よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

「お互い40代婚」感想から

2018年05月27日 | 読書
たかぎなおこさんの新作。
相変わらず、ほんわかした作風で癒される。



旦那様に「老眼かよ」「真面目にやって!」
「もっと楽しい話題はないの?」と素の自分を曝け出すあたり
これまでのたかぎさんと違う…と思った方もいるかもしれない。

今までもう少し、言動に遠慮があったから。

でも、それが露わにできるからこそ、家族らしいな、と思った。

迷ったり悩んだりしつつも、「数年後にあの時挑戦しなかった、と
後悔はしたくない」「やってみてできなかったらそれはそれでいいじゃん」
と結婚、出産に前向きに取り組みつつ

でもなかなか妊娠できない人に対する配慮も忘れない、
ほんわりした作風はそのまま。

描かれてはいないが、良いことばかりでなく
苛立ちめいたものが隠されているように感じたが…。

あくまでたかぎさん視点なので、
すべてのイニシアチブが女性からのように感じられるが、
旦那さん視点で描かれたら
また別の感想が生まれるかもしれない。



他の方のレビューを読んで、少しびっくりしたのが
「40代で旦那に泣きついて頭を撫でてもらうなんて」
という批判の声。

そんなデフォルメに噛みつくんだ…。


そこから思ったのだが、どうも子育て世代に対する
批判論というのが根強い気がする。

むしろ60代以降のカップルのほうが
いろいろ許容されていないか?

猪瀬直樹さん(71)が妻(57)の膨れた頬をツンとつつく
のろけを吐露しても「お幸せに」「素敵」と言われるのだが

多分30~40代夫婦がそれをやると、また世間の反応は違うのだろう。

インスタで人気を博しているペアファッションの某夫妻や
往年のチャーミーグリーンCMの老夫婦。

この年齢だと「微笑ましい」と言われるのに
多分中年期がやると、なぜか叩かれるような気がする。


どうも日本は若年層か高齢層に対する許容度は高いが
責任世代の甘えや緩みには、随分辛辣なようだ。


自分自身を楽しくし、周囲に迷惑をかけないのであれば
すべからくどうでもいいことだ。

「他人のことはどうでもいいんだよ
 何より大事なことは、自分自身を生きることだ」


たしか、浅田次郎さんもそんな主張をしていた気がする。

まったく同感だ。



書評から大分逸脱したコラムになった