前々記事と同じくガネーシュヒマール産の水晶。同じくパフェさんから。
「ゴールデン・ヒーラー」。Hindung, Dhading Dist. Bagmati Pradesh産。
《ネパールとチベットの国境にある7000メートル級の連峰、ガネーシュヒマールの麓で採掘された有名なガネーシュヒマール水晶の中でダーディン郡ヒンドゥン産の水晶です。
本品は褐鉄鉱に染まったゴールデンヒーラー型の水晶でマイカなどの影響で美しい照りがあります。また、水のように透き通った透明度が素晴らしいポイントです。
ネパール産水晶は同国の輸出管理が厳しく採掘コストも上がっているため最近では高騰し流通量も激減しています。》
「ゴ……」の定義というのはよくわからない。赤系のキラキラした皮膜があるものっぽい。まあ「パワーストーン」系の言葉のようですね。
名前はともかく、魅力的な色と輝きです。
もう一つ、同産地の無色水晶。おまけにいただいたもの。
なんか姿がとても美しい。取り立ててすごいというものではないけれど、それなりに味があっていいですねえ。
兄弟水晶なのに片方は横の条線がくっきりでもう一方はつるつる。どうしてこういう違いができるのでしょうかね。(細けえなw)
産地のガネーシュ・ヒマールというのは、カトマンズのすぐ北側に位置するヒマラヤ連峰の一部。あまり有名な峰はないみたい。行ったことはないけどネパールには若干思い入れがあるので、ネパール産水晶をゲットできたのはほのぼのと嬉しい。
ヒマラヤ水晶というのは、なかなか難しい。どこまでがヒマラヤだよ、とか、産地の特色というのはあるのかないのか、とか、産地偽装は心配ないのか、とか。詳しい記事はこちら。
ややこしそうだし、無色水晶には足を踏み入れるつもりがなかったので、集めてはいない。
前記事でちらりと書きましたけど、ヒマラヤ山脈というのは、よく知られているように、インド亜大陸とユーラシア大陸が衝突して盛り上がったもの。割合新しい時代の形成で、今もかなりの勢いでガンガンとせめぎ合っているらしい。
で、途中にあったテチス海が消滅、その海底にあった上部地殻が盛り上がったので、ヒマラヤの高峰には貝の化石が埋まっている。奇妙ですね。
で、なんでそんなところで水晶が出る? その水晶たちを作った熱水はどこから来た?
あちきら日本人は沈み込み帯の上に暮らしているから、マグマから派生した熱水が割れ目や空洞に入り込んで、そこで水晶ができるというイメージを持ってしまう。
しかし、大陸が衝突しているヒマラヤにはプレート沈み込みやそれに伴う火山活動はない。
とすると、この熱水は、大陸衝突の高圧条件でできた変成岩から生まれたということになるのだろうか。前に書いた「変成性熱水鉱物」ですね。
マグマ主体の「玄武岩→安山岩→花崗岩」というルートではない、変成岩由来の「水成鉱物」もある。ヒマラヤ水晶はその象徴と言えるかもしれません。