よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

コンサートで泣く赤ちゃん

2018年05月28日 | コラム
本日の毎日新聞の読者投稿より。




あるコンサートで母親に抱かれた赤ちゃんが大泣き。
退出しない母親に、係員が外に行くよう依頼しても頑なに拒む。
周囲は苦々しい視線。
約10分経過し、ようやく外に出た母親に周囲がほっとするも
1、2分で泣き続ける赤ちゃんを連れて戻る。

たまりかねて周囲の人間が席を立つ。
ひとりぽつんと座っていた母親も、ついに会場を後にする。

主催者が最後に詫びながら
「乳幼児連れは遠慮するよう言うべきだった。
 次回はファミリーコンサートを企画する」と挨拶。


筆者はこれに心打たれた、と結んでいる。




十数年前の、東京新聞の記事を思い出した。

斉藤由貴さんが子連れでコンサートに行った際、
子どもが大泣き。周囲から迷惑だと言われ
「もっとやさしい社会になってほしい」
という趣旨の話を寄稿したのだ。

それに対し、読者たちが猛反発。

「演奏者や観客に対する気配りが足りない」
「自分も子がいるが、電車に乗せる時も騒がないよう気を遣う。 
 子どもが大きくなるまでコンサートは控えるか、
 誰かに預けて行くべきでは」
「どうしても行かなければならない場所ならともかく
 自分が被害者だという感性は理解できない」

などなど。


毎日新聞の母親も、斉藤由貴さんのようなタイプなのだろうか。

私も十年前にフジ子・ヘミングさんのコンサートに行く予定の日
咳が止まらなくなり、「周囲に迷惑をかけてはいけない」と
会場に行かなかった。

第一、自分も周囲に気を遣って疲れてしまう。


赤ちゃんは泣くのが仕事でもあるが、
やれる範囲で調整するのが保護者の役割。

世間は決して、鬼ではない。

やれること、工夫できることをやらずに
自分の権利のみを主張した場合、
当たりが強くなるのは自明の理である。


気遣いは品格