貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ウォータークリア・レインボー・ラブラドライト

2022-05-22 12:56:20 | 単品

なんていう名称はないんですけどね。(勝手に作るなw)
でも、造語をしたのはわけがあって。

ぽちぽちと、うろうろと、よれよれと(うるさい) 石集めをしてきましたが、石の魅力には様々な種類がある。色とか、省略(けっこう)
で、あちきが一番魅了されたのは、カラーチェンジでした。カラーチェンジというのはとてもずさんな概念でこれにも色々種類がある。既述、省略。あちきが好きなのは、「透過光・方向変色」。
これを教えてくれたのがアイオライトで、中でも「丸玉」の透過光方向変色には驚嘆したのでした。
そして同じく透過光変色を見せるアンダルサイトアキシナイトなども、好きな石となりました。
さらにそれを突き詰めたのが、コーネルピン。「プレオクロイック・コーネルピン」ですね。そんな名称はないけど。(また造語かよ)
強い光でなくても、石の色が様々に変化する。おお、これぞ理想の石、と思ったのでした。

ところが、そこがゴールかと思っていたところに、別の衝撃がやってきたのです。(大げさだな)
それが「透明で、多色のアデュラレッセンスを見せる、ラブラドライト、ないしアンデシン・ラブラドライト」でした。(名前も前置きもなげーぜ)

     *     *     *

事の発端はムーンストーン。夕星庵さんでスリランカ産ブルームーンストーンの細長いカボッションがセールで出ていて、美しそうなので購入。



驚きました。透明なんですわ。そこに青白いオーロラのような光が浮かび上がる。よく見る半透明のムーンストーンとは全然違う。動画はこちら

その不思議な光に惚れ込んでいたら、今度はパーフェクトストーンさんで、レインボー・ラブラドライトというのが出た。
これも透明。そして、青だけでなく、オレンジを始め様々な色のアデュラレッセンスが出る。アデュは青だけを指す言葉かもしれませんが、これは「シラー」とは違う。ムーンストーン独特のオーロラ光なのですね。動画はこちら

さらにさらに、新宿紀伊国屋の東京サイエンスさんで、もっと透明でインクルの少ない「アンデシン・ラブラドライト」が出ていた。高かったけれど、もうたまらずに購入。
いや、これはすごい。透明な中に青。緑、気、橙、深紅の幻光が舞う。


動画はこちら

これまで、レインボー・ムーンストーンというのは見たことがありましたけど、それは白濁した石で、表面に虹が光るもの。きれいだけれど大人しい。そういうものとは全然違うのですね。

かくして、ブルー版、レインボー版の「透明ムーンストーン」に、すっかり虜になったのでした。

     *     *     *

ムーンストーンという名称はえらく広いもので、前にもごちゃごちゃと書きましたが、整理すると、
①長石
②半透明ないし透明(色は不問)
③シラー(ないしアデュラレッセンス)が出る(色は不問)
という条件を満たすものは何でもそう呼んでいるのが現状。

①ムーンストーン長石にもいろいろあって、サニディン(カリ長石)、ペリステライト、アンデシン、ラブラドライト、オリゴクレース(以上斜長石)などが知られている。本来はカリ長石のものを指すが、拡張されている。見た目では区別できない。
②石自体がピンクやグリーンに染まっているものもある。まったく不透明なラブラドライトはムーンストーンとは呼ばない。しかしカレリア産のベロモライト(オリゴクレース)はほとんど不透明だがムーンストーンに分類されることがある。
③シラーがブルーのものをブルームーンストーン、複数の色のものをレインボー・ムーンストーンと呼ぶ。透明で金色のシラーが出るラブラドライトをゴールデン・ラブラドライトと呼ぶこともある。
ロイヤルブルー・ムーンストーンは、スリランカ産のカリ長石で青いシラー(アデュラレッセンス)が出るものを指すのであって、他のものをそう呼ぶのは正しくない。

面倒ですな。まあ何でもムーンストーンで結構だけど、逆に「透明」のものはムーンストーンとは別のものとして扱うほうがいいのではないかしらと思う。断然違うから。

     *     *     *

ムーンストーンの色光は、(おい、そんな言葉ないぞ) 透過光ではない。基本的には、長石の中にある、成分の異なる薄い層に当たった光が、干渉を起こして色光を発する。だから反射光なのだけど、透明なムーンストーンの色光は、単純な反射光ではない。これがミソなのですねえ。
中にある層が透明なので、見えない。だから、ある箇所が反射しているという感じがない。どこからともなく生まれた色光が石全体を染めるように見える。

水晶など透明な石の内部にあるクラックが作り出すイリデッセンス(虹色の光)とは違う。
オパールの遊色とも違う。
どちらも、普通はない色光を作り出すけれども、その光っている場所がはっきりしている。そして石全体を染めるということもない。まあオパールは詳しく知らないから、断言はできませんけど。透明なウォーターオパールなんかだと違うのかもしれない。

なんかこう、幻の色光なんですね。どこから、どうやって生まれるのかわからない。それが広く拡がる。コーネルピンの透過光変色もそういう感じがしますけれど、もっと強く輝く色光。


     *     *     *

ぐだぐだと書いてきましたけど、この「透明長石虹色光」は、なんか特別なもののように思えるんですねえ。
だから、「レインボームーンストーン」とは呼びたくない。白濁していないから。
「レインボーラブラドライト」も違う。透明だから。アンデシン・ラブラドライトかもしれないし。
で、表題の「ウォータークリア・レインボー・ラブラドライト」になったわけ。もっと正確に言うなら「クリア・レインボー・フェルスパー」かな。

アイオライトやコーネルピンにはいささか申し訳ない気もするけど、あちきにとっては、現在のところ、一番の石。石を知らない人に持ってる石を一つだけ見せなさいと言われたら、これを見せるかもしれない。
あちきは同じ種類のものをいくつも集めるという嗜好はないのだけれど、クリア・ムーンストーンは、いつの間にかたくさんになってしまった。


レインボーもいいけど、ブルーはやはりいいです。


これは少し濁りやクラックがあるのだけど、その分、大きくて発光はド派手。


右上二つは原石。ぎんぎらのものとおとなしいもの、両方ともいい。

あくまで個人の嗜好ですけど、無色透明のムーンストーンは、青色も七色も、いいですよお。
それほど高いわけではないし。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿