goo blog サービス終了のお知らせ 

よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

インナーチャイルドは回復に有効か?

2015年09月15日 | コラム
以前、カウンセリングを受けた時に「子どものころの貴女を想像し、癒してください」という指示が出た。
幼い自分を想像することは容易いが、これにより何か変化するということは皆無だった。

それもそのはず、私が「インナーチャイルドと向き合うことで回復する」という概念に懐疑的だからである。

もちろん、全く無効ではないだろう。

けれど傷が癒えてほぼ支障なく過ごせている状況――若しくは生きづらさを感じつつも普段は忘失していること――を揺り起こすことが果たして正解なのか。

例えていうなら、手術のミスでお腹の中にメスが入ったままで、このままでは内臓を切り刻む、という状況なら開腹すべきだろう。
しかし時々軽く引き攣れた痛みを感じる程度の状況で、既に瘡蓋も消失し、傷跡もわからない程度の時に、再度傷を暴く必要はあるのだろうか。

私は、疑問があるときは「自然界はどうしているだろう」と思いを巡らせる。
おそらく、トラウマは必要だ。
楽しい経験よりも、苦い経験を記憶するほうが生き延びられる。

美味い餌があっても、そこで仲間が殺された場合、大抵の動物はそれを決して忘れず、同じ轍を踏まないように用心する。

動物たちは、常に未来を生きるように歩を進めている。

懐古に浸り、子ども時代の問題を炙り出そうとはしない、おそらくは。


人間と動物を比べるのは些か乱暴かもしれないが、「生きる」ための本能や智慧は、きっと動物たちのほうが真っ当だろう。



少し前に知人のヒーラーさんから「過去を振り返るワーク」という宿題を出された。
私は割と真面目なので、黙々と取り組んだが…その後の精神状態の低迷といったら!

無論、これは万人に該当する概念ではない。
しかし、私にはまったく向かないというか、かなり逆効果だった。

マイナスな出来事も生きる上での財産になる。
そして忘却することも、前に向かって生きるために必要な脳の働きだ。

だから私は、今後「過去にフォーカスする生き方」から疎遠でいようと思っている。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ こころの風景へ
にほんブログ村