よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

おとな小学生(益田ミリ)

2015年09月16日 | 読書
このところ益田ミリさんのエッセイを連続的に読んだ。



『おとな小学生』では大人の私と小学生の私が対話していく。

小学生「今までで一番楽しかったことは?」
おとな「大人は『一番』を即答しない者なんだよ」

小学生「後悔してることある?」
おとな「あるある。それが強さになるんだよ」

小学生「こどもの私に戻りたいってことある?」
おとな「大丈夫、ないよ。大きくなっていいんだよ」


この会話がしみじみ味わい深い。

益田さんの他の著書(手元にないので書名曖昧)で、
小学生の姪に30代半ばの叔母が「なぜ結婚しないの?」と問われ

「あのね、質問に全部答える必要はないんだよ。
  そうするとね、見失うんだよ。
    自分を」
と返答するシーンも、染み入るものがあった。


問いや期待や想い、自分に向けられるすべてに答えようとしなくてよい。

後悔や恥はいずれ強さに変わる。

過去を振り返ることなく、いつも前を向いて進んでいける。

益田さんの本には幾何かの棘も含まれているが、同時に優しさも詰め込まれていて、切なくて温かい気分になる。

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