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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

モスラ幼虫あれこれ その5

2010年05月22日 | 羽沢組的怪獣見聞録
PART5.各作品に登場のモスラ幼虫(4)

 昨日の続きで『モスラ対ゴジラ』に登場した「モスラ(幼虫)」の造形や特徴についてです。

■「モスラ幼虫」の発売前に(後)
 顔そのものは多くのファンが一番多く覚えている物だとは思いますが、後の平成以降の幼虫に比べればお世辞にもかわいいとはいいにくい顔です。しかし、全ての幼虫を比べてみれば、顔や身体の各部分の造形の基本になっているので、この時の幼虫が後の作品の幼虫のデザインベースになっている事がよくわかります。
 口そのものは各タイプ共ギミックで開閉が見られます。

 各タイプの実際の大きさですが、ここでのモスラ幼虫の全長は53mと設定されています。この時のゴジラは50m。
 つまり幼虫はゴジラの身長より大きくなければなりません。しかし映像で見る限りどう見ても幼虫の方が短いわけです。ゴジラの身長の3分の2から半分ぐらいにしか見えません。もしかしたら幼虫の全長の設定は、各劇中スーツの制作途中、または制作後に後付けで決められたものなのかもしれません。

 また、この双子を「オス」「メス」と決めておられるファンの方もいらっしゃるようですが、設定上雌雄が明確にされているオフィシャルリリースはありません。ちなみに雌雄がはっきり明確に設定されている幼虫は、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に登場した双子だけです。
 この『モスラ対ゴジラ』に登場した幼虫の目はライトブルーです。各作品同様に発光装置がついています。
 モスラの目は通常は青で怒った時は赤……そう思われている方も多いのではないでしょうか。その表現がされているのは『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』だけです。つまりそれ以前の幼虫ではそのような目ではないのです。
 昭和の各作品の幼虫を見て私も子供の頃はそう勝手に思っていましたのですが、都市伝説(?)なのかどこかが推測で広めたものなのかはわかりません。後でオフィシャルにそう設定されたとしても、昭和の作品ではなかった事ですので、オフィシャルの設定ではない事は確かです。アニメ『風の谷のナウシカ』に登場した王蟲(オーム)がそのような目の変化をしますが、映像表現ではモスラ幼虫より王蟲が先なのに、それを見て「モスラみたい」と思った方も多いのではないでしょうか(私もです)。不思議です。
 そして『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』で初めて見られた目の変化。初めての目の変化の映像であるにも関わらず、当然の事として自然に思えた事が今になってこれまた不思議なのです。
 余談ですが、雌雄の設定や目の変化の表現等を入れた事から、『SOS』を作られた手塚監督はゴジラを撮るために監督になったと言われるだけに、ファンの心を持ちつつ作られた方なんだなぁと今頃になって気がつきました。

▲弊社商品「モスラ 岩島戦バージョン」