貧乏石好き

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愛知県新城市産中宇利石

2023-06-25 20:38:17 | 国産鉱物

中宇利石(なかうりせき)。ナカウリアイト(Nakauriite)。
愛知教育大学の鉱物学者鈴木重人などにより、愛知県新城市の中宇利鉱山で発見され、1976年に発表された日本産新鉱物。

日本で新発見された鉱物で、IMA承認のお墨付きだというのに、なぜかあまり有名でない。ヤフオクでいくつか出ていて初めて知った。なんででしょう。(君が無知なだけじゃない?)

組成が未確定のようで、最初は
(Mg,Ni,Cu)8(SO4)4(CO3)(OH)6・48H2O
とされたけど、
(Mg3Cu2+)(OH)6(CO3)・4H2O
が最新説らしい。mindat には
「Cu8(SO4)4(CO3)(OH)6・48H2O 微量の Mg、Ni が含まれる場合がある」
とある。Mg や硫酸基が必須なのかどうか、微妙。組成が確定していないのに「承認済み」とはこれいかに。
比重は2.39。直方晶系。オーストリア、アメリカなど各地で出る。

銅の二次鉱物で、青針銅鉱あるいは炭酸青針銅鉱(シアノトリカイト/カーボネイト・シアノトリカイト)(Cu4Al2SO4(OH)12・2H2O/Cu4Al2(CO3,SO4)(OH)12・2H2O)に近い。青針銅鉱はアルミニウム、中宇利石はマグネシウムでニッケルが時に加わるという形。

ああめんどい。

色は明るい青緑で、青針銅鉱とテイストは近い。針状結晶を作るところも似ている。
ただ、結晶が小さい。オジジの老眼では見えないし、震える手では写真もうまく撮れない。







銅の二次鉱物はアタカマ石を始め、こうした微結晶のものが多い。透明度もあまりない。中宇利石が人気がないのもそのあたりのところが関係しているのでしょう。
けど、この青はすごく美しい。ナカウリアイトもシアノトリカイトも、も少し広まっていいのではないかしら。

 


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