昨日、映画 『ピンク・パンサー』 シリーズでクルーゾー警部の使用人
ケイトーを演じた俳優さんが亡くなったそうです。
バート・クウォーク、享年85歳(敬称略)。
クルーゾー警部の隙を狙って襲いかかる面白い使用人だったけど、あれ実は、クルーゾー警部に
許可されていた、というより頼まれてしていたことだったんですね。
常に警戒を怠らないという訓練のために。
警部を油断させるため、予期せぬところに隠れていて不意打ちを食らわせるケイトー。
冷蔵庫から、そして洋服箪笥から。
二人の格闘のあと、クルーゾー警部の住居はいつもめちゃめちゃで・・・ 後片付けするのは、やはりケイトーだったんだろうなぁ。
クルーゾー警部がすき焼きに舌鼓を打とうとしていたところに、着物姿のウェイトレスに変装したケイトーが
不意打ちをかけるなんてこともあったんですね。
格闘の最中でも、電話が鳴ると冷静な声で応答するケイトーが面白い
二人の格闘シーンの視聴はコチラ: ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦
シリーズ第2作 『暗闇でドッキリ』 (1964年) でケイトーとして初出演したときは、33~34歳だったことになります。
クルーゾー警部とケイトーの格闘が人気を博し、その後も続けて出演。
『ピンク・パンサー4』 (1978年) ではクルーゾーの捜査助手を務めたって? それは大出世!
ケイトー役で有名になる前も、『六番目の幸福』 (1958年) でイングリッド・バーグマンと共演していたとは
知りませんでした!
100人の中国人孤児たちを、日本軍から守りつつ安全な土地へと導いた伝説のイギリス人女性宣教師の実話を
基にしたこの映画。 若きクウォークは、彼女を助け、彼らを守るため自らを犠牲にした元囚人の役だったみたい。
それになんと、2本の007映画にも出演していたとは! 007映画のパロディー作品も含めると、3本になります。
左から: 『ゴールドフィンガー』、パロディーの 『007 カジノロワイヤル』、日本を舞台にした 『007は二度死ぬ』。
1980年代前半には、3年間続いたBBCのTVシリーズ Tenko (点呼)で日本軍のヤマウチ少佐を演じたそうです。
1942年のシンガポール陥落後日本軍に捕らえられた英国・オーストラリア・オランダ人女性たちの体験を描いたという、
31話からなるこのシリーズ(1話50分)。 戦争オタク?としては・・・ 内容が気になるわぁ~・・・
そうして 『ピンク・パンサー』 後も、映画とテレビで活躍。
2002年から2010年までは、BBCの人気コメディー・シリーズ Last of the Summer Wine にも出演していたそうです。
1973年に始まり2010年に終わったこの長寿番組。 私は見たことなかったけれど、お爺さんトリオが主人公という珍しい設定で、
クウォークは最後の三人組の一人を演じたとのこと。 このシリーズ、王室メンバーもファンで、チャールズ皇太子は
今は亡きクイーン・マザーに勧められて視聴するようになったとか。
老人トリオを演じる俳優さんたちはもちろん高齢だから、最後の3人になるまでにもいろいろな役者さんが
トリオを演じたようです。
2011年には大英帝国勲章を受章。 勲章を授与する際、クウォークはチャールズ皇太子に
「気分が沈んだときはピンク・パンサーを見るんですよ。 気分が良くなりますから。」 と言われたそうです。
私生活では1961年に結婚、1974年に息子さんに恵まれました。
訃報をきっかけに、いろいろと学ぶことができました。
バート・クウォークさんのご冥福をお祈りします。
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ケイトーという名前は、我家には特別に愛着がありまして。 6年前に虹の橋に旅立った愛犬の名前だからです。
そのものズバリ、クルーゾー警部の使用人ケイトーからもらったもの。 (『名前の由来』)
ブログ記事にはしませんでしたが、今年もケイトーの命日はちゃんと覚えていましたよ。
ムスメが生まれるより先にうちに来て、ムスメが14歳になるまで長生きしてくれた愛犬ですから、
忘れようにも忘れられません。 (『三人と一匹に。』 『“My Hairly Brother”』)
さて、使用人ケイトーの名のスペルですが。
ケイトーが初めて登場した 『暗闇でドッキリ』 のときは Kato でしたが、次回作以降は Cato に変更されたそうです。
私たちがテレビガイドで見たスペルは Kato だったので、うちはそれと思い込んでいました。
これだと 『加藤』 さんと同じになっちゃうけど、まぁいいさ。 ケイトーはどちらだろうとお構いないだろうし。
ついでながら、ケイトーの遺灰は今も居間に(シャレではない)飾ってあります。
こうなったらやはり、私の棺に一緒に入れてもらうとしようかな・・・?