Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その227

2011年05月13日 | 制作裏話


Part.1 制作のきっかけ

 今日から昨年6月から発売を開始した「モスラ幼虫 誕生バージョン」「モスラ幼虫 岩島戦バージョン」の制作裏話を書きます。どちらも現在発売中です。


▲左「誕生バージョン」、右「岩島戦バージョン」

■「モスゴジ」と並べたかったのです!!
 制作意図の理由は単純明快です。前年に発売した「モスゴジ」の対戦怪獣として並べたかったためです。
 その「モスゴジ」は、スチール等で見られる汚れや傷が少ないきれいで整った顔の「モスゴジ」ではなく、劇中で見られるアグレッシブでやんちゃな表情を見せている「モスゴジ」をイメージして制作しました。
 ゴジラを新作として作るたびに、同スケール、同じテイストのディフォルメで対戦怪獣が欲しいと思うのは毎回ですが、この「モスゴジ」の時は特に劇中にこだわって作りましたので、余計「モスラ」が欲しくなったのかもしれません。
 おかげさまで「モスゴジ」は皆様から好評をいただき、購入の際に「こうなるとモスラも欲しいですね」と口々に言われました。劇中の雰囲気を感じていただけた事が嬉しかったと同時に、「モスラ」も欲しいと同じように思って下さっていた事にも嬉しかったのです。

 当然の事ですが、新商品を作る際は当然ビジネスなので、採算の取れるものを作らなければなりませんし、それを発売する事で収益を上げなくてはなりません。ですから毎回ゴジラにしても対戦怪獣にしても明らかに売れないものを作っては単なる「趣味」になってしまいます。
 果たして「モスラ幼虫」はどうなのか。
 ぶっちゃけて本当の所を言いますと、これまでソフビメーカー各社から数多く発売されてきた事や、一部の根強いモスラファンがいるだろう事を考えました。ゴジラに比べれば大きな売り上げにはつながらないかもしれませんが、弊社ならではの「売り」を明確にする事で、ある程度の数はお求めいただけるのではないか、制作のコストの部分で考えた時にもしもの時でもリスクをゴジラに比べれば抑えられると判断しました。
 最終的なGO!サインはやはり先にあげたお客様の声。これで作りたい気持ちは固まったのです。

 本当は同時期に発売したかったのですが、諸々あって発売は「モスゴジ」から数ヶ月後になってしまいました。
 とにかくいつも以上に早く作って「モスゴジ」と並べたいという気持ちが強くありましたし、スケジュール的な事情もあって、いつもなら新作は夏に発売する所でしたが予定よりも早く制作に取りかかりました。
 正直な所、原型制作時間や組み立てや塗装作業等全てにおいて、今まで作ってきたゴジラに比べればはるかに時間も手間もかからないと思っていました。ですからかなり早く作れると思っていました。結果だけを見れば、確かにこの3つの作業は予想していた通り、ゴジラと比べて時間はかかりませんでした。
 しかし大きな問題が2つありました。どちらも今までにない程悩みました。

 続きはまた明日。