貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

アンブリゴナイトとトリプライト

2023-02-25 20:44:22 | ややレア

東洋ルースさんで買ったレアストーンのルース。

アンブリゴナイト。LiAl(PO4)F。リチウムがミソのリン酸塩。
主に花崗岩ペグマタイトでできる。同グループにモンテブラサイト、LiAl(PO4)(OH) があって区別が困難なのでだいたい併記される。モンテブラサイトは例の「モンブラ石」ね。腹立つ名前。
つまりはアンブリゴナイト/モンテブラサイト=LiAl(PO4)(F,OH)。

この (F,OH) というのはけっこう見かける。何なんですかね。
 クリーダイト Ca3Al2F4(OH,F)6(SO4)・2H2O
 トパーズ Al2SiO4(F,OH)2 (OH のものがインペリアルトパーズ)
 アパタイト Ca5(PO4)3(F,OH)
 ベスビアナイト Ca19(Fe,Mn)(Al,Mg,Fe)8Al4(F,OH)2(OH,F,O)8(SiO4)10(Si2O7)4
 チャロアイト K(Ca,Na)2SiO10(OH,F)・nH2O
 カールトナイト KNa4Ca4Si8O18(CO3)4(OH,F)・8H2O
 アポフィライト KCa4Si8O20(F,OH)・8H2O
 ズニアイト Al13Si5O20(OH,F)18Cl

ペグマタイト晶洞から出るのは主にモンテブラサイトで、大きな結晶になることもあるけど、アンブリゴナイトは希少とのこと。
つか、もう名前一つにしちゃったらどうだい? トパーズだって分けてないじゃん。(暴論w)
主に無色透明だけれど、含有物によって微妙な色に染まる。薄青は人気らしい。

前からちらほら見掛けていたけど、高いし、無色透明だとちょっと詰まらないし、と思っていた。
こやつはなかなかいい色合いをしている。で、お手頃値段なのであわあわとゲット。(別にあわあわせんでもいい)
で、家に帰ってよくよく見ると、これ、方向変色する。「多色性」「光学的異方性」ね。
この写真は緑になっちゃってるけど、淡ーいブルーグリーンが基本色で緑、黄色、そしてラベンダーっぽい色も揺れる。コーネルピンほどではないけど、なかなかの「プレオクロイズム」なのです。素晴らしい。
こういうのはネット写真はもとより、店頭でちらりと見るだけではわからない。原石だとさらにわかりにくいかも。意外な発見で、買ってよかった。
写真は、あちきには無理。小さいし、ころころ転がるし、ピンセットではさむとすっぽーんと宇宙飛行するし。微妙な角度での色を捉えるなんて不可能。
コーネルピンと同じように回転台に乗せて動画を取ろうとしたら回転台が壊れていた。さすが破格値中国製、1年も持たなかった。爆発しないだけましか。

     *     *     *

もう一つはトリプライト。mindat には「Mn2(PO4)F」とあるけど、「(Mn,Fe,Mg)2PO4(F,OH)」という説もある。
あれ? アンブリゴナイトのリチウム+アルミをマンガンにしただけじゃない。
知らなかった。つか、買う時は名前はおぼろげに知っていたけどどんな素姓の石かは知らなかった。
要するに、共にリン酸塩含水鉱物、ただし水酸基はハロゲンと互換、ということ。
リン酸塩鉱物は多くが含水で、美しいものが多い。こちら

こちらはいかにもマンガンらしく少しオレンジっぽいピンク。見た目は写真よりもう少しピンク。

方向変色は見られない。単斜晶系だけど。
けどなかなか独特の色で美しい。
トリプライトはアンブリゴナイトより稀産みたい。美しい結晶はほとんど出ない。これも0.15ctとちーさーい。

こういう珍しい石をお手頃価格で楽しませてくれるのだから、プチプラ・ルースはありがたいものです。


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