Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

中島春雄さん

2017年08月16日 | 代表羽沢のG雑感
中島春雄さんのこと

 8月7日、初代ゴジラをはじめ、昭和初期から中期のゴジラ、多数の怪獣のスーツアクターを務められた中島春雄さんが亡くなられました。88歳。

 私の世代は、子どものころは中島さんの演じるゴジラを見て育ちました。
 少年期に昭和のゴジラで育った世代としては、中島さんと宝田明さんという二人のミスターゴジラは特別な存在です。そう思っているのは私だけではないと思います。
 同じようにお二人のことを特別に思っているのですが、感じ方は少し違うんです。
 うまい例えが見つかりませんが、強いて言えば、私だけかもしれませんが、宝田さんにお会いできるときは、いつも“ドキドキ”なんです。でも中島さんのにお会いできるときは、“ワクワク”なんです。
 おそらく「大好きなゴジラの動き≒中島さんの動き」とインプットされてしまっているからなのかもしれません。「中島さんにお会いできる≒ゴジラに会える」なんでしょうね、きっと。

 記憶が曖昧なのですが、初めてお目にかかったのは、何かのイベントだったと思います。まだ羽沢組でソフビを作る前だったし、書籍などのゴジラのお仕事をさせていただく前のことですから、いちファンとして握手していただいたことだけは覚えています。
 かなり前のことでしたが、厚くて固い手をされていて、力強く握ってくださった感触は今でも忘れません。「やっぱりゴツイ手だなー」と感じたものです。
 その後、羽沢組はゴジラのソフビを作るようになり、書籍でもゴジラの仕事をするようになり、ゴジラ関連イベントなどでも何度か中島さんにお会いするようになります。数種類、初代ゴジラなど中島さんの演じられたゴジラをソフビで作りましたので、そのうちのいくつかを貰っていただきましたし、インタビューなどの弊社が編集や企画に参加した書籍などでもお世話になりました。
 お会いすると「おっ」というお顔をされてすぐに手を出していただき、ほぼ毎回握手していただきました。お会いして握手していただく度に、少しずつ手が柔らかくなっていくのを感じました。晩年はとても優しく温かく包むような握手に変わってました。ゴツくて固かった手の印象はありません。単にお年を召されたからだけではないとも思っております。

 印象的だったエビソードをひとつ。
 ソフビを作りはじめてからほぼ定期的にワンフェスに参加している羽沢組ですが、生前の川北紘一監督も何度かワンフェスを訪れて、羽沢組のところに来ていただきました。いつもの大きなパネルがあるので「お前んとこは見つけやすくていいよ(笑)」ということでわりと早めにお越しくださいました。でもそのあと「●●んとこはどこだ? ××も今日出てるんだよな」と。早い話が行きたいところがいくつかあるのに場所がよくわからないので、「じゃあ案内します」「おー悪いなー」という会話になるのが恒例みたいになりました。
 あるとき、そのワンフェスで中島さんがサイン会をされている回があり、川北監督にお伝えすると「顔見ていくか」となりました。そこにお連れすると、たくさんのファンの皆さんにサインをされている中島さん。
 邪魔しちゃ悪い、という感じで少し離れたところから「ハルさん!」と川北監督が声をかけました。
 中島さんは手を止めて「おお!」と軽く手を上げて笑顔。同じように川北監督も軽く手を上げて笑顔。
 中島さんがゴジラを演じられていたときは、川北監督は監督助手などで参加されていましたし、その後も長年何度も催し物などでお会いされているはずの間柄です。
 私の勝手な思い込みだと思うのですが、笑顔と軽く手を上げた仕草だけで通じているんだな、とそのとき感じて、お二人に対して「なんだかカッコいい!」と思ったものです。

 中島さんがゴジラとゴジラファンをとても大切にされていたのは、多くのファンや関係者の皆さんがご存知かと思います。多数の作品でのご活躍だけではなく、そういった姿勢からも多くの方に愛された方だと思います。
 再録とは言え、「GODZILLA GRAPHIC COLLECTION ゴジラ造型写真集」が最後のインタビュー記事だそうです。編集中はご体調があまり良くないということを聞かされていたので、回復されたらまたお会いしたいと思っていたのですが、叶わなかったのが本当に残念です。
 お通夜で焼香させていただき、お顔を拝見しました。とても穏やかで安らかに眠っておられるようでした。
「お疲れ様でした。ありがとうございました」と声をかけさせていただきました。

 中島さんがゴジラを演じていなかったら私のゴジラ好きも違っていたかもしれませんし、今の羽沢組のゴジラ関連の仕事も違っていたかもしれません。私だけではなく、世界中のゴジラファンに大きな影響を与えた方だと思います。
 固くてゴツかった手も、柔らかく優しくなった手の感触も忘れません。
 一緒に撮らせていただいた写真は宝物です。
 たくさんお世話になりました。
 ありがとうございました。
 心よりご冥福をお祈りいたします。

最新の画像もっと見る