チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

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ADHDとともに「君の星座」第7章 断ち切れない鎖 その22

2013-10-20 19:26:17 | ADHDとともに「君の星座」
 あーあ、疲れた・・・ガタン、ゴトン!
「終わったからいいけど、嫌そうな顔しないの!」
お母さんと婚活の会に行ってたんだ。その帰りの電車の中。受け付けない衣服、化粧にももう、疲れ果てた。
「ハルカも、そういう格好していたら綺麗なのに。」
また始まった!
 結局、身上書を交換できたのは三人。これをお父さんとも一緒によく読んでよく考えて、誰と交際を申し込むか考え酔うって言うわけ。
「おかえり。どうだった?」
「うん。まあまあ。ハルカもなかなか前向きだったわ。」
いつもの肌に馴染んだ服に着替えて、化粧も落とす。おじいちゃんはもう寝ているし、リビングのテーブルで話し合いすることになった。お父さんが書類に目を通してる間、ずっと冷や汗がにじむ。
「うん・・・この人は勤めてるところがしっかりしてる。この人はいい学校出てる。」
「会えそうな人、いるかしら?」
「どれもいいと思うぞ。」
「ハルカ、一人でも会ってみない?会わないと、何もわからないわよ。ほら、この人とか!」
「えー!嫌だよ、こんな趣味の人!」
「何言ってるの!趣味と結婚しないんだから!会いなさい!」
 こんな感じで、婚活のたびに大喧嘩。これだけでも傷つくよ。
「親の気持ちも考えなさいよ!」
わかってる!親だっていつまでも生きていないことも。だから、私だって自立を目指してがんばっている。気が乗らない婚活をまたやってみるって同意したのも、そのため。・・・だけど、結婚って本来めでたいことのはずだよね?それなのに、うちの家はどうしてそのたびに大喧嘩になるの?
 仕事納めの後は、家の大掃除に正月準備。大きなゴミ袋を持ってきて、
「はい!私の部屋は終了。次、どこか掃除しておこうか?」
「そうね、じゃあ、和室の掃除機かけてくれる?それよりハルカ、あの大量のぬいぐるみ、ちゃんと片付けたの?」
片付けてはいない。綺麗に飾りなおした。だって、私の大切な友達みたいなもんだもん。そこに、ピンポン!
「ただいま!」
ナオキだ!
「お帰り!元気にしてた?」
よかったよかった。お父さんにお母さんにおじいちゃん、そして、ナオキが帰省して。私も職がある状態で年を越せる。これほどに幸せな年末って、ないと思う。