近くの人から
笑って指摘され、新郎は思わず必死になって唇を手でこすっていた
心地よいさわやかな風が
会場のみんなに笑顔をはこんでくれていた
今日、11月22日は“いい夫婦の日”だという