Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その304

2012年11月20日 | 制作裏話


2.劇中スーツの色



ギドゴジの劇中スーツの色は?
 この「ギドゴジ スタンダードカラー」は、劇中スーツのカラーをイメージして企画したものです。
 平成ゴジラ6作の劇中スーツは基本的には黒で塗装されているのですが、撮影時のライティングや背景やセットとの反射、爆発や粉塵等の影響等で、作品ごとに、さらにはシーンごとに映像で見られる色は違います。
 以前川北監督に(大まかにではありますが)お聞きした事があるのですが、撮影の最中のスーツのメンテナンスは昭和の時の方法と基本的には変わらなかったそうです。格闘シーンや爆撃を受けたりした後のゴジラは傷が残っていたり、火薬の跡が残ったりします。次のカットを撮るために当然メンテナンスやクリーニングが必要となります。撮影は時間との勝負でもあったそうなので、その場で修復、塗装。クリーニングについいてはほとんど「水をぶっかけるだけ」。いずれも乾かないうちに次のカットの撮影に入っていた事は珍しくはなかったそうです。そして撮影を重ねるごとにスーツは傷み、強い照明の影響もあってどんどん変色もしていくそうです。

 そこで「ギドゴジ」。前作『ゴジラVSビオランテ』でゴジラが登場するのは夜のシーン、暗いシーンがほとんどでした。『ゴジラVSキングギドラ』では正反対化のように昼のシーン、明るい背景のシーンが多く見られます。ですからビオゴジに比べてギドゴジは全体の色の変化がよくわかります。汚れの付き具合から、修復直後の「水をぶっかけた」と思われる濡れた感じもカットごとに推測できる程です。
 ですから劇中スーツのカラーをイメージした「スタンダードカラー」と言っても、カットごと映像で見える色は違うのですから、どういった色に商品を配色・塗装するのかは選択が必要です。
 もしかしたらそれまで発売してきた「スタンダードカラー」の中で、一番映像や資料等を見直したゴジラかも知れません。