緑の街の水先案内人

都城市で緑の街の水先案内人として移る日々を写真と日記で綴ります。

情念の世界へ

2012年11月27日 18時27分14秒 | twitter
11月27日(火) 


 何とも人は体の不調を抱えても、本人の気になる最大事件でありながら、医者の門を叩く事が億劫になりがちです。それが凡人の常であります。最近、左側後頭部がときおり鈍痛に見舞われるようになりました。思い当たる事と言えば、一ヶ月前の早朝に交差点で横断歩道を渡っていた折り、右折の小型車が歩行者がいるのに突っ込んできました。とっさの事とて、一メートル程の差で小型車をかわしました。瞬間の動作で体の筋肉が無理をして、その後に肩と左側後頭部に筋肉痛を覚えるようになり、整骨院へ一週間通院して、どうやら痛みも無くなりました。

 思い出せば、左側後頭部の鈍痛はその痛みが復活したのか、それとも頭部の変調が発生したのか、何とも密かな悩みとなりました。昨日は暗礁に乗り上げ行き詰まっていた仕事が、午前中に明るい兆しが見えて来ましたので、その勢いで最近開院したばかりの脳神経外科クリニックへ診察に出掛ける事にしました。愚妻の申すには最新型MRIが設置されており、診断結果が一時間も掛からないとの弁です。

 都城市の特徴として、県庁所在地でも無いのに、病院が多いという評判があります。市民のウワサも早いもの、新クリニックへ出向いて見ますと、医師の問診後、さっそく新MRIに寄る検査に移ります。時間にして十五分程度か。主任医師により検査結果を影像で説明があります。頭内部の状況が三方向から撮影されており、なるほど、これだけの角度から撮影しますと、在来型MRIより患部の発見は容易で有ることが理解できます。結果は異常なし。血管および脳細部の不具合一切無しです。今までのモヤモヤ気分が一変で吹き飛びます。何故ならば、医者と一緒に自分の頭内部を観察するわけですから、その結果異常なしで、リアルな現実が最新影像で目の前にあり、これ以上に疑う余地がありません。

 この異常なしの開放感、値千金と言いますか、鈍痛がさっぱりと消えております。どういう訳だ!検査前は脳梗塞もしくは脳血栓の予兆かなと内心では思ったくらいですから、この晴れやかな現実は天が与えたプレゼント。軽やかな足取りで帰社します。待ち受けていたものは、訃報の知らせ。かって県協会理事のOB仲間で親睦会を立ち上げて、懇親を暖めていた同業の会員です。何気なくながめたファックス紙ですが、名前に焦点が合うのに数分かかります。

 そう言えば、本日は仏滅の日、友人が悪病を一緒に担いであの世へ旅だったのかと一瞬思います。何か申し訳ない事をしたような気分になります。この気持ちはひょっとして情念の世界!通夜が夕刻より始まると知らせには記載してあります。愚妻を伴って、最後の別れに出向く事にしました。斎場まで高速道路をマイカーで一時間の距離。通夜前の斎場には奥様と僅かな身内しかおられません。祭壇には笑顔の遺影が飾られてあります。享年をお尋ねしますと、まだ五〇歳代なかば、もったいないの一語。ひょっとして左側頭部の鈍痛が消えたのは、故人の余命を頂いたのか?仏滅の日とは、情念世界への入口なのかと、ふと思いました。


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