精神機能と能力開発:心理学―教育学―社会学

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指導のスキル、初心者の場合 ~職業の顔と一人二役~

2014年12月15日 | 臨床指導のコツ
指導のスキル、初心者は何を目標にしたら良いのか?

(1)ロジャースの3原則、バイステックの7原則
これらは究極の目標であり、職業キャリアを通じて目指すべきもの。
初心者がこれらすべてを直ちに習得することは、現実的に不可能。
もし、初心者がこれらの原則を文字通り実行しようとすると、上手くいかないことが多い。
それでは、初心者は、当面は何を目標にしたら良いのか?

(2)職業の顔
初心者は、当面の目標として、「普段の自分を見せない」「職業の顔を身につける」ことを心掛けるのが現実的。
これは、クライエントを不安にさせず、信頼されるだけの職業的な意識や態度のこと。
自分の人間としての本来的な善意や真心で接するというよりも、(もちろん、それは理想として目指していなければならないが)
当面は、普段の自分を見せないことを心掛けるべき。

(3)一人二役
指導者には、厳しさと優しさ、一人二役、どちらも必要。
厳しいだけ、力で押さえつけるだけでは、一時的に上手くいったようにみえて、実際は内心の不満や反発を買う。
優しいだけ、物分かりの良いだけでは、甘やかしてダメにする。また、共感や受容だけでは通用しない場面にも、必ず遭遇する。
厳しいのか優しいのか、曖昧で良く分からないのも、まずいやり方。うやむやで、馴れ合いを生む。
厳しさも優しさも、相手のためを思っていれば、指導効果が生じる。褒めなければならない、叱ってはいけない、ということはない。相手のためを思っていなければ、誉めても指導効果はない。

(4)初回で仲良し
初回の指導で、ラポール(信頼関係、仲良しになる)を築くことは可能。ラポールに手間取ってはいけない。
初回の指導でラポールができないと、子どもの保護者は失望して次回から来なくなることもある。成人のクライエントでも同様。
また、心理検査は一回限りの出会い。その一回でラポールができないと、被験者は緊張してしまい、本来の能力を発揮できず、検査結果が低くなる。

(5)長く続ける
自分の指導スタイルができるまで、少なくも3年かかる(石の上にも三年)。
それを10年続けると、自分の仕事が自由にできるようになる(桃栗三年、柿八年)。

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