1ヶ月ほど前の話になりますが、ベトナムの旧正月。
サバイバルな旅行に出かけました。
まず、大晦日の前日、ホーチミンへ飛びました。
そこで1泊してから翌朝、チャーターしたバンに乗り込み陸路約7時間、カンボジア国境の町チャウドックへ!
バナナの木やココナッツの木が生い茂る、南部のトロピカルな景色を楽しみつつ進みます。夏の日差しがまぶしい。
途中、フェリーに乗ってメコンデルタを渡ること2回。
そしてついに到着。
ビクトリアチャウドックホテル。
バスルームに置いてあるアメニティもかわいい。
ホテルに到着するとハノイのオーストラリア大使館公使に遭遇。
彼女はカンボジアからメコン川を下り、チャウドックへ到着したそうで、私たちとは逆のルートでした。
まずはメコン川が眼前にあるプールサイドでのんびり。
私たち以外は西洋人客ばかり。
まだチャウドックは日本人やその他アジア人観光客にはあまり知られていないのでしょうか。
夕方、プールサイドでお正月料理、Banh Tetのクッキングデモンストレーションと試食が行われました。
Banh Tetとはもち米の中に緑豆と豚肉を入れて巻き寿司のように丸く丸めたものを蒸して作るお料理です。
地元のピクルスやお茶とともに、ついつい3個ぐらい食べてしまいました…。
日が暮れてから、ご飯を食べに町へ繰り出しました。
チャウドックはとても小さな町ですが、この日は大晦日なので川沿いの遊歩道でドラゴンダンスなどのパフォーマンスをやっていたり、出店が出ていたりして大勢いの人出でにぎわっていました。
ガイドブックに乗っていた中華料理を食べたかったのですが、その日は閉店。
仕方なく市場のほうまで行き、路上のお粥屋さんでお粥を食べました。
そして帰り道に焼きバナナを購入。
夜は10時から花火があるというのでそれまで時間を潰していたら、7時間の車移動の疲れが生じたのか、私以外全員ダウン。そのまま起きませんでした。
で、仕方なく私一人だけ外まで花火を見に行きましたとさ。
チャウドックで年を越し、元日もまた早起きして出発。
行き先は・・・・カンボジア!
ホテルの裏手から出発するスピードボートに乗ってメコン川をあがっていくのです。
さぞかしボートが揺れて船酔いするのでは?と心配していたのですが、まったくそんなことはありません。
田んぼや水上集落など、川沿いに流れる景色を楽しみながら進むこと約5時間。
カンボジアが見えてきましたよ!
その前に、まずは一旦陸地に上がりベトナムの出国手続きを。
国境の看板。
ガイドさんが必要書類を持って建物の中へ消えていきます。
私たちはただ外で待っていればいいようです。
すかさず物売りの子供たちが寄ってきて、「冷たいジュースはいかが?」「お土産はいかが?」とセールスを始めます。
その中に10歳ぐらいの女の子がいましたが、しっかりと化粧をし、マニキュアを塗り、服装もケバ目。
国境地帯だから怪しい商売をしているのか、それともお正月だから単におしゃれをしているのか不明。(まさか本人には聞けません…。)
さて、またボートに乗り込みほんの十数メートル進んだところで再び上陸。
今度はカンボジア側の入国審査です。
この日カンボジアは旧正月ではありませんが、国境地帯ということもあり文化を共有しているのか、おめでたいお飾り&お供えがありました。(丸焼きの豚とか)
え~、入国審査もまた青空審査。
ビザ代を取られましたが、あきらかにガイドか審査官のポケットへ入ると思われる余分な額が上乗せ…。まあ、お正月だし。。。
無事にカンボジアのビザと入国のはんこをもらい、さあ、ついに入国しました!
プノンペンはまだです。
さらにボートに乗り首都をめざします。
そしてプノンペン到着。
トゥクトゥクに乗り、ホテルへ。
高級ホテルなのでウェルカムドリンクも象さんのカップに入っていてオシャレ。
残念ながらここのホテルも1泊だけです。(毎日移動を繰り返す私たち)
プノンペンはハノイと比べて交通量も少ないし、みんなめったにクラクションも鳴らさないのでわりと静かです。
町の中心部はきれいに舗装されているし、資本主義国なのでファストフードショップやガソリンスタンド、カフェなども先進国を思わせるオシャレなもの。
やっぱ社会主義国とは違うわ~。なんか都会の香りがする。
それでもやっぱり大通りから1本外れるときちんと舗装もされておらず、トゥクトゥクに乗っていてもかなり埃っぽさを感じます。
すぐ隣の国なのに民族的にも結構違う。
また、カンボジアの女の子はたとえジーンズをはいていてもバイクの後ろに乗るときは横座りをすることを発見!んまあ、エレガント!
ベトナムだと思いっきりまたいで座っています。
プノンペンには中華系の人たちが多いので、旧正月で閉まっているお店もたくさんありましたが、営業している中華料理店を見つけランチに。
トゥクトゥクを1日借り切って、あちこち観光もします。
もちろんカンボジア語は分かりませんが、便利なことに同行しているMさんが中国語ができるので、中国語でお店の人と会話成立。パチパチ~。
腹ごしらえをした後は、ちょっとまじめな観光からスタート。
向かった先は「トゥールスレン刑務所博物館」
ここは元々高校だったのですが、ポルポト時代にクメールルージュによって捕らえられた人たちが投獄され、拷問を受けた場所です。
1階の教室の一つ一つが独房になっており、そこに当時使われていたベッドと拷問器具が置かれ、壁には惨殺された人の写真が飾ってあります。
2階にもおびただしい数の犠牲者の写真があり、身が凍る思いでした。
運動場の片隅にある鉄棒も拷問に使われていました。
そして、ポルポトによる規則が書かれた看板にもぞっとさせられます。
「私から質問されたら即座に答えろ」
「鞭打ちや電気ショックを与えられても声を出すな」
「命令を受けたらただちに実行しろ。質問や口答えは認められない」
というような感じのルールが延々と書かれています。
そしてルールに従わないものは鞭打たれるか電気ワイヤーにかけられます。
ハノイにも「ホアロー収容所」という、同様の博物館があるのですが、うちのアパートはまさにその収容所跡地に建っており、従って「幽霊が出る」ともっぱらのうわさです。
ヨーロッパでのホロコーストがあっても、アジアでのキリングフィールドがあっても、なぜに人類は同じ過ちを繰り返してしまうのかと考えさせられます。本当に。
深刻に考えた後は気を取り直して王宮の見学に。
きらびやかな世界。
宝物殿などに飾られている数々のものは、もちろん触ってはいけないのに、中国人団体客がベタベタ触って行きます。
ガイドが率先して「ご利益あるから触って下さ~い」などと言っています。
こらっ!
そのうち世界の観光地から中国人全て締め出されるぞ。
観光後、市内のマーケットをぶらつき、足裏マッサージなどを受けてから夕食へ。
今度もまたガイドブックに乗っていた店に行けず(探したけど分からなかった)、餃子のある中華料理店へ。
ここでもまたMさんの中国語が大活躍。パチパチパチ~。
途中、トゥクトゥクの運転手は私たちに引きずりまわされ、さらには車の調子も悪くなり、かなり凹んだ顔をしていたのですが、別れ際に多めに料金を払うとぱあっと顔が明るくなりました。
心境が素直に表情に出る人です。
気に入ったので翌日空港まで行くのも同じおじさんにお願いしました。
まだクメール料理は食べていませんが、中華料理はなかなかイケる。
中華料理屋さん一杯あるし、思ったほどプノンペンの治安も悪そうでもないし、ベトナムに住んでるとカンボジアもそう変わらないし、「ここなら住める!」と思いました。
(というより、「プノンペン駐在したい!」とさえ思いました。)
さて、翌朝。
またもや早起きをしてさっさと移動です。
プノンペンの空港はハノイの空港より断然オシャレ!
売ってるおみやげ物も買いたくなるようなもの置いてる!
コーヒーショップの店員が愛想良く笑顔で"Good morning"とか言ってくる!
はて、ここはアメリカかいな?
社会主義国から出てきた田舎者には何もかも新鮮です。
さあ、前置きが長くなりましたが、ここからが旅の本番と言っても過言ではありません。
これから私たちはシェムリアップに向かうのです。
そう、今回の旅の目玉はなんと言ってもアンコールワット!
<つづく>