横尾寛と平和の鳩

横尾寛と清水友陽の「平和の鳩」は札幌で演劇を検証し実践。
清水はいろいろと忙しそうだなあ。

WATER、マキニウム

2009-10-19 | 観劇した
10月に入って観たやつ、いろいろ。

◆演劇集合体マキニウムの『わが町』。作:ソーントン・ワイルダー。演出:槙文彦。レッドベリースタジオ、狭い所で、俳優5人であの劇をやる(登場人物は20人くらいいる)。だから、ひとりで何役も、という作り方。
結局、何が、この劇を特別なものにすることができるんだろうと考える。

1幕は、街の情景を浮かび上がらせるために、相当に巧みな演出が必要だと思う。シンプルな設えの中で、そういうことを求めて書かれた本だ。

「結果として、何があぶりだされてくるか」ということを蘭越の渡辺さんが言ってた。そうだなあと思う。『わが町』は、あぶりだされる、という言い方がぴったりくる。


◆WATER33-39の”水の戯れ”、岸田國士『紙風船』『驟雨』『隣の花』。
ATTIC。
いったい岸田國士というひとはいったいどういうつもりでこんなものを書いたんだと、読んだり観たりするたびに思う。女の人ってものをどういうふうに見ていたんだと。

どれも面白く、また、どれも大変難しい。『紙風船』なんかは、日曜の午後の情景を舞台美術として表せばきっとすごく面白いと思うし、どこからか先はそれが必要になる戯曲かなとも思う。いつか、そんなバージョンでも観てみたい。
『隣の花』なんて、コントのお手本みたいな本だ。こういうの、ちゃんとやれたらいいだろうなあ。設定としては、そのままエロ小説あるいはポルノ映画です。

終わって、その場所でコーヒー焼酎なんかを飲みながら話す。
赤坂さんが「アラバールのあれ、面白いね」なんて言うもんだから、また盛り上がってしまい、家に帰って急いで読み直す。


『わが町』は1930年代、岸田國士の代表作は1920~30年代。
『ゴドー』が書かれる、もっと前。
新しい、とか、進歩的とか前衛であることとか、考えさせられる。

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