Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その45

2008年01月25日 | 制作裏話
ミレゴジ スタンダードカラー編 Part.1

?「ミレゴジ スタンダードカラー」現在発売中です。

 昨年2月から発売を開始したミレゴジの第一弾がこの「スタンダードカラー」です。この「スタンダードカラー」は劇中の着ぐるみスーツのカラーをイメージし、ダークグレー成型でのコンセプトで企画した商品です。
 昨日も書きましたが、当初はミレゴジ第一弾としての発売はこの「スタンダードカラー」だけを考えていました。ややグリーンが入ったダークグレーを成型色として、ボディには立体的に強調するように薄らとグレーをスプレーしようかと考えていたのです。
 昨日書いた理由により、「グリーンバージョン」も同時に発売する事にしたので、このカラーリング案はやめる事にしました。「スタンダードカラー」というネーミングにしたものの、成型色はグリーンの要素を入れずにシンプルなダークグレーでいくことにしたのです。時間的に変更は間に合わなかったのですが、「グレーバージョン」というネーミングでも良かったのかもしれません。
 またこの2色同時発売と言う事で色をハッキリと区別化するために、ボディに薄らと塗る事をやめ、成型色をそのまま生かしたゴジラにする事にしました。
 そして「スタンダードカラー」の色の選択をする時に、シンプルなダークグレーならそう問題も大きくはないと思われますが、実は落とし穴がありました。
 いつも成型を発注する時に希望の色をお願いするのですが、その際は実際に存在するビニール製品をサンプルとして持っていくか、成型屋さんにあるチャートを見せていただいて選択するか、DICのカラーチャートのチップ(※)で指定するかになります。(あくまで弊社がいつもお願いする成型屋さんでのパターンです)
 希望したのはかなり黒に近いダークグレーです。発注してから数日後にサンプルで出してもらうんですが、初めはごく普通の灰色と言って良いほどのグレーでした。前に弊社で発売した「キンゴジ グレーバージョン」に近いものでした。当然希望したのとは大きな違いがありますので、もう一度お願いです。そしてまた数日後に出してもらったのはほんの少し濃くなった程度でした。
 実際に商品となった「スタンダードカラー」の色は、ですから3度目に出してもらった色なのです。それでも実は妥協で、こちらがお願いしたのはもう少し本当は濃い色だったのです。これ以上時間をかけては発売に間に合わず、各方面に手間と迷惑をかけてしまうのでこの色で行く事にしたのです。結果的にバンダイから最初に発売されたミレゴジソフビに近い色になってしまいました。
 弊社のソフビは少数生産ですので、成型屋さんや同じくそこに発注されている他社さんにご迷惑がかからないようにしたいので、いつもは(たぶん)他社さんよりは早めに発注しています。しかしこの時は2度も色を作り直してもらっているので、時間的には余裕はありませんでした。この時の事で、色の発注の難しさを改めて実感したのを良く覚えています。その後は、既成の色にないものを発注する時はさらに余裕をもって早め早めに注文するようにしています。
 続きはまた明日。

※知らない方のために…。DICのカラーチャートは大日本インキから発売されている、色を指定する時に使うチップをまとめたものです。主に各種デザイナー、印刷関係、広告代理店等の色をチョイスする職業の方が使用しているもので、一般には画材専門店やデザイン用品専門店等でしか購入できません。最近はネットでの注文もできるようです。使いたい色を切り離し、そのチップを発注先に渡したりするのです。使用頻度を考えれば、普段よく使う職種の人ではない限り、個人で購入されるのは価格的には難しいかも。

(2010.1.11更新)
「ミレゴジ スタンダードカラー」は完売致しました。ありがとうございました。
(2010.7.26更新)
「ミレゴジ グリーンバージョン」は完売しました。ありがとうございました。
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