■まつすぐが好きでそれでも心太
■腦内にひらめき消えし何事かすでに覺えず知りたし知りたし
■螢もし身ぬちにあらばわが狂氣
■戰場にありたる命をながらへて父よ苦しき日常なりけむ
■夏帽の數だけ歳をとる戰後
■開戰の理由はつねにあとづけでまづ戰爭のあるのが歷史
■帽捨てて禿頭花のごとき夏
■三發目その原爆が恐ろしとただアメリカにひれ伏す國あり
■生きてゐることもしばらく夏休み
■戰爭は草のつるぎに草の實の彈うちあひて日の暮るるまで
■誰か火をつけて逃げゆく油照り
■この星の主はあるいは地中なる土龍ならずや地上の暑さ