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よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

星野源『働く男』

2017年01月14日 | 読書
逃げ恥効果なのか、図書館で検索すると星野源著書の予約数がとんでもないことになっています。

やっと『働く男』(ハードカバー)を借りることができました。


「好きなことをやって、対価を得る、その緊張感の中で働きたい」
言葉どおり無我夢中で仕事をしているところ、プロですね。

あと、いろいろなことに興味をもっていて、とにかく引き出しの多い人なんだなあと感じました。


ただ身体を壊しているので、無理をしないで日々を送ってほしいですね。

今年、ファンの前で無理はしないと誓ったらしいですが、星野さんのような人は頑張り過ぎちゃうからなあ。


本屋さんで文庫版が売られていて、こちらのほうが読みやすいなと思いました。
ハードカバー版のレイアウトが雑誌広告みたいで、かなり読みにくかったのですよ。

文章がよくても、2段組みは読まないとか、好きなフォントでないと読みたくないとか、好みがありますものね。


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『嵐が丘』完訳版を読んで気づく。

2017年01月11日 | 読書
小学校3年の頃、子ども向けの『嵐が丘』を読みました。

その中で印象に残っていた台詞がこちら。

「どうしてあの方と結婚なさりたいのですか?」

「だって、彼は若くて綺麗でお金持ちだもの」

「人間は、いつまでも若くて綺麗じゃありませんよ。
 それにお金のことだって、先々どうなるかわかったもんじゃありません」


これ、妙に心に残りました。
子ども心にも、この言葉の真実味は響きましたね。


「ネリー、僕は彼女に怒りを感じていないんだよ。
 怒っていない相手を、どうして許す必要があるんだ?」


こ、こここ、怖い。
正直「今まで読んだ台詞の中で怖かったものベスト3」に入ると思います。

いつか誰かをじんわり脅す時に使ってやろうとストックしていますが、幸いそんな機会は巡ってきません。


ええと、そういう思い出のある『嵐が丘』の完訳版を読んでみることにしました。


上巻を読んで、ちょっと唖然。

こんなに言葉の通じない人たちが、寄ってたかって喚き散らす話だったんだ…。

常識的なひとが殆ど出てこない小説は、かなり疲れます。

下巻は読まないで、図書館に返そうっと。


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好きな少女漫画

2016年08月06日 | 読書
絵柄に惹かれたのが大和和紀さんです。
私の古典好きの原点は、大和さんから発したものと思います。



「あさきゆめみし」「ヨコハマ物語」など著作を殆ど読みふけりました。


少女漫画の神様、萩尾望都さんを知ったのは最近で、
その天才っぷりに驚嘆し、作品を殆ど集めて読みました。



「ポーの一族」「残酷な神が支配する」、
休筆宣言をしてしまったが「ここではない☆どこか」シリーズも好きです。
特に、「春の小川」は泣けました。



絵柄の麗しさでいうと、皇なつきさん。



「蛇姫御殿」は18歳の時の作品というが、あの完成された線に度肝を抜かれました。

その他、川原泉さんの作品もほんわかして好きだった。



でもデビューの時からずっと応援し、すべての本を所有しているのは
「遠藤淑子」さん。



「マダムとミスター」「ヘヴン」「スマリの森」「なごみクラブ」
エヴァンジェリン姫、ぐーたら姫、「狼に気をつけて」…全部大好きです。

心が疲れているなと思った時に、読み返すととても効きます。


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遠藤淑子「なごみクラブ」

2016年07月31日 | 読書
晴耕雨読という言葉があるが、陽射しの強い暑い夏はなるべく家で過ごすようにしている。
概ね、本を読んだり音楽を聴いたり、片づけをしたり。

新しい月は特に気分よく迎えたいので、早めにカレンダーをめくり、念入りに掃除する。



10冊くらいの本を読んだが、今日もっとも癒されたのは
遠藤淑子さんの「なごみクラブ」。

遠藤さんがデビューしたころからのファンで、今もファンレターの返事を
大事に持っている。(絵はエヴァ姫)

断捨離人の私が、唯一全巻揃えている漫画家さんでもある。

絵は巧いほうではないが、それゆえ台詞の良さがしみわたる。
(多分、技巧の人が遠藤さんの漫画を描いたら、あの良さは出ないと思う)

今回のなごみ。

ひきこもりでウツだった息子が見せる優しさに顔を輝かせる母親、

「夢はかなう」と歌う自分に欺瞞を持つアイドルに
「叶うことが少なくても、そう言う人がいないとダメだ」と説くホスト、

赤ちゃんのはじめての「立っち」に立ち会えて「超ラッキー」と欣喜雀躍の両親

「ポジティブであろうとするあまりネガティブなことを一切考えないとしたら
 自分の気持ちを半分切り捨てるようなもの。それは他人の気持ちを推し量る
 データが半分しかないということになりませんか」という台詞もしみじみ良かった。

心が疲れた時は、遠藤淑子を読むに限る!

遠藤さん、少し生活のリズムが変わったためか、絵が丁寧になっていた。
背景も綺麗に書き込まれて、漫画に集中できるようになったのかなと思った。


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おとな小学生(益田ミリ)

2015年09月16日 | 読書
このところ益田ミリさんのエッセイを連続的に読んだ。



『おとな小学生』では大人の私と小学生の私が対話していく。

小学生「今までで一番楽しかったことは?」
おとな「大人は『一番』を即答しない者なんだよ」

小学生「後悔してることある?」
おとな「あるある。それが強さになるんだよ」

小学生「こどもの私に戻りたいってことある?」
おとな「大丈夫、ないよ。大きくなっていいんだよ」


この会話がしみじみ味わい深い。

益田さんの他の著書(手元にないので書名曖昧)で、
小学生の姪に30代半ばの叔母が「なぜ結婚しないの?」と問われ

「あのね、質問に全部答える必要はないんだよ。
  そうするとね、見失うんだよ。
    自分を」
と返答するシーンも、染み入るものがあった。


問いや期待や想い、自分に向けられるすべてに答えようとしなくてよい。

後悔や恥はいずれ強さに変わる。

過去を振り返ることなく、いつも前を向いて進んでいける。

益田さんの本には幾何かの棘も含まれているが、同時に優しさも詰め込まれていて、切なくて温かい気分になる。

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