チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

チコの小説連載中!完結作は「でじたる書房」より電子出版!本館「ポエムの庭」へはリンクでどうぞ!

ADHDとともに「君の星座」第8章 箱が開く その7

2013-11-29 19:24:41 | ADHDとともに「君の星座」
 悪夢も見ながら寝て過ごして三日・・・ようやく熱が下がった。よかった、間に合ったよ。次の職場の初出勤に。
 週が明けて、八月。ハルカちゃん、今日から出勤ですか?ええ、はい。おじいちゃんに、解雇されて転職なんてことはとても言えず。
「ま、前よりはゆっくりだしよかったわね。・・・ハルカ!そんな服で行くの?」
「だって、上から白衣だよ?」
「それでも!もうちょっとましな服あるでしょ?婚活に買ったワンピースもあるのに!」
「何でそんなの着なきゃいけないの!」
「まあまあ、上手に汚い服でいける職場ばっかり探してくるわね!」
何を!・・・あ、バスが来る。
「遅れる!行って来ます!」
 午前八時。ブロロロロ・・・むちゃくちゃ頭にきた!服装、服装、服装!中学からずっとそればっかり!なら、何で私服校なんかに入れたんだよ!
『いい?これからは、普段から仕事以外のことは一切考えちゃ駄目よ。仕事の往復中もバスの中でずっと仕事のノーと読むこと!パソコンは開けないで。ブログも辞めて。それでお金稼いでるわけじゃないんだから!』
 午前八時半、新しい職場に到着。まだ、シャッター開いてない。早すぎたな、仕方ないけど。よいしょ・・・なるべく日陰に腰を下ろした。ギギギギ・・・
「おはようございます!よろしくお願いいたします!」
「はい、どうぞよろしくお願いします。じゃあ、入ってください・・・」
今度の奥さん。私より背が高いすらっとした人で。
「休憩室はないので・・・このロッカー使ってください。白衣はここに・・・」
今度こそ失敗してはいけない。些細なことでも全てノートに書き付けていく。
 その後から、
「タケダです。」
私よりちょっと若いの女の子。
「フクイです。」
顔立ちが整った綺麗な人、主婦でもう子どもが高校生なんだって。
「オノダです。」
ふっくらとした女性。そんな歳に見えないけど、もうお孫さんが出来るんだって!
「受付はツキシロさんを入れて四人です。あと、看護師さんのイチイさん。」
 院長、奥さんで七人。ずいぶんこじんまりした医院だな。
「では、まず掃除からいいますね。」
タケダさんから。
「はい、よろしくお願いします!」
今後、絶対失敗しないように!掃除道具を持ちながらミニノートにボールペンでしっかり書き込んでいった。