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【感想】舞台版-殺人鬼フジコの衝動

2013-05-06 23:35:35 | マンガアニメ映画とかの感想
遅くなったが去る4/20、
元モーニング娘新垣里沙ことガキさん主演
「殺人鬼フジコの衝動」を観てきた。

朗らかなガキさんが殺人鬼を演じると言う興味が先行して
在籍時のコンサートから卒業のライブまで
なかなか腰が上がらなかった在宅の俺が
こればかりはなんだか凄く惹かれて、それでも初動が遅れたので
当日券頼りで当日ダッシュして無事取れた。
そうしてこの妙な期待感に応えるように実にすごい良い舞台だった。

〜あらすじ〜公式より一部抜粋
一家惨殺事件の生き残りとして、
心に傷を負った12歳の少女・森沢藤子。
トラウマを抱えながらも、彼女は新たな人生を歩み始める。

「大丈夫、私はうまくやっていく――。」

しかし、その誓いも虚しく、
次々と藤子に襲いかかるDV、いじめ、暴力。
様々な不幸によって、彼女の人生は少しずつ、
確実に、屈折していく。
やがて殺人の衝動が芽生えた時、トリガーは引かれてしまう。
人生は、バラ色のお菓子のよう……。
また一人、また一人、彼女は自らの欲望のために、
邪魔な人間を次々と殺戮していく。

〜〜

原作未読で臨んだのだがストーリーの面白さは原作基準だと思うが
各所感想を見ると大筋忠実らしい。
未見なのでどうアレンジしたのかは分からないが
舞台ならではの良さがある良い作品だった。
ガキさんはそんな殺す事でしか幸せになれない
主人公フジコを見事に演じ切っていて、
個人的に初めて見る女優の面でも強く惹かれた。

【ストーリー面】
観劇前のイメージだと殺人を楽しむキャラなのかと思いきや、
「バレない事は悪い事じゃない」と、
邪魔だからどけるように人を殺して解体しては隠蔽する。
気質か育ちか殺人へのタブーが無く殺人を繰り返すフジコは
異常なんだけど、罪の意識が無い訳じゃないのが辛い。
作中よく出る言葉「カルマ」。
巧妙な伏線は作中人物からしたら業としか言えないんだろうなぁと
クライマックスを見て思った。 

【演出面】
大筋は原作通りらしいので今回の一番の見所は演出、
文章の舞台化と言う所だと思うけど実に素晴らしい!
テーマ曲の恋するシャンソン人形のopでは
機械人形のような周りの人間のダンスから逃げるフジコが暗示的。
独白と心情をもう一人の役者が常に舞台に立つ事で
活字から舞台へ昇華してるのが面白い。
殺人と解体のシーンが劇ならではの戯画化された表現なのが
人の死を軽く見せる分、フジコの狂気を表すのにマッチしてた気がする。
映画とかのビジュアルだとグロが先行しそうって意見は納得。
その中でリミッターが外れてしまう最初の殺人は
音響や舞台の使い方で印象的なのも効いてると感じた。
最大の見せ場のクライマックスは再演を期待して語らないでおくが、
舞台ならではの見せ方だったと思うし、
これは映像化では味わえない妙味だと思った。 
演出家に脱帽。

【ガキさん面】
ガキさんは10歳からアラサーまで、怯え焦り狂気を熱演していた。
殺人シーンも心象を内面フジコが受け持つ事で
ガキさんは怒りより笑って人を殺す狂気の面が際立ってて
鬼気迫る物がある。
終盤アカペラでシャンソン人形を歌うシーンは
怖くて悲しくて圧巻だった。
結構きわどいセリフを言う濡れ場もあるよ!w

そうじて直感に惹かれて行ったがすごい良い舞台だった。
公演期間が短いのが勿体無い。
あまりに痺れたのでイメージボードを描いた。
ネタバレにはならない程度に暗示的な
舞台版フジコに刺激を受けたつもり

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