jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
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君はこの国を好きか/鷺沢萠 新潮社

2006年11月14日 | 読書
在日三世の大学生が主人公の「ほんとうの夏」と、
鷺沢さん自身の韓国留学体験が元になっていると思われる「君はこの国を好きか」の2篇が収録されている。

飛行機から降りてすぐわかるその国の匂いがある。
アメリカは洗剤のような人工的な匂い。
日本にあるアメリカ米軍基地でも同じ匂いがする。
ドイツの匂いもあったような気がするが10年以上も前のことなので覚えていない。
台湾は中華料理に使われる八角のような香料の匂い。
空港だけでなくデパートや本屋に行っても同じ香辛料のような匂いがするので、
慣れるまで頭がクラクラした。
以上が自分の数少ない外国の匂い体験。
日本はしょうゆや味噌の匂いがするらしいが、
長年日本で生きているだけに麻痺しているのでよくわからない。
ラモス瑠偉が来日したてのころ、その匂いがイヤでイヤでたまらなかったとか。
わしは韓国に行ったことがないけれど、この本によるとやはりニンニクベースの匂いらしい。
「君はこの国を好きか」の主人公は、日本にいるときは平気だったニンニクの匂いが、
韓国では我慢できなくなり拒食症になってしまう。
もちろん匂いそのものだけでなく、韓国社会に対するカルチャーショックや軋轢などでノイローゼにかかってしまったのが原因なのだが。

ハングルに感電し、自分のやりたいこと・なりたいものが見えてきて韓国で留学することを決意するくだりが出てくる。
わしの場合は英語に感電こそしなかったものの、
自分のやりたいこと・なりたいものは英語に関係することである。
英語に関係しつつどのようにして食って生きていけばいいのか?
未だに答えが見つからない。
そうするには実力が伴っていないというのが最大の原因である。
一筋縄ではいかない韓国での生活に苦しみつつも、
自分に正直に生きている人がかっこよく眩しく見えるのであった。



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