貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

疑惑の石「ブルー・アイス」or「グレイシアライト」

2024-04-19 21:23:06 | ややレア

前から気になっていたけど、ヤフオクで比較的安価で落札できそうなのがあったのでポチっ。
さあて。



ここ数年で出回っている石。サンメリーのミネラルショーで紹介され注目されたとか、インドネシアのセラーからセールスがあったとか。

名前はいろいろ。
①「ナカウライト」と現地人は言っているとよく言われる。しかし「ナカウライト」などという鉱物はない。「ナカウリアイト=中宇利石」のことか。銅の炭酸・硫酸塩らしいけどちょっと組成がはっきりしない石。ううむ。それはなさそう。
②「ブルー・アイス」。まあ商品名ですね。カクテルですか。
③「グレイシアライト」「グレイスライト Glacerite」 榎本通商さんのサイトの商品説明には、H&E社のロバート・シモンズ氏による命名とある。「グレイシアライトは、瞑想の深さと力を高めるために重要な石です」とのこと。

で、果たしてこの石は何なのか。
①インドネシア・ジャワ島のムラピ火山付近で出る溶岩性の新発見鉱物。
②スラグ、鉱滓。ジャワ島ボゴールで産出。ないしはそれに準ずる人工物。

これをめぐっては、ツイッターの「青と風景の石コレクター まき@penguin_mineral」さんが何度かツイートされています。「最近は、粉末X線解析の結果を公表してくれた業者さんがあり、重金属を含むアルミナであると正体がわかりつつある」ともあります。

ツイッターでは優勢意見だったので、「かなくそ」ないし「産業廃棄物」ですか、と思っていたのだけど、妙に美しくて、姿も天然石っぽいから、持ってみたくなったのでした。
とにかくきれいなんですねえ。明るい、透明度のある青。
強い光だといっそう鮮やか。



上面はこんな感じ。火山灰みたいな感じ。



この青はなかなか耽溺できる。

この穴ぼこは気になりますね。スラグ説を補強しそう。

しかし結晶もちゃんとある。



平らな結晶面の模様はちょっと長石みたい。

スラグに結晶が出る? うーむ。スラグ鉱物の一つにスウェディッシュブルーがありますけど、結晶はないですね。
これ見て、スラグ説がちょっと揺らいだのです。
それとも「人工」の技術が上がって、こういう結晶も作れるようになった?
アルミナは Al2O3。コランダムと組成は同じ。しかしアルミナの結晶なんて見たことない。
ミョウバン? 一般的なミョウバンはカリミョウバンで、AlK(SO4)2・12H2O。これなら結晶ができる。しかしミョウバンの硬度は2。これ、そんなに柔らかそうではない。ミョウバンならお湯に溶ける。欠片を取ってやってみるか。
ソーティングに出してみればいいのでしょうかね。でもこういうのはどこがやってくれるのか。けっこうお金が掛かりそう。
肝心の採掘者がはっきりと事実を開示してくれればいいのですけど、まあ……インドネシアねえ……

正体は相変わらず不明ですけど、とても美しい石です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿