ヘルズブログ

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武装錬金ピリオド (ネタバレ有り)

2006-01-18 03:27:33 | マンガアニメ映画とかの感想
今日やっと買って読んだ。
あまり多くは書かないが
やはり本編に触れるので読んで無い人は回避して


冒頭のパピヨンの落胆とカズキ帰還の喜びが全てって感じ。
最早冗談ではなくパピヨンはもう一人の主人公であり、
もう一人のヒロインだったんだろう。

全体的にはパピヨンの食人衝動の減退、出てこない武装錬金、
ヴィクトリアの主食とか撒きまくった伏線を上手く消化した感じ。
さすが詰め込みの和月、ダッシュで拾うのは上手いw


パピヨンを殺さなかったエンドは最初疑問符だった。
血を吐きながら帰還を喜ぶパピヨン
最初の決戦と同じ構図で一瞬の決着
「殺れ 今度はしくじるな」
全てがカタルシスに満ちていてここは死ぬべきだったんじゃないか?
と正直思った。

が、感想を覗いてた所の指摘で気付いたのだが
学生のコメント「ちょっと忘れられそうに無い」→3巻カズキ
街中の「パピヨンコール」→2巻で蝶野家の人の「次郎」連呼
「もっと愛をこめて」→3巻パピ斗貴子戦
などが全て初期の暗く怒りと野望に燃えてた頃と対称になっていて、
パピヨンは世界を征服したい訳じゃなく
皆から愛される自分になりたかったと言う願望が満たされたと言う意見があり、
やっぱハッピーエンドなんだろうなと思った。

キャラはなるたけ殺さないという和月の頑固にヌルい「少年漫画」観で
神掛かった展開を何度も逃してる感もあったのだけど、
読み終えてみると、その偽善ぶりの上になりたつのが
和月作品なんだなと痛感した
「ヌルくていいじゃん?」みたいな。
週刊最終回「BOY MEETS BATTKE GIRL」で今までクールに努めていたカズキが
「誰か俺に勇気をくれ…」と泣き言を言った時にも思ったが
カズキは和月にどこか被る物がある。

パピヨンが作者がタマに語る暗い青春時代の鬱積とカッチョイズムを投影したなら
カズキは和月のマンガ家の部分を投影したような気すらする。
すると和月の結論は
「大層な偽善者振りだな」
「いいよ それで。オマエを殺すよりはずっといい」
なのだろうと思うと
和月氏もこの作品を連載すると言う激闘を生き抜いた上での気持ちのように思える。

「一部良ければ全て良し」がマンガだと思うが
やはり苦難はあっても「終わり良ければ全て良し」は気持ち良い物だ。
お疲れ様っしたーッ!!!


そして今の俺には打ち切りと言うと
G戦場ヘヴンズドアのイノさんのセリフを思い出す。
作者はすごく危うい場所からメッセージを発信してるの
全くだと思ったが、この作者とそのファンは
ナリフリ構わず這ってでもしがみ付いてでも
メッセージを送る事を諦めなかった者達である。

これは功績からの優遇などもあるだろうが
賛否両論のジャンプシステムに対する
カウンターの記念碑的存在として輝くのでは無いだろうか。
山吹色の光を放って。


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