Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

初代ゴジラ レトロブラウンのこだわり その1

2018年03月14日 | 新作商品情報


 今日から「初代ゴジラ レトロブラウン」について、こだわったところや詳細をおしらせします。これから購入を検討される方の参考になれば幸いです。



1●撮影途中の着ぐるみをイメージした色

 皆さんは「初代ゴジラ」(『ゴジラ』1954年公開)というと、造形や色にどのような印象をお持ちでしょうか。
 私の場合、ソフビを作っていることもあって、特に着ぐるみの色がいつも気になります。
 モノクロ映画ですし、カラー写真もありませんので当時の色を探るのは難しいゴジラです。
 長いことゴジラ関連の書籍などの仕事をさせていただいているので、探る機会はいくつかあるのですが、なかなか「これだ!」という結論には至っていません。
 過去の書籍では関係者の方々の証言で、色についての印象を語られているものもありますし、近年の書籍などでもあります。が、それらを比較しても微妙に違いがあります。
 ずいぶん昔のことですから、語られている方の記憶も曖昧な部分がありますし、近年では実物をご覧になった方でもご存命の方が少なく、高齢ということもあってはっきりと覚えておられるかどうかという点では難しいところです。
「真っ黒」「グレーがかっていた」「少し青っぽかった」……etc。

 着ぐるみを作る際の原料が大きなカギになりますが、今とはまったく違う作られ方をされた怪獣の着ぐるみですから変色の課程は推測するしかありません。
 昨年「GODZILLA GRAPHIC COLLECゴジラ造形写真集」(ホビージャパン刊)の編集をしていた時に、少し調べてみたりもしました。ある程度わかれば、色についても記事の中で言明できるのではないかと思ったのですが、私の中では結論は出ませんでしたので詳しくは記載できませんでした。

 一般的にはオーソドックスな「黒」だと推測されることが多々ありますし、後々の作品のゴジラの多く(全てではありませんが)も「黒」であることは知られています。
 仮に初代ゴジラが黒であったとしても、映像で見る限り、撮影中のライティングや汚れやホコリ、炎の照り返しなどもありますから真っ黒には見えない場合の方が多いのです。数多く残っているたくさんの写真でもそうです。
 以前、VSシリーズを撮られた川北紘一監督にゴジラの色について雑談でお話をしていただいたことがあります。
 VSシリーズの時は、撮影前の綺麗な状態のゴジラの着ぐるみは「黒」なのだそうです(『VSデストロイア』を除く)。でもすぐに撮影が始まると、壊したビルの瓦礫の粉塵や汚れ、地面から舞う埃や汚れ、さらに強い光量のライティングなど、様々な理由で色が部分的に変わってしまうことが多々あったそうです。それらを隠すために、水をかけて流し、時間がないので完全に乾く前に黒のスプレーを吹き付けたりしてすぐに次の撮影に臨んだそうです。それを何度も繰り返したそうです。
 ですから撮影前とクランクアップの頃では表面は大きく変わってしまったそうなのです。そしてこのやり方は、基本的に昔(昭和の頃の現場)と変わらないとおっしゃっていました。
 長年、昭和の時代のゴジラシリーズの助監督などをされていた川北監督ですから、円谷英二監督が指揮されていた特撮の現場のやり方を踏襲されてVSシリーズを撮られた部分はあると思うのです。
 そこから推測するにあたって、初代ゴジラの頃もきっとそうだったのではないかと思うのです。
 黒で作ったあったとしても、撮影の過程でどんどん変色があったのではないかと……。(だから人によって証言が違うのもそうではないかと思います。)

 そんなことを何度も考えているうちに、Gメモリーズの初代ゴジラで「だったら撮影途中の現場の時の初代ゴジラをイメージした色」のものを作ってみたいと考えるようになりました。
 ただ、地味な色になりますし、私個人のイメージした色になりますから、なかなか商品としてはどうかと思ったのですが、やりたい気持ちの方が勝り、「GODZILLA GRAPHIC COLLECゴジラ造形写真集」の『ゴジラ』(1954年)のページの編集時には「いつかやるぞ!」と決めていました。
 今回のカラーはこれがきっかけなのでした。



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